『じゃあまん探偵団 魔隣組』(じゃあまんたんていだん まりんぐみ)は、1988年1月10日から同年12月25日までフジテレビ系で放送された少年探偵団ドラマ。全50話。東映不思議コメディーシリーズ第8作目。
あらすじ
江南小学校の5年生の仲良し5人組は、ドイツの潜水艦Uボートを発見し、そこを拠点にじゃあまん探偵団「魔隣組」を結成する。魔隣組は世紀の大怪盗ジゴマを倒すために、ジゴマ探知機(ジゴマが近づくと反応する)などの様々な秘密兵器を使いジゴマを追いかける。
解説
前作『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』のヒットを受けて製作された少年探偵団シリーズ第2弾[1][2]。メインライターが大原清秀になったこともあり、前作よりもシュールさとファンタジーを前面に出し[3]、また、謎の転校生である雨宮なども作品に独特の面白さを加えている[注釈 1]。バンダイから発売された「ジゴマ探知機」などの関連商品も好評だった。
1989年1月1日には、前作『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』の面々と共演する『魔隣組対覇悪怒組』が放送された[1]。
日笠淳がサブプロデューサーとしてメタルヒーローシリーズから移動し、最終作の『有言実行三姉妹シュシュトリアン』までシリーズに関わることになったほか、1960年代後半からヒーローものに一貫して携わった平山亨の東映における最後のプロデュース作品でもある[2]。
江川ノボル役の伊藤慎はのちに平成仮面ライダーシリーズなどのスーツアクターとして知られており、本作品は子役時代の伊藤が出演していた番組として紹介されることもある。
主な登場人物
魔隣組
名前の由来はドイツ語のジャーマンと「邪魔者」をかけて「悪者を邪魔する」、「潜水艦を基地としている」ことから[7]。
- 辻 タカシ
- 魔隣組のリーダー。辻刑事の息子。勉強は苦手。
- 田 トシカズ
- 歯医者の息子。ぽっちゃり体形。メカ好き。
- 江川 ノボル
- 寿司屋の息子。スポーツ万能。
- 後藤 ゲンタ
- 父はサラリーマン。物知り。メガネがトレードマーク。
- 古矢 カオリ
- 魔隣組の紅一点。母親は美容院を経営。少林寺拳法は初段。ちょっぴりお転婆。
大怪盗ジゴマ
白と黒のコスチュームに身を包んだ大泥棒。フルネームはフリードリッヒ・シュトロンハイム・フォン・ジゴマIII世。出自・出生・性別その他全てが謎に包まれている。正々堂々とした華麗な盗みを信条とし、卑怯な振る舞いを嫌う。そのため悪辣な犯罪者と戦ったり、傷を負うのを承知で魔隣組を助けたこともある。
- ジゴマの原型は、明治時代最後期から大正時代にかけて日本で上映された無声映画『怪盗ジゴマ』からである(ただしこちらのジゴマは殺人などの凶悪な手段も平気で行う点で、本作品のジゴマと異なっている)。ジゴマのコスチュームは皮膚に密着した全身タイツタイプである。
魔隣組の家族
- 辻 雄一
- タカシの伯父。斜六郎というペンネームの推理作家で、魔隣組に協力をすることがある。通称:シャーロックおじさん[7]。推理作家になる前はハイテクの分野で天才科学者と言われていたという。劇中で「ジゴマの正体はではないか?」という指摘が何度かなされているが、明確な答えは出さずに視聴者の想像に任せる形で物語は完結している。
- 辻 雄二
- タカシの父で雄一の弟。ジゴマを追う刑事。
- 辻 春江
- タカシの母。
- 田 敏夫
- トシカズの父。田歯科を経営。
- 田 和子
- トシカズの母。
- 江川 誠
- ノボルの父。千両すしの店主。
- 江川 京子
- ノボルの母。
- 後藤 靖邦
- ゲンタの父。サラリーマン。
- 後藤 花恵
- ゲンタの母。
- 古矢 道子
- カオリの母。美容院を経営。
その他
- 雨宮 タロウ
- ドイツからやってきた謎の転校生。透視能力を持つ。
- 篠塚先生
- 江南小学校の教師。魔隣組がいるクラスの担任。
- 由美
- シャーロックおじさん行きつけの喫茶店「ベイカー街」の店員。
魔隣組アイテム
- コンパス、望遠鏡、潜望鏡、ホイッスル、ミニライト、ルーペ、風向計、風力計、メジャー、追跡信号を発射できるシグナル銃
これらのいくつかは玩具化され発売されている。ジゴマ探知機にはテレビ画面の点滅に反応するテレビパワー機能が搭載されていた。
潜水艦魔隣号
第二次大戦中に日本と同盟関係にあったナチスドイツから物資を運ぶために派遣されたUボート[7]。しかし東京湾に近い河原に到着したのはドイツ軍が連合軍に降伏した直後であったため、乗組員は日本軍に捕虜にされ潜水艦は地中に埋め立てられてしまった。
そしてその存在は敗戦のゴタゴタで政府からも忘れ去られてしまい、現代の世になってシャーロックおじさんに誘導された魔隣組の秘密基地となる。
最終回ではジゴマによって「戦争いかん魔隣号」に改名された。
キャスト
スーツアクター
スタッフ
前作で監督としてデビューした辻野正人は、本作品では長雨の時期に当たり撮影が進まず、スケジュールについて制作担当と対立し、番組を降板した[10]。
主題歌
- オープニングテーマ
-
- 「クエスチョンの冒険」
- エンディングテーマ
-
- 「憧れミステリー」
- 作詞 - 森田由美 / 作曲 - 松本俊明 / 編曲 - 京田誠一 / 歌 - Waffle
放送日程
放送回 |
放送日 |
サブタイトル |
脚本 |
監督 |
ゲスト
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1 |
1988年01月10日 |
いつか会いたいジゴマ |
大原清秀 |
佐伯孚治 |
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2 |
1月17日 |
オレたちの家は潜水艦 |
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3 |
1月24日 |
父さんはライバル |
浦沢義雄 |
村山新治 |
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4 |
1月31日 |
ジゴマの森の秘密 |
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5 |
2月07日 |
恐怖の実験室 |
大原清秀 |
坂本太郎 |
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6 |
2月14日 |
ジゴマの晩餐 |
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7 |
2月21日 |
フランケンと少女の夢 |
浦沢義雄 |
佐伯孚治 |
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8 |
2月28日 |
失なわれた明日香の石 |
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9 |
3月06日 |
誰がために金はある |
大原清秀 |
坂本太郎 |
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10 |
3月13日 |
恐怖のP.T.A |
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11 |
3月20日 |
先生はジゴマじゃない! |
浦沢義雄 |
佐伯孚治 |
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12 |
3月27日 |
秘宝ゲルマンの血 |
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13 |
4月03日 |
ゲンタのスチャラカ社員 |
大原清秀 |
小西通雄 |
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14 |
4月10日 |
Uボートの狼男! |
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15 |
4月17日 |
ジゴマの首をとれ |
坂本太郎 |
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16 |
4月24日 |
お寿司の恩返し |
浦沢義雄 |
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17 |
5月01日 |
ジゴマIIIに夢中! |
村山新治 |
|
18 |
5月08日 |
瞬間キョンシー製造機 |
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19 |
5月15日 |
マリンコマンダーを渡すな |
佐伯孚治 |
―
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20 |
5月22日 |
バリカン軍団、現わる! |
大原清秀 |
- 稲葉誠
- 木沢智之
- 高島大輔
- 豊田浩之
- 男庭邦彦
- 奥田英太郎
- 近藤光大
- 長沢賢一
- 二見忠男
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21 |
5月29日 |
幻の母 |
坂本太郎 |
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22 |
6月05日 |
タカシの指導力 |
浦沢義雄 |
|
23 |
6月12日 |
赤ちゃん自動販売機! |
大原清秀 |
村山新治 |
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24 |
6月19日 |
ジゴマ刑務所大脱走! |
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25 |
6月26日 |
トマトの告訴 |
浦沢義雄 |
佐伯孚治 |
- 斉藤勇輔
- 小川鉄雅
- 柴田正伸
- 加藤精三
- 山中一徳
- 大山尚雄
- 洪和子
- 加世幸市
- 木村修
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26 |
7月03日 |
蛙の恩返し |
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27 |
7月10日 |
恋はスケボーに乗って |
掛札昌裕 |
坂本太郎 |
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28 |
7月24日 |
排排の逆襲 |
浦沢義雄 |
|
29 |
7月31日 |
ジゴマの血を吸え! |
村山新治 |
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30 |
8月07日 |
キャンプ場の亡霊 |
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31 |
8月14日 |
ロリータの妙薬 |
坂本太郎 |
|
32 |
8月21日 |
輝く南十字星伝説 |
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33 |
8月28日 |
さらば夏のジゴマ |
辻野正人 |
辻野正人 |
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34 |
9月04日 |
不思議少年タロウ |
大原清秀 |
|
35 |
9月11日 |
ゲンタの神様 |
浦沢義雄 |
坂本太郎 |
|
36 |
9月18日 |
不健康不良児トシカズ |
大原清秀 |
―
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37 |
9月25日 |
ノボルのかぐや姫 |
浦沢義雄 |
佐伯孚治 |
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38 |
10月02日 |
ホーキから落ちた魔女 |
大原清秀 |
|
39 |
10月09日 |
ジゴマへの贈り物 |
浦沢義雄 |
辻野正人 |
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40 |
10月16日 |
トシカズ神童となる |
大原清秀 |
|
41 |
10月23日 |
コスモスの恋 |
坂本太郎 |
- 村添豊徳
- 松永秀一
- 矢部なつ代
- 市川千里
- 大林丈史
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42 |
10月30日 |
戦国紅葉伝説 |
浦沢義雄 |
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43 |
11月06日 |
2050年の魔隣組 |
中嶋信昭 |
佐伯孚治 |
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44 |
11月13日 |
ハチ公よりキュー公 |
大原清秀 |
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45 |
11月20日 |
新 アリとキリギリス |
坂本太郎 |
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46 |
11月27日 |
キムチの遺跡の発掘 |
浦沢義雄 |
- 神田亜矢子
- 樋口松之
- 熊本俊雄
- 関時男
- アンドラ吉岡
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47 |
12月04日 |
華麗なる総金歯 |
前嶋守男 |
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48 |
12月11日 |
不気味なバビロニア人 |
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49 |
12月18日 |
泥棒サンタ |
大原清秀 |
佐伯孚治 |
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50 |
12月25日 |
ジゴマの如き君なりき |
―
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放送局
視聴率
ビデオリサーチ調べ、関東地区
映像ソフト化
2008年7月21日発売の「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」に第1話が収録され、初のソフト化となった。
ソフトゲーム化
1988年11月29日にバンダイからファミリーコンピュータ ディスクシステム用ゲームソフトとして発売された。
漫画
CS放送・ネット配信
- CS放送
- ネット配信
関連作品
- おもいっきり探偵団 覇悪怒組 - 前作品。1987年1月11日から同年12月27日まで全50話が放送された少年探偵団ドラマ。
- 探偵団スペシャル 魔隣組対覇悪怒組 (ジゴマvs魔天郎) - 本作品終了後の1989年1月1日の7時30分から8時30分(JST)に放送された、上記の覇悪怒組とのクロスオーバー作品。大原清秀脚本、佐伯孚治監督。エンディングで魔隣組の旗をトシカズ 、覇悪怒組の旗をススムが持っていた。(双方の母親役が柴田理恵という共通点がある)
脚注
注釈
- ^ サブライターの浦沢義雄は、前作との違いは意識しなかったと述べている[4]。
- ^ a b c d 覇悪怒組時代のアイテムの名称を変更した物。
出典
参考文献
フジテレビ 日曜 9:00 - 9:30 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
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じゃあまん探偵団 魔隣組 (1988年1月10日 - 12月25日) 【ここまで探偵団シリーズ】
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作品 |
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ロボット・生物シリーズ | |
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探偵団シリーズ | |
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美少女シリーズ | |
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