『妖怪博士』(ようかいはかせ)は、月刊娯楽雑誌「少年倶楽部」(大日本雄辯會講談社)に1938年に連載された、少年探偵団が活躍する江戸川乱歩作の少年向け推理小説シリーズの第3話目である。
概要
前作「少年探偵団」で爆死したと思われていた、怪人二十面相による復讐劇である。シリーズ最長の作品だが、独立した3つのエピソードをつなげた構成となっている。
あらすじ
怪しい老人の後をつけて奇妙な洋館に忍び込んだ少年探偵団員の相川泰二。探索していた泰二の目に飛び込んできたのは、ぐるぐる巻きに捕えられた美少女だった。少女を助けようとする泰二だが、老人に見つかってしまう。奇怪な老人の蛭田博士は何か説明の出来ないような力を持っている様子で、屋敷にも不思議な仕掛けがあった……。
登場人物
- 相川泰二 - 小学六年生。少年探偵団の団員。
- 蛭田博士(はかせ) - 六本木屋敷町の三角屋根の洋館に住む医学者。
- 小林芳雄 - 少年探偵団の団長。明智の助手で「小林少年」や「小林君」と呼ばれる。
- 怪人二十面相 - 神出鬼没の怪盗で、変装が得意なため「二十面相」と呼ばれ、自らも称している。
- 明智小五郎 - 名探偵。二十面相の好敵手。
舞台
書誌情報
- 大日本雄弁会講談社:『妖怪博士』1940年[1]
- 講談社:江戸川乱歩推理文庫 第32巻『妖怪博士/青銅の魔人』1987年
- 講談社:江戸川乱歩(愛蔵版)『妖怪博士』 1988年
- 光文社:復刻・少年探偵団 『妖怪博士』[2] 1948年
- 光文社:少年探偵団全集③ 『妖怪博士』 1961年
- 光文社:江戸川乱歩全集 第12巻『悪魔の紋章』2003年
- ポプラ社:少年探偵2『妖怪博士』[3] 1964年
- ポプラ社:文庫 第3巻『妖怪博士』 1976年
- ポプラ社:新装版 少年探偵3『妖怪博士』 1998年
- ポプラ社:文庫(新装版) 第3巻『妖怪博士』 2005年
- ポプラ社:文庫クラシック 第3巻『妖怪博士』 2009年
映画化
『少年探偵団 第一部 妖怪博士』は、1956年11月7日公開の東映の映画。
- 出演
- スタッフ
- 監督:小林恒夫
- 脚色:小川正
- 原作:江戸川乱歩
- 企画:根津昇
- 撮影:佐藤三郎
- 美術:藤田博
- 音楽:山田栄一
- 録音:加瀬寿士、小松忠之
- 照明:銀屋謙蔵
脚注
- ^ 太平洋戦争により4巻までで刊行休止。
- ^ 戦前に刊行された『妖怪博士』までの3巻を、戦後に光文社から復刻(表紙のタイトルは、戦前と同じ「1行1文字の縦書き」の右から)。
- ^ 実際は、少年探偵2『妖怪博士』は、少年探偵3『少年探偵団』よりあとのエピソード。以降の出版では修正された。
関連項目
外部リンク
|
---|
小説作品 |
|
---|
登場人物 | |
---|
随筆・評論 | |
---|
リライト | |
---|
カテゴリ |