『ももクロ春の一大事 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜』(ももクロはるのいちだいじ えがおのチカラ つなげるオモイ)は、ももいろクローバーZ(ももクロ)が春に開催しているライブ。略称は春一(はるいち)。
2011年に“メンバーにとっての一大事”としてスタートし、2017年からは地方自治体と協働で“町おこし”を目指すライブにリニューアルして現名称となった。リニューアル以降、開催地となった歴代の自治体どうしが「〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜 地域連携協定」を締結し、本ライブをきっかけとして互いの知名度向上・誘客推進・物産振興などの取り組みを進めている[1][2]。「第12回観光庁長官表彰」では特別感謝状が進呈された。
「春の一大事」は、夏のバカ騒ぎ・ももいろクリスマスに並ぶ、ももクロ三大ライブの一つ。2017年からは開催地とタッグを組み「笑顔のチカラ つなげるオモイ」をテーマに開催されてきた。ももクロのメンバーはライブパフォーマンスをするだけでなく、事前・事後を含めてその土地の観光スポットやご当地グルメ、特産品のお土産を紹介したり、地域の方と交流したりすることも特徴として挙げられる。
観光庁は、魅力ある観光地づくりやその魅力の発信など、観光の振興、発展に貢献した個人及び団体に対して「観光庁長官表彰」を実施。2020年の「第12回観光庁長官表彰」では、地方自治体と連携した地域活性化への貢献などを評価し、ももいろクローバーZに特別感謝状の贈呈を行った[3][4][5]。
ライブ会場に隣接してチケットフリーの「外周エリア」(サテライトパーク)が開設され、公式グッズショップやファンクラブブースのほか、地元の物産ブースや飲食ブースが立ち並び、買い物や食事を楽しむことができる。
開催地は公募で、自治体側がライブ会場となる場所の無償提供や当日の安全な開催への協力などをする代わりに、ももクロ側は出演料やステージ制作・運営の経費を要求しないなど、大型ライブを開催した経験の無い自治体でも手を上げやすい条件となっている。自治体を単にビジネスの相手と見るのではなく、お互いに協力し合うことで、地域の住民もライブに参加するファンも“笑顔になる”催しにしたいという想いがある[7]。
2020年、ももクロがYouTube番組『こんな時は家にいろ!週間』を通じて新型コロナウイルス対策支援のためファンに募金を呼びかけ、寄せられた募金にももクロメンバーの寄付を合わせた総額500万円を、「ももクロ春の一大事」を開催した3市と開催予定であった2町に寄付した[8][9][10][11]。
ももクロ春の一大事2018 in 東近江市 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜(ももクロはるのいちだいじ2018 イン ひがしおうみし えがおのチカラ つなげるオモイ)は、2018年4月21日・22日に滋賀県・東近江市 布引運動公園陸上競技場(ぬのびき うんどうこうえん りくじょうきょうぎじょう)で開催されたライブイベント[12][13]。経済効果は約5億円[14]。
ライブは東近江市の小椋正清市長による開会宣言で始まり、1日目には埼玉県富士見市の星野光弘市長から東近江市長へ「笑顔のバトン」が手渡された。東近江市内のダンススクールに通う子どもたち20人以上がバックダンサーとしてステージを盛り上げ、東近江市内の小学4-6年生371人(2日間計)が合唱や『希望の向こうへ』のバックコーラスを務めた[15][16]。
単体の映像作品としてはリリースされていないが、2日目の公演は『ももいろクローバーZ 10th Anniversary The Diamond Four -in 桃響導夢-』Blu-ray/DVDの初回限定盤に、映像特典として収録されている(初回限定盤という名称だが、継続的に販売されている)[17]。
開催後に、東近江市観光協会の観光サイトで「ももクロの4人の足跡をたどる 春の一大事聖地巡り【日帰り】」としてモデルコースが紹介されている[18]。2020年、ももクロメンバーとモノノフ(ファン)からの寄付金を活用して、新型コロナ感染拡大予防のため自動ソープディスペンサーを幼児施設94カ所に設置した。自動ソープディスペンサーには感謝の思いを込めてももクロメンバーのシールが貼られている[19]。同年10月には、東近江市がももクロデザインの地域振興クーポン「東近江市ももクロクーポン券」を市内の全世帯に配布した[20][21]。
東近江市が発祥の地である「飛び出し坊や」のももクロ型4体を、滋賀県在住のモノノフ一同(ファン)が作成して東近江市に寄贈した[22][23]。
ライブ会場に隣接するサテライトパーク「SFP-しがフレンドパーク-」にて地元コラボなどのブースが設置され、イベントも行われた[24]。
ももクロ春の一大事2019 in 黒部市 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜(ももクロはるのいちだいじ2019 イン くろべし えがおのチカラ つなげるオモイ)は、2019年4月20日・21日に富山県・黒部市 宮野運動公園(みやの うんどうこうえん)で開催されたライブイベント[25][26][27]。経済効果は約6億円[28]。映像作品化されておらず、『スタコミュ』の有料会員のみ同アプリにて視聴可となっている[29]。
ライブ会場に隣接するサテライトパーク「ウォー太郎パーク」が設けられた[30]。
富山地方鉄道の列車増便、軒先パーキングを利用した臨時駐車場開設も実施された。
「春の一大事2019」の特別展と聖地巡礼スタンプラリーが2021年11月13-23日に開催された[31]。
黒部市で開催された冬のイベント「宇奈月温泉雪のカーニバル」にて、ももいろクローバーZの音楽花火が打ち上げられた[32]。
ももクロ春の一大事2022 笑顔のチカラ つなげるオモイ in 楢葉・広野・浪江 三町合同大会(ももクロはるのいちだいじ2022 えがおのチカラ つなげるオモイ イン ならは・ひろの・なみえ さんちょうごうどうたいかい)は、2022年4月23日・24日に福島県・Jヴィレッジで開催されたライブイベント[33]。コロナ禍により当初予定していた2020年4月から2度の延期を経ての開催となった。春の一大事としては初となる三町合同大会(楢葉町・広野町・浪江町)である[34][35][36]。
1日目終演後の夜に『夜桜を見る会〜花火大会〜』in 浪江が浪江町・道の駅なみえ北側の請戸川土手で開催された。出演:ももいろクローバーZ(百田夏菜子、玉井詩織、高城れに)、浪江女子発組合(佐々木彩夏、高井千帆、内藤るな・播磨かな)。
ライブ会場に隣接する外周パーク「きてくんちぇパーク」が各開催日の午前中から開催された[39]。
ももクロ春の一大事2023 in 福山市 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜(ももクロはるのいちだいじ2023 イン ふくやまし えがおのチカラ つなげるオモイ)は、2023年4月22日・23日に広島県・福山市 福山通運ローズスタジアムで開催されたライブイベント[41][42]。約2万8千人が会場を訪れ、7億円の経済効果があった[43]。 協賛:福山通運 / フマキラー / 東中国スズキ自動車。主催:スターダストプロモーション、企画・制作:SDR / H.I.P.、後援:キングレコード。
2023年2月に玉井詩織と佐々木彩夏が福山市を訪れた。市長から福山デニムのヘアバンドをプレゼントされ、福山市中央公園にてももクロのメンバーカラー4色(ピンク 赤 黄 紫)のばら苗を福山市長やローラ(ばらのまち福山イメージキャラクター)らと植樹した。
3月には百田夏菜子と高城れにが福山市を訪れた。ライブ会場となる福山通運ローズスタジアムをスタート・ゴールとする「ふくやまマラソン」にサプライズ登場し、高城れにが3kmマラソンに参加して10位となった。その後、鯛めしのランチ、電気自動車型タクシー「グリーンスローモビリティ」(グリスロ)体験のあと、沼名前神社を訪れた。
4月にはメンバー全員が鞆の浦(常夜燈)、福禅寺(対潮楼)、明王院を訪問した[44][45]。
ももクロと福山通運コラボステッカーが作成され、配送トラックなどに貼られた。
福山城特別ライティングとして、4月14日-24日の日没から24時まで福山城がももクロカラーにライティングされた。
福山市内のホテルはほぼ満室となり、開催前夜と1日目の夜には映画館福山駅前シネモード1にてドキュメンタリー映画『ももいろクローバーZ アイドルの向こう側《特別上映版》』の連続上映が夜から明朝まで各9時間半行われた(パジャマ可)。
ライブDAY1には、2022年に春一が開催された福島県から楢葉町副町長が駆けつけ、“笑顔のバトン”を広島県・福山市市長へと渡す引き継ぎ式が行われた。福山市長の開会宣言でライブの幕が開け、ももクロメンバーはデニム生地をメンバーカラーに染めあげたヒッコリー衣装、福山市の象徴となっている薔薇の赤色を取り入れたトレンチコート風の衣装などでパフォーマンスし、地元の小学生と合唱する場面もあった。佐々木彩夏は「開放的で、自然が見えて、いいお天気でというのはもちろんですが、市長さんがモノノフさんが会場のゴミ拾いなどもしていたと話していて、いろんな意味で気持ちがいいライブだったなと思います。」と最後のMCで締めくくった[46]。
福山駅前の本通商店街は、モノノフを歓迎するため、道路にイラストを描くチョークアートのイベントを企画した[47]。
ライブ会場に隣接する多目的広場に買い物や飲食を楽しめる「SHOPPING PARK きんちゃい市」が設けられた[48]。
会場以外での「コラボ場外戦」として「ももクロ春の一大事2023御城印」(福山城博物館)、バウムクーヘン・4色マカロン(ベッセルホテル)、ラスクが福山市内で販売された。
ももクロ春の一大事2024 in 亀岡市 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜は、2024年4月13日・14日に京都府・亀岡市 亀岡運動公園にて開催されるライブイベント[49]。DAY1が「時は今」、DAY2が「真・英雄たん」として行われる。
外周パーク「京都やかんランド」が設けられ、外周ステージ「〜やかん大作戦 in 亀岡〜」でやかんとアイドル公開収録などが行われる。ステージ出演グループ:スタプラ研究生、TEAM SHACHI、浪江女子発組合、ばってん少女隊 ほか(五十音順)。
主催:スターダストプロモーション、企画・制作:ANGEL EYES / H.I.P.、後援:キングレコード。
ももいろクローバーZ 一大事ツアーは、春の一大事の開催地に選ばれなかったいくつかの自治体で開催されるライブツアー。2020年に開催される予定だったが、コロナ禍で延期となり、2022年に「アルバムツアー『祝典』」「LIVE 『origin』」に組み込まれる形でライブが開催された。
ももいろクローバーZ#主要なライブを参照