幕末純情伝
『幕末純情伝』(ばくまつじゅんじょうでん)は、つかこうへい作の長編時代小説。『幕末純情伝―龍馬を斬った女―』(ばくまつじゅんじょうでん りょうまをきったおんな)と題し『野性時代』(角川書店)1988年7月号にて発表、同年9月21日に角川書店より刊行された。幕末の騒乱期を舞台に、沖田総司は女性だったとの設定のもと[1][2]、沖田と土方歳三・坂本龍馬との三角関係を描いたコメディ。つか自身により戯曲化され1989年8月に刊行・初演された。 概要沖田総司は女性だったという設定で幕末の騒乱期を描く時代劇で、沖田と土方歳三や坂本龍馬との恋愛模様が繰り広げられる。 発表媒体で設定は異なり、たとえば捨て子だった沖田の養家の義兄(これも沖田と恋愛関係にある)は小説では小栗忠順、舞台版では勝海舟となっており、映画では沖田の出自には触れておらず義兄は登場しない。 『幕末純情伝―龍馬を斬った女―』のタイトルで『野性時代』(角川書店)1988年7月号に一挙掲載され、同9月30日に単行本として刊行された。のちに角川文庫版が刊行され、さらに光文社文庫から「つかこうへい演劇館」の一冊として再刊されたものが電子書籍になっている。 関連作として、舞台版の設定を踏まえた新選組メンバーのキャラクターや沖田総司の出生の設定等スケールアップされた『龍馬伝』三部作(完結はしていない)がある。 舞台上演に際して戯曲が発表されているが、実際の芝居内容と異なるところも多い。 あらすじ
登場人物
書誌情報
戯曲
『戯曲 幕末純情伝』と題し1989年8月1日に白水社より刊行、『幕末純情伝 黄金マイクの謎』として同年8月7日にPARCO劇場にてつかこうへい作・演出により初演された[3]。 以降、『熱海殺人事件』『飛龍伝』と並ぶつかの代表作として上演され続けている。 舞台
1989年1 - 2月、つかこうへい演劇復帰作『今日子』において、当日の出演者に春田純一を加えた特別キャストで『幕末純情伝』予告編が披露された[11]。 書誌情報(戯曲)
映画
1991年公開。角川春樹事務所製作、松竹配給。併映は『ぼくらの七日間戦争2』。 牧瀬里穂が沖田総司を演じた。急病により『天と地と』を降板した渡辺謙の復帰第1作でもある(角川春樹が渡辺に「復帰したら、(復帰後に)最初に製作される映画に出演させる」と約束したため)。 キャスト
スタッフ
「幕末純情伝製作委員会」:松竹、東急エージェンシー、日本衛星放送、ニッポン放送出版、パイオニアLDC、IMAGICA、江崎グリコ、北斗塾、角川書店 製作1990年12月19日、東京會舘で製作発表があり[13]、角川春樹事務所作品、松竹配給、監督・薬師寺光幸、出演・ 牧瀬里穂と発表された[13]。1990年末にも1991年松竹ラインアップとして黒澤明監督の『八月の狂詩曲』一本立ての後、1991年7月6日より『ぼくらの七日間戦争2』との二本立てで、監督・薬師寺光幸、出演・渡辺謙、牧瀬里穂と公表された[14]。モノクロ画面から始まり、黒船が岬を通過する4分過ぎからカラーになる。カラーを印象付けるため、菜の花畑の黄色が使われている。 キャッチコピー沖田総司を演じた牧瀬里穂は当時CMなどで人気がピークであったが[2]、封切時のキャッチコピーは、今日ではNGと見られる「沖田総司はBカップ。」と牧瀬がBカップである事実を白日の下にさらすプロモーションが行われた[2]。このキャッチコピーは、映画の内容など吹き飛ばすもので[2]、中学生男子は皆前屈みだったとされる[2]。後にリリースされたDVDでは当然ながらこのキャッチコピーは抹消されている[2]。 脚注
外部リンク |