スーパーロボット大戦UX
『スーパーロボット大戦UX』(スーパーロボットたいせんユーエックス)は、バンダイナムコゲームスより2013年3月14日に発売されたニンテンドー3DS用シミュレーションRPG。 キャッチコピーは「すべての可能性が、ここに集う」。 概要SDで表現されたロボットたちが競演するクロスオーバー作品「スーパーロボット大戦シリーズ」の一つ。シリーズ初のニンテンドー3DS用ソフト[3]。DS系ハードでは初めてとなる、戦闘シーンのフルボイス演出を採用[3]。アニメーションは裸眼立体視に対応している[3]。グラフィックもニンテンドーDSとの解像度の違いもあり、全てが新規描き起こしとなった[4]。これまでの携帯機シリーズでは、会話文などのフォントはオリジナルのものであったが、今作ではフォントワークスのロダンNTLGを使用している。 タイトルの「UX」は登場組織「アンノウン・エクストライカーズ」の略称であり、またアルファベット1文字でのネタが尽きてきたことから2文字となっている[3]。 シリーズでは初めてゲーム機本体(ニンテンドー3DS LL)との同梱版も発売。また、同シリーズ初の有料ダウンロードコンテンツ対応ソフトでもあり、発売日後より各キャンペーンマップ(ツメスパロボ・サブシナリオ)が順次配信された。 あらすじプロローグ銀河を航行する移民船団マクロス・フロンティア、ザ・ブーム軍の侵略によってラドリオ星を追われた宇宙船エルシャンク、バイストン・ウェルの聖戦士、三璃紗の覇権をめぐる3人の英雄……それぞれの地で生きる者たちが、等しく同じ声を聞いた。 集え、始まりの場所に― 第二次世界大戦より200年が経過した世界。2年前に地球連邦が成立したことで人々は戦争の危機を乗り越えたかのように見えた。だが連邦を構成する3大国家は今なお陰で権力闘争を繰り広げ、また、人間を同化してしまうフェストゥムの存在など、平和への脅威は依然として絶えることはなかった。 そうした表沙汰にできない災厄の種を秘密裏に葬り去る「地獄の処刑人」、それが傭兵集団UX(アンノウン・エクストライカーズ)である。 第1部 IN THE END OF WILD地球連邦軍に所属するアニエス・ベルジュ(アーニー)とジン・スペンサーは、ノーヴル・ディラン博士が開発した新型機「ライオット」のテストパイロットに選ばれる。2人はテスト中に現れたスクラッグを撃退したことで、連邦軍のグラハム・エーカー少佐を隊長とする異星人迎撃部隊に配属される。一方、UXのリチャードと彼の娘サヤは、地球に飛来したエルシャンクの護衛を請け負うが、ザ・ブームと結託した火星開拓長官ハザードの陰謀で、彼らも危険分子扱いされる。 アーカムシティに現れたエルシャンクやUXとの交戦中、アーニーの機体に搭載された粒子加速炉が暴走をはじめ、被害の拡大を抑えようとしたリチャードによって撃墜される。アーニーが目覚めると、そこは日本のJUDA社で、彼の体には特に異状なくライオットも修理されていた。そのまま原隊復帰するつもりでいた彼は、連邦軍の協力者だったはずのザ・ブームが街を攻撃する光景を目の当たりにし、UXとともにザ・ブームと戦ってしまう。葛藤の後、アーニーはUXで戦うことを決める。リチャードが乗機オルフェスの空間転移能力の負荷で倒れた後、アーニーはオルフェスのパイロットの座を受け継ぎ、サヤのパートナーとなる。 エルシャンクに続いて三璃紗のガンダム型人間やフロンティア船団など、さまざまな並列宇宙からの来訪者が地球に現れ、UXは彼らを仲間に加えていく。しかし偶然と呼ぶにはできすぎた出会いの連続に、彼らは作為的なものを感じずにはいられなかった。 そのころジンは昇進して新たな部隊を率いていたが、死んだと思っていた親友アーニーがUXに与していることを知ると、「裏切り者」と激昂して襲い掛かる。アーニーは誤解を解こうとするが、戦闘中ジンの機体の粒子加速炉も暴走しかけたため、やむなく撃墜する。 ハザードらの工作によって、UXと彼らを支援するJUDA社はテロリスト集団に仕立て上げられる。そのような折、JUDA社と敵対する加藤機関は世界征服を宣言すると、衛星兵器を掌握する。この危機を口実として、ハザードは自分の意のままになる「人類軍」を創設するが、すんでのところでアスラン・ザラによって悪事を暴かれて失脚し、地球連邦政府大統領は自ら依頼者としてオーダーUX-E9で衛星兵器の破壊を既に加藤機関との戦闘に入っていたUXへ正式に依頼。UXによって撃退された加藤機関は世界中の核ミサイルを発射させるが、それもまたUXに破壊され、一連の活躍とマリナ・イスマイールの演説によってテロリストとしての疑いは晴れる。 第2部 VAGABOND BLUES地球連邦政府公認の独立遊撃部隊アルティメット・クロスとして新生したUXは、フロンティア船団を襲う宇宙生物バジュラやブラックロッジ、謎の金属異星体ELSと戦っていく。さらに旧日本帝国軍人だったサコミズが、変わってしまった現在の日本を制圧するためバイストン・ウェルからホウジョウ軍を率いて地上に現れ、事態は混迷の度合いを深めていく。 そうした世界規模の混乱のさなか、生きていたジンがノーヴル博士の娘アユルとともに現れ、アーニーに戦いを挑んでくる。以前のような誤解から生じた憎しみのためではなく、何らかの信念に基づいて行動するジンにアーニーは圧倒されるが、オルフェスとサヤの支援機ライラスが合体して完成したオデュッセアの力でこれを退ける。 連邦軍は北極に集結したフェストゥムの掃討を目的としたヘブンズドア作戦を展開するが、フェストゥムとの相互理解を目指すUXは独自に蒼穹作戦を決行する。人類とフェストゥムの対話が成立したと思ったのもつかの間、連邦軍の核攻撃によってフェストゥムは焼き払われ、和平は幻に終わる。 人類軍の指令に返り咲いたハザードは、東京侵攻をもくろむホウジョウ軍をそそのかしてUXと戦わせる。頑として現在の日本を認めようとしないサコミズだったが、戦闘中に核ミサイルが東京に落とされそうになると、後事をUXの若者たちに託してミサイルを道連れに消える。 第3部 SAMEDAY,LIFE TOGETHERホウジョウ軍の撤退から3か月が経過した。加藤機関がJUDA社に襲撃をかけてくるが、彼らの真の目的は、月の内部から人類を監視する機械生命ヒトマキナに対抗することにあった。事実が明らかになった今、加藤機関もUXの一員となり、協力してヒトマキナを滅ぼす。 第2次蒼穹作戦の実行によってフェストゥムは人類を理解し、小惑星規模で地球に襲来したELSも、刹那が試みた対話によって、危機に瀕した母星から助けを求めて来ていたことが判明する。ザ・ブーム軍やハザードはついに滅び、彼らやギャラクシー船団に利用されかけたバジュラは解放される。この宇宙に生きるものたちは、姿かたちがどれほど異なっていようと、始まりを同じくする命なのだった。 アーニーとサヤ、ジンとアユルは最後に死力を尽くして戦い、アーニーたちが生き残る。そこへ、サヤとアユルに命を与えた母とも言うべき人物であり、ライオットやオデュッセアの開発者でもあるノーヴルが現れる。彼女の最終兵器を打ち破ったUXは、ノーヴルが来るべき終焉に立ち向かうため彼らの命の力を鍛え上げようとしてきたことを知る。 三璃紗やラドリオ星、ヒトマキナがやってきた人類滅亡後の世界、それらは並列世界などではなく、すべて地球の未来の姿だった。宇宙の歴史は数え切れないほど繰り返し、そのたびに多くの可能性を生んできた。だがその輪廻も無限には続かず、過剰になって飽和した可能性を無に帰するため、女神カリ・ユガが降臨する。すべての可能性をひとつにすることで新しい命の始まりの場所に集ったUXは、カリ・ユガを倒して未来を切り開く。 参戦作品一覧★はシリーズ初参戦作品。Vマークは音声付きシリーズ初参戦作品。
解説全16作品。その内新規作品は半数の8作品。意外性のある作品が取り入れられており、近い時期に発売された『第2次スーパーロボット大戦Z』[3]や『スーパーロボット大戦Operation Extend』との差別化も考慮され、若い世代向けを意識した作品になっている[5]。 『鉄のラインバレル(原作漫画版)』はキャラクターボイスや使用されているBGMなどの関係で、テレビアニメ版の著作権表記がなされている[6]が、キャラクターやメカのデザイン・ギミックなどの要素を含めて原作漫画基準となっており、原作者がカットイン原画や絵コンテを描いている[7]。なお、原作漫画は本作発売時点では未完結作品であったため、ゲーム中では原作コミック20巻までの内容をカバーしつつ、独自の決着をつけるアレンジが成されている。 『リーンの翼』は『聖戦士ダンバイン』と同じく、異世界バイストン・ウェルを舞台とした作品だが、本作では両作品を別世界として扱っている(元々、両作品にストーリー上の繋がりはない)。 『SDガンダム三国伝 Brave Battle Warriors』の参戦により本シリーズとしては初めて、人間が乗るロボット兵器としてのガンダム作品とガンダムそのものが擬人化されたSDガンダム作品のキャラクターが共演することとなった。また、ゲーム中ではモチーフである『三国志』についても触れられている。 『電脳戦機バーチャロン』シリーズ フェイ・イェンHDは『電脳戦機バーチャロン』と音声合成ソフトウェア「初音ミク」のコラボレーションキャラクターで、イラストおよびアクションフィギュアとして展開された。キャラクター単体が登場作品となることはシリーズ初であり、専用BGMをそのキャラクターが歌っている[8]。セリフは『電脳戦機バーチャロン』シリーズのプロデューサー・亙重郎が書いており、亙らによりシナリオ監修も行われた[8]。 パッケージ登場機体
システムここでは、本作特有のシステムや新規追加・変更されたシステムについて解説する。シリーズ共通のシステムについてはスーパーロボット大戦シリーズのシステムを参照。 『スーパーロボット大戦K』、『スーパーロボット大戦L』のパートナーバトルシステムを採用している他、以下のシステムを新規追加している。
原作を再現したシステム
オリジナルキャラクターアンノウン・エクストライカーズ/アルティメット・クロス各国家が共通で持つ傭兵部隊。各国家の首脳がテロや深刻な脅威を見舞われた場合、「オーダ-UX-99」を発信することで出動、それらを殲滅、あるいは現地の戦力で収拾可能なまでに落ち着いた場合撤退する。その行動律と、主力機であるオルフェスの圧倒的な戦闘力から「地獄の処刑人」と呼ばれている。 構成員はリチャードとサヤの他に、元チームDの一員であるエイーダ・ロッサの3名と少ないが、ソレスタルビーイングと協力体制を取り、活動の本拠にプトレマイオス2改を使用しているため、任務地がどこであろうと基本的に支障は発生しない。
敵勢力
オリジナルメカライオット地球軍の次期主力機動兵器。アーニーとジンがテストパイロットとして搭乗する。「陽子ジェネレータ」と呼ばれる新型の動力機関を搭載しており、他の機体を遥かに越える性能を持つ。
「命の力を体現する」機体人の意思の力を増幅させる特殊鉱石・オデュサイトを元に作った、粒子加速炉を発展させたシステムを搭載する。
その他
スタッフ
関連商品攻略本
プロモーションテレビCM&ラジオCMテレビCM第1弾のナレーションとラジオCMナレーションは、『HEROMAN』の主人公であるジョーイ役の小松未可子が担当している[16]。テレビCM第2弾のナレーションは、『機神咆吼デモンベイン』の大十字九郎役の伊藤健太郎が担当した[17]。 初回特典キャンペーンマップとツメスパがダウンロードできるダウンロードコードが封入されている[18]。 6大特典キャンペーン本作の発売を記念して、バンダイチャンネルと連動した6大特典キャンペーンが2013年2月5日から3月31日まで実施された[19]。
発売記念プレゼントキャンペーン本作の発売を記念して、スーパーロボット大戦公式サイトプレミアムメンバーズクラブの無料会員に、キャンペーン限定ツメスパが遊べるようになるダウンロードコード、および『スーパーロボット大戦Card Chronicle』で「BP 回復剤(小)」×20個が入手できるシリアルコードが配布された[21]。また『スーパーロボット大戦Card Chronicle』ゲーム内でも、発売を記念したキャンペーンページにて「BP回復アイテム(小)」×10個が配布された。 脚注注釈
出典
外部リンク |