『忠臣蔵』[1](ちゅうしんぐら)は、2004年10月18日から12月13日まで「テレビ朝日開局45周年記念企画」作品として放送された、東映制作の時代劇テレビドラマ。全9話。
キャッチコピーは “これは戦である。”
大石内蔵助役は松平健、吉良上野介役は伊東四朗。赤穂事件を赤穂浪士の側から描いた、時代劇の定番“忠臣蔵もの”のひとつ。
2005年2月25日にDVD-BOXが発売された。
概要
浅野内匠頭の勅使饗応役就任から、大石内蔵助たち四十七士による吉良邸討入の顛末までを描く。
古田求のオリジナル脚本による。脚本は元来、1991年のフジテレビ系単発時代劇『忠臣蔵 風の巻・雲の巻』で書き下ろされたもので、1996年の同局連続ドラマ『忠臣蔵』や、2003年のテレビ東京系『新春ワイド時代劇 忠臣蔵〜決断の時』でも用いられており、本作が4度目の採用である。オリジナルともいえる1991年版以降、定番娯楽作に徹した作風が本作まで濃厚に受け継がれている他、先行3作と共通する台詞も多い。また91年版以降、忠臣蔵の原典『仮名手本忠臣蔵』からも挿話が取り入れられている[2]。
本作で加筆された部分については、徳川綱吉の恐怖政治(生類憐れみの令等)や、幕府から迫害されていた山鹿素行に心服する浅野内匠頭を幕府が牽制した、などの解釈が挙げられる。
なお、第9話(最終話)には1996年版と本作の同時期にNHKで放送されていた『最後の忠臣蔵』で内蔵助を演じた北大路欣也が、吉良家の隣人・土屋主税役で客演している。北大路は1991年版[3]、1996年版に続き、古田版『忠臣蔵』4作品のうち3作に出演した。本作の主演を務めた松平健は、2010年にテレビ朝日で放送された『忠臣蔵〜その男、大石内蔵助』にて北大路と同様に土屋役でゲスト出演した。
あらすじ
文化爛熟期を迎えた元禄時代。五代将軍 徳川綱吉による独裁政治が行われ、賄賂が公然と横行し、武士道がもはや時代遅れと軽視された時代。強大な権力にたてつくものなど誰一人いなかったこの時代に亡き君主の無念を晴らすために家族を捨て、恋人を捨て、ただ「武士の誇り」のためだけに立ち上がった男たちと、それを支える女たちがいた。
サブタイトル
- 第1話「刃傷 松の廊下」
- 第2話「赤穂激震」
- 第3話「赤穂城明渡し」
- 第4話「静かなる決闘…千坂兵部」
- 第5話「祇園 遊郭に隠された真意」
- 第6話「山科 永遠の別れ」
- 第7話「東下り 垣見五郎兵衛」
- 第8話「討ち入り前夜 揺れる浪士たち」
- 第9話「討ち入り…狙うは怨敵・吉良上野介の首でござる!」
スタッフ
- 制作統括 - 早河洋(テレビ朝日)、福湯通夫(東映)
- 企画 - 岩永恵(テレビ朝日)、加藤貢(東映)
- プロデューサー - 田中芳之(テレビ朝日)、横塚孝弘(東映)
- 脚本 - 古田求
- 音楽 - 中村幸代
- 監督 - 齋藤光正(#1)、藤岡浩二郎(#2 - 3)、杉村六郎(#4 - 6)、吉田啓一郎(#7 - 8)、橋本一(#9)
キャスト
脚注
- ^ 作中のタイトルは「忠臣蔵」だけのロゴデザインだが、DVDジャケット等では「忠臣蔵 CHUSHINGURA」の様に英名が併記されている。
- ^ a b c d 特に2003年『忠臣蔵~決断の時』で『仮名手本忠臣蔵』からの挿話の加筆が多く、本作では03年版にあったお軽・勘平の悲恋物語などをカットした形で仕上げており、歴史上は架空の人物である『仮名手本忠臣蔵』オリジナルの登場人物も登場している。
- ^ 北大路は脇坂淡路守を演じて特別出演。
- ^ 垣見役も内蔵助経験者が演じることが多く、江守も1975年のNHK大河ドラマ『元禄太平記』で内蔵助を経験している。
- ^ 垣見五郎兵衛を演じた1996年版に続いて、古田版『忠臣蔵』に2度目の客演となる。
- ^ 利兵衛は古田脚本による4作すべてに登場しているが、本作でのみ、関西弁での演技となっている。
関連項目
外部リンク