ジェラルディーナ(欧字名:Geraldina 香:吉典娜、2018年5月12日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2022年のエリザベス女王杯、オールカマー。
馬名の意味は、女性名より[8]。2022年のJRA賞最優秀4歳以上牝馬である。
母は史上4頭目の三冠牝馬でGIを7勝したジェンティルドンナ。父は安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイルなどGI6勝のモーリス。2022年のオールカマーを勝利し、ジェンティルドンナ産駒初の重賞勝ち馬となった。同じく2022年のエリザベス女王杯を勝利し、ジェンティルドンナ産駒初のGI勝ち馬となった[注 1]
戦績
一口馬主法人サンデーレーシングから総額7,000万円(一口175万円×40口)で募集された[9]。
2歳(2020年)
9月の中京競馬場新馬戦でデビュー[10]。初戦は3着[11]、2戦目の未勝利戦は2着となり[12]、3戦目で勝ち上がった[13]。その後、年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズに挑戦するも、ソダシの7着に敗れた[14]。
3歳(2021年)
年が明けてリステッド競走エルフィンステークスに出走、2番人気に支持されるも10着となり、クラシック路線には乗れなかった[15]。この後これまでジェラルディーナの調教師だった石坂正が2月28日に定年のため引退し、斉藤崇史厩舎へと転厩した[16]。
転厩後は自己条件に戻り古馬との初対戦となった6月27日の阪神競馬第8競走・城崎特別(1勝クラス)では、競走中に右手綱の尾錠が外れるアクシデント[注 2]もあり8着と敗れた[18]。
しかし、7月に小倉競馬のマカオジョッキークラブトロフィー(1勝クラス)から、2勝クラス、3勝クラスと立て続けに勝利を収め、3連勝となった[19][20][21]。秋華賞には出走せず、その後12月に阪神競馬場で開催されたチャレンジカップに出走し、ソーヴァリアントの4着と善戦した[22]。
4歳(2022年)
ほとんど掲示板は確保するものの、勝ちきれないレースが続き、8月に小倉競馬場で行われた小倉記念でも、1番人気に支持されるが、勝ったマリアエレーナに突き放され、3着に終わった[23]。しかし、9月に中山競馬場で開催されたGIIオールカマーでは、5番人気ながら最内で脚を溜め、見事に差しきって、1番人気の三冠牝馬デアリングタクトなどを退け、重賞初制覇を飾った。この勝利でGI・7勝の母ジェンティルドンナ産駒初の重賞制覇となった[24]。
さらに次走となる11月13日のGIエリザベス女王杯では、クリスチャン・デムーロを鞍上として出走。道中中団のやや後方に位置すると、最後の直線で大外から追い込んで差し切り勝ちを決め、GI初制覇を成し遂げた[25]。
年内最終戦の有馬記念では、スタートで1馬身出遅れ、道中は後方3番手で追走。それでもロスを最小限に抑えて懸命に追い上げ、直線では末脚を見せて猛然と追い込むも、早めに抜け出したイクイノックスやボルドグフーシュには届かず3着に敗れた[26][27]。
5歳(2023年)
4月2日の大阪杯から始動。道中中団のやや後ろで前年の二冠牝馬スターズオンアースをマークしながらレースを進め、直線で鋭く脚を伸ばしたがジャックドールの6着に敗退[28]。その後、香港に遠征し4月30日のクイーンエリザベス2世カップに出走。後方からレースを進めたがスローペースが災いして7頭立ての6着に終わる[29]。帰国後、6月25日の第64回宝塚記念では武豊とのコンビで挑み、後方追走から3コーナー手前で外から仕掛けるも直線で力尽きて4着に敗れた[30]。
秋に入り、9月24日のオールカマーでは出遅れて中団のやや後ろからレースを進め、直線で脚を伸ばすも6着[31]。11月12日に行われたエリザベス女王杯ではまたしてもスタートで出遅れて道中は中団追走も直線で伸び切れず5着となり、連覇はならなかった[32]。ラストランとなった12月10日の香港ヴァーズでは好位のインから脚を伸ばしてきたがジュンコの4着に敗れた[33]。帰国後、12月20日付でJRAの競走馬登録を抹消された。引退後は北海道安平町のノーザンファームで繁殖牝馬として供用される[34][35]。
エピソード
競走成績
以下の内容は、JBISサーチ[38]、netkeiba.com[39]および香港ジョッキークラブ[40]の情報に基づく。
競走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離(馬場) |
頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 |
タイム (上り3F) |
着差 |
騎手 |
斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) |
馬体重 [kg]
|
2020.09.12
|
中京
|
2歳新馬
|
|
芝1600m(稍)
|
16
|
1
|
1
|
004.40(3人)
|
03着
|
R1:35.8(34.5)
|
-0.3
|
0岩田康誠
|
54
|
サトノルーチェ
|
440
|
0000.10.03
|
中京
|
2歳未勝利
|
|
芝1600m(良)
|
10
|
7
|
8
|
003.70(2人)
|
02着
|
R1:34.5(35.6)
|
-0.2
|
0岩田康誠
|
54
|
スパークル
|
432
|
0000.11.23
|
阪神
|
2歳未勝利
|
|
芝1800m(良)
|
16
|
5
|
9
|
003.40(2人)
|
01着
|
R1:46.7(35.7)
|
-0.0
|
0北村友一
|
54
|
(トウシンモンブラン)
|
432
|
0000.12.13
|
阪神
|
阪神JF
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
2
|
3
|
030.70(8人)
|
07着
|
R1:33.6(33.7)
|
-0.5
|
0岩田康誠
|
54
|
ソダシ
|
428
|
2021.02.06
|
中京
|
エルフィンS
|
L
|
芝1600m(良)
|
12
|
4
|
4
|
005.70(2人)
|
10着
|
R1:36.6(33.8)
|
-0.6
|
0北村友一
|
54
|
サルファーコスモス
|
430
|
0000.06.27
|
阪神
|
城崎特別
|
1勝
|
芝1800m(良)
|
9
|
8
|
8
|
005.00(4人)
|
08着
|
R1:49.4(38.4)
|
-3.5
|
0福永祐一
|
52
|
ジオフロント
|
436
|
0000.07.10
|
小倉
|
マカオJCT
|
1勝
|
芝1800m(良)
|
13
|
4
|
4
|
004.10(2人)
|
01着
|
R1:45.3(35.0)
|
-0.4
|
0福永祐一
|
52
|
(トウシンモンブラン)
|
438
|
0000.09.05
|
小倉
|
筑後川特別
|
2勝
|
芝1800m(良)
|
11
|
8
|
11
|
001.70(1人)
|
01着
|
R1:47.8(33.1)
|
-0.3
|
0福永祐一
|
52
|
(ジュンブルースカイ)
|
438
|
0000.10.17
|
阪神
|
西宮S
|
3勝
|
芝1800m(良)
|
15
|
5
|
9
|
002.40(1人)
|
01着
|
R1:46.1(33.3)
|
-0.3
|
0福永祐一
|
53
|
(イズジョーノキセキ)
|
444
|
0000.12.04
|
阪神
|
チャレンジC
|
GIII
|
芝2000m(良)
|
11
|
1
|
1
|
003.90(2人)
|
04着
|
R2:01.8(34.1)
|
-0.8
|
0福永祐一
|
53
|
ソーヴァリアント
|
448
|
2022.02.13
|
阪神
|
京都記念
|
GII
|
芝2200m(稍)
|
13
|
6
|
9
|
007.50(4人)
|
04着
|
R2:12.2(33.6)
|
-0.3
|
0福永祐一
|
53
|
アフリカンゴールド
|
454
|
0000.04.09
|
阪神
|
阪神牝馬S
|
GII
|
芝1600m(良)
|
11
|
7
|
9
|
004.00(3人)
|
06着
|
R1:33.2(33.4)
|
-0.4
|
0幸英明
|
54
|
メイショウミモザ
|
450
|
0000.06.04
|
中京
|
鳴尾記念
|
GIII
|
芝2000m(良)
|
10
|
8
|
9
|
005.40(4人)
|
02着
|
R1:57.8(33.6)
|
-0.1
|
0福永祐一
|
54
|
ヴェルトライゼンデ
|
452
|
0000.08.14
|
小倉
|
小倉記念
|
GIII
|
芝2000m(良)
|
15
|
2
|
4
|
003.20(1人)
|
03着
|
R1:58.2(35.0)
|
-0.8
|
0福永祐一
|
54
|
マリアエレーナ
|
458
|
0000.09.25
|
中山
|
オールカマー
|
GII
|
芝2200m(良)
|
13
|
2
|
2
|
019.50(5人)
|
01着
|
R2:12.7(35.1)
|
-0.2
|
0横山武史
|
54
|
(ロバートソンキー)
|
464
|
0000.11.13
|
阪神
|
エリザベス女王杯
|
GI
|
芝2200m(重)
|
18
|
8
|
18
|
008.10(4人)
|
01着
|
R2:13.0(35.4)
|
-0.3
|
0C.デムーロ
|
56
|
(ウインマリリン) (ライラック)
|
470
|
0000.12.25
|
中山
|
有馬記念
|
GI
|
芝2500m(良)
|
16
|
3
|
5
|
007.40(3人)
|
03着
|
R2:33.1(35.7)
|
-0.7
|
0C.デムーロ
|
55
|
イクイノックス
|
470
|
2023.04.02
|
阪神
|
大阪杯
|
GI
|
芝2000m(良)
|
16
|
1
|
1
|
008.50(5人)
|
06着
|
R1:58.0(34.9)
|
-0.6
|
0岩田望来
|
56
|
ジャックドール
|
472
|
0000.04.30
|
沙田
|
QEII世C
|
G1
|
芝2000m(Gd)[注 3]
|
7
|
2
|
7
|
008.20(4人)[注 4]
|
06着
|
R2:02.74(34.19)
|
-0.82
|
0C.デムーロ
|
55.5[注 5]
|
Romantic Warrior
|
463[注 6]
|
0000.06.25
|
阪神
|
宝塚記念
|
GI
|
芝2200m(良)
|
17
|
6
|
11
|
013.80(3人)
|
04着
|
R2:11.4(35.5)
|
-0.2
|
0武豊
|
56
|
イクイノックス
|
466
|
0000.09.24
|
中山
|
オールカマー
|
GII
|
芝2200m(良)
|
15
|
4
|
6
|
005.10(3人)
|
06着
|
R2:12.5(35.1)
|
-0.5
|
0団野大成
|
56
|
ローシャムパーク
|
466
|
0000.11.12
|
京都
|
エリザベス女王杯
|
GI
|
芝2200m(良)
|
15
|
4
|
7
|
004.60(2人)
|
05着
|
R2:12.9(34.7)
|
-0.3
|
0R.ムーア
|
56
|
ブレイディヴェーグ
|
466
|
0000.12.10
|
沙田
|
香港ヴァーズ
|
G1
|
芝2400m(Gd)[注 7]
|
9
|
5
|
7
|
017.00(5人)[注 8]
|
04着
|
R2:30.73(35.56)
|
-0.61
|
0W.ビュイック
|
55.5[注 9]
|
Junko
|
463[注 10]
|
- 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
- 香港のオッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの(日本式のオッズ表記とした)
血統表
脚注
注釈
- ^ 父母ともにJRA年度代表馬という配合では初のGⅠ馬でもある。ジェラルディーナ以前には米国年度代表馬サンデーサイレンスとJRA年度代表馬エアグルーヴの間に生まれたアドマイヤグルーヴ等もGⅠを制している他、JRA賞受賞馬同士の配合でもキングカメハメハとエアグルーヴの産駒ルーラーシップ等がGⅠ馬となっている
- ^ この件で、管理する斉藤崇史に過怠金20万円の制裁が下っている[17]。
- ^ 馬場状態の発表は「Good」[41]。これをJRAは「良」と発表した[42]。馬場状態#芝馬場参照。
- ^ オッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの[41]。日本国内では、単勝オッズ5.4倍の2番人気であった。
- ^ 斤量は122ポンド[41]。これをJRAは「55.5kg」と発表した[42]。
- ^ 馬体重は1022ポンド[41]。これをJRAは「463kg」と発表した[42]。
- ^ 馬場状態の発表は「Good」[43]。これをJRAは「良」と発表した[44]。馬場状態#芝馬場参照。
- ^ オッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの[43]。日本国内では、単勝オッズ6.5倍の4番人気であった。
- ^ 斤量は122ポンドで[43]、メートル法に換算すると約55.34キログラム(小数点第3位以下を四捨五入)。これをJRAは「55.5kg」と発表した[44]。
- ^ 馬体重は1028ポンドで[43]、メートル法に換算すると約466.29キログラム(小数点第3位以下を四捨五入)。これをJRAは「466kg」と発表した[44]。
出典
外部リンク
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(旧)最優秀5歳以上牝馬 |
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
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最優秀4歳以上牝馬 |
|
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- 1 2001年より馬齢表記法が数え年から満年齢に移行
*2 1954-1971年は「啓衆社賞」、1972-1986年は「優駿賞」として実施
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