この項目では、旧ポルトガル植民地の伝統的なデザートについて説明しています。このデザートに由来する台風の名前については「バビンカ 」をご覧ください。
アイスクリームを添えたベビンカ
東ティモールのビビンカ(ベビンカ)
フィリピンで市販されているバナナの葉に包まれたビビンカ
もち米粉のビビンカ
ベビンカ (Bebinca)はカスタードプディング またはケーキ の一種で[ 1] 、インド のゴア州 の伝統的なデザート である。ゴアのカトリック 信徒の家庭では、クリスマス を祝って食べられる[ 2] 。人気のあるゴア料理の一つで、ポルトガル やモザンビーク のゴア料理店でも食べることができる。
マカオ [ 3] や東ティモール [ 4] でも作られる。
フィリピン にもビビンカ (Bibingka )というケーキがあるが、ベビンカよりも相対的に穀粉 の量が多く、卵 の量が少ないため、プリン風ではない。
ベビンカ は、マカオによって台風のアジア名 の1つとして採用された[ 5] 。
ベビンカの製法
ゴアのベビンカは小麦粉 、砂糖 、卵黄 、カルダモン 、ギー とココナッツミルク から作られる。
特別な土製オーブン で、熱い炭の層を上に乗せて焼く。型にベビンカ生地を薄く流し入れ、火が通ったらその上に生地を流し入れてまた焼くことを繰り返して層を作っていく。ゴアでは必ず層状に焼かれなければならず、伝統的には16層である。
マカオのベビンカには米粉 が用いられ、層状には焼かない。また、マカオにはベビンカ・デ・レイテ(Bebinca de leite)という、牛乳 とココナッツミルクを両方用い、米粉の代わりにコーンスターチ を用いたベビンカがある。ゴア以外では、ギーをバター で代用し、ナツメグ で香りをつける[ 3] [ 4] 。東ティモールではビビンカ(bibinka)と呼ばれる[ 4] 。
フィリピンのビビンカ
フィリピンのビビンカは、バナナ の葉を敷いたケーキ型にビビンカ生地を流しこんでオーブンで焼いて作る。生地にはバニラ やアニス で香りをつける。焼き上がる少し前に、おろしたチェダーチーズ をふりかけて仕上げることがある。食べる直前にバターかマーガリン を塗り、砂糖とすりおろしたココナッツ を振りかけて供する。
フィリピンのビビンカには次のようなものがある[ 6] 。
ビビンカン・エスペシアル(Bibingkang especial):小麦粉のビビンカ
ビビンカン・ガラポン(Bibingkang galapong):もち米 粉のビビンカ
ビビンカン・カモテン=カホイ(Bibingkang kamoteng-kahoy):キャッサバ のビビンカ
ビビンカン・マラグキット(Bibinkang Malagkit)またはビビンカン・カニン(Bibinkang kanin)[ 7] :もち米のビビンカ
ビビンカン・ピニピグ(Bibinkang pinipig)ピニピグ (タガログ語版 ) (未熟な米を搗いてつくる米粉)のビビンカ
最長のビビンカ
2007年10月9日、フィリピンのイロコス・ノルテ州 ディングラス(Dingras)で、1000kgものキャッサバを使って長さ1kmにも及ぶビビンカを作り、1000人で食した。この記録は、ギネス・ワールド・レコーズ の世界記録に認定された[ 8] 。
脚注
外部リンク