大倉山ジャンプ競技場
大倉山ジャンプ競技場(おおくらやまジャンプきょうぎじょう)は、札幌市中央区にあるスキージャンプの競技場(ラージヒル)。宮の森ジャンプ競技場とともにナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設になっている[3]。 概要1923年に三角山に建設された国内初の固定スキージャンプ台「シルバーシャンツェ」を皮切りに、以後三角山では4年間で3基のジャンプ台が建設され、ジャンプ競技の中心地として用いられたが、三角山のジャンプ台は30m級にとどまっており、世界の潮流から遅れた状況にあった[4]。 1928年に秩父宮雍仁親王が来道した際に、将来の冬季五輪開催を見据え、札幌に国際級の大型ジャンプ台を造る必要性を大野精七らに訴え[5][6]、大倉喜七郎が私財を投じて建設計画を進めることとなった[4]。1929年にはノルウェーからジャンプ台造りの第一人者であるオラフ・ヘルセット中尉らが来札し、当時は無名の山に60m級のジャンプ台を造ることを決めた[6]。 1931年に大倉土木(現・大成建設)が4カ月間をかけ建設し、10月にジャンプ台は完成した[4]。建設費を賄い札幌市に寄贈した大倉喜七郎の厚意に報いて「大倉シャンツェ」と命名した(「シャンツェ」はドイツ語で「ジャンプ台」という意味)[7][8][6]。なお、無名の山に「大倉山」と名づけられると[9]、「大倉山シャンツェ」と呼ばれるようになった。 1957年、雪印乳業が当時の80m級ジャンプ台の北側に隣接して60m級の台(P点60m、K点69m)を設置し、札幌市に寄贈した。「雪印シャンツェ」と呼ばれ、雪印杯全日本ジャンプ大会が1958年から1969年まで開催されたほか、国民体育大会も開催された。 その後、1972年札幌オリンピックの会場として大改造され、「大倉山ジャンプ競技場」となった。一方で「雪印シャンツェ」は廃止され、跡地は観客席となった。 サマージャンプやナイタージャンプが可能な設備を整えており、国内大会や国際大会を数多く開催している。ジャンプ台とその周辺は観光地になっており、標高307mの展望ラウンジからは札幌の市街地や石狩平野、石狩湾を一望することができるほか、ジャンプ台の下には札幌オリンピックミュージアム、大倉山クリスタルハウスがある。公式キャラクターとしてエゾモモンガをモデルとした「くらやん」が誕生している[10]。 宮の森ジャンプ競技場共々老朽化が進み、2024年現在は国際スキー連盟(FIS)の定める国際規格に適合しない問題を抱えている。そのため、ラージヒルを改修し国際規格に適合させると共に、観客席を縮小して旧雪印シャンツェ部分にノーマルヒルを増設しデュアル化する構想があり、2024年11月には札幌市が正式にデュアル化構想を推進する姿勢を表明した。併せて現在のリフトをゴンドラ化するなど、バリアフリー化も推し進めるとしている[11]。 歴史
施設
バッケンレコード
大会実績
アクセス・駐車場
脚注
参考資料
関連項目外部リンク
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