エアバス・ヘリコプターズ
エアバス・ヘリコプターズ(Airbus Helicopters、旧称 ユーロコプター・グループ(Eurocopter Group))は、世界屈指の大手ヘリコプターメーカである。ユーロコプターはエアバス・グループの子会社であり、民間・軍用双方のヘリコプターの製造・サポートを行っている。 2020年の世界市場シェアは48パーセント[1]。 歴史1992年にフランスのアエロスパシアルとドイツのメッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(ダイムラークライスラー・エアロスペース)の、双方のヘリコプター部門が合併してユーロコプターが設立された。ユーロコプターはメッサーシュミットやフォッケウルフ、リオレ・エ・オリビエやブレリオの系譜を受け継いだ企業でもある[2]。1995年に初飛行し、フライ・バイ・ワイヤを採用したNHインダストリーズ NH90の開発に携わり、フェネストロンを採用したEC 135も開発した。2000年には親会社が合併し、EADSとなったことでユーロコプターの株主も一元化され、EADSの完全子会社となった。2014年1月、ブランド戦略のため「エアバス・ヘリコプターズ」に社名を変更した。これに先駆け、親会社のEADSも社名を「エアバス・グループ」に変更している。 今日、ドイツのドナウヴェルト、オットブルン、カッセルとスペインのマドリード、アルバセテとフランスのマリニャーヌ、ラ・クールヌーヴへ7つの工場を保有している。さらに世界中に24社が子会社としてユーロコプターと契約している。 社報として季刊誌『ローター・ジャーナル』を発行している[3]。 日本において日本においてはエアバス・ヘリコプターズ・ジャパン株式会社が輸入販売、整備・修理および改造、操縦士・整備士の訓練等を行っている。以前は伊藤忠商事が株式の90%を保有するユーロヘリ株式会社が日本におけるユーロコプターの総代理店となっていたが、ユーロコプターが伊藤忠商事の保有するユーロヘリの株式90%のうち80%を買い取り子会社化し、2009年4月1日から社名をユーロコプター・ジャパン[注釈 1]に、2014年1月8日に現社名に変更した[6]。 兵庫県神戸市の神戸空港島に、2012年4月に整備場と訓練施設の拠点となる格納庫が設置された[5][7][8]。 製品製品はすべて回転翼機(ヘリコプター)であり、固定翼機などは製造していない。またエアバス・ヘリコプターズへの社名変更に伴い生産中の製品名を変更している。[9] 民間用
軍用
製品の特徴メインローターの回転方向ユーロコプターの機体の中で旧アエロスパシアルの機体は、メインローターが上から見て時計回りに回転している。一方、米国メーカーは反時計回りであることが多い。これによってテイル・ロータが発生している推力の向きも逆になるため、推力を変化させた際のパイロットによるアンチトルク操作が逆になる、よって機種を転換する場合にはその点において考慮が必要である。 フェネストロン製品の多くにはシュド・アビアシオン時代に開発されたダクテッドファン型のテイルローター『フェネストロン』が採用されている。これは一般的なテイルローターよりも安全で、効率も高いと同社は主張している。また、騒音が小さいことも大きなセールスポイントとしている。なお、すでに特許が切れているため他社でも採用されている。 騒音対策フェネストロン以外にも騒音対策に力を入れており、2010年にはメインローターのブレード先端を後退させた変形翼とすることで騒音を低減する「ブルーエッジ」と呼ばれる技術を開発した[10]。またブレードの後部にあるフラップを動かすことで、周期的に発生するヘリ特有の騒音を低減する「ブルーパルス」という対策技術も同時に発表した。 開発中の製品世界記録脚注注釈出典
関連項目外部リンク
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