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タルボス (衛星)

タルボス
Tarvos
2000年にカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡によって撮影されたタルボスの発見画像。右下で移動している様子が見える。
2000年にカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡によって撮影されたタルボスの発見画像。右下で移動している様子が見える。
仮符号・別名 Saturn XXI
S/2000 S 4
見かけの等級 (mv) 22.28[1]
分類 土星の衛星
軌道の種類 ガリア群
発見
発見日 2000年9月23日[2]
発見者 ブレット・J・グラドマン
軌道要素と性質
元期:TDB 2,451,545.000(2000年1月1.5日[3]
軌道長半径 (a) 18,215,100 km[3]
離心率 (e) 0.528[3]
公転周期 (P) 926.372 日 (2.536 年)[3]
軌道傾斜角 (i) 38.6°[3]
近点引数 (ω) 93.5°[3]
昇交点黄経 (Ω) 164.0°[3]
平均近点角 (M) 224.9°[3]
土星の衛星
物理的性質
直径 ≈ 15 km[4]
質量 ≈ 1.8×1015 kg[注 1]
自転周期 10.691 ± 0.001 時間[5]
色指数 (B-V) 0.77[1]
色指数 (V-R) 0.57[1]
色指数 (V-I) 0.88[1]
Template (ノート 解説) ■Project

タルボス[6] (Saturn XXI Tarvos) は、土星の第21衛星である。順行軌道で土星を公転する不規則衛星で、ガリア群に属する[4]

発見と命名

2000年9月23日に、ブレット・J・グラドマンらの観測チームにより発見された。観測にはカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡新技術望遠鏡などが用いられた[7]。発見は同年10月25日に国際天文学連合のサーキュラーで公表され、S/2000 S 4 という仮符号が与えられた[7][8]。その後2003年8月8日に、ケルト神話に登場する牡牛、タルヴォス・トリガラヌス英語版に因んで命名され、Saturn XXI という確定番号が与えられた[9]

特徴

タルボスの直径は、アルベドを 0.06 と仮定すると 15 km と推定される。5,000年以上の時間スケールによる数値積分で平均化された土星からの軌道長半径は 18,215,100 km であり、およそ 926 日かけて土星を一周している。ガリア群に分類される衛星の中では最も軌道離心率が大きい楕円軌道で公転しており、2023年6月時点で確認されている土星の衛星の中では9番目に軌道離心率が大きい[3]

タルボスが属しているガリア群の衛星は軌道要素や物理的特徴が類似しているため起源が共通していると考えられており、共通の母天体が破壊された結果として、現在のガリア群に属する衛星が形成されたか[1][10]、あるいは一番大きいアルビオリックスの破片から形成された可能性がある[11]2002年には北欧光学望遠鏡を用いてタルボスを含む土星の小さい不規則衛星の観測が行われており、色指数は B-V=0.77、V-R=0.57、V-I=0.88 と測定されている[1]

脚注

注釈

  1. ^ 密度が 1.0 g/cm3 で、直径 15 km の完全な球体であると仮定したときの質量となる。

出典

  1. ^ a b c d e f Grav, Tommy; Holman, Matthew J.; Gladman, Brett J.; Aksnes, Kaare (2003). “Photometric survey of the irregular satellites”. Icarus 166 (1): 33–45. arXiv:astro-ph/0301016. doi:10.1016/j.icarus.2003.07.005. ISSN 00191035. 
  2. ^ NASA (2017年12月5日). “In Depth | Tarvos – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空宇宙局. 2018年12月17日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月17日閲覧。
  4. ^ a b Scott S. Sheppard. “Saturn Moons”. Carnegie Science. 2019年11月2日閲覧。
  5. ^ Denk, T.; Mottola, S. (2019). Cassini Observations of Saturn's Irregular Moons (PDF). 50th Lunar and Planetary Science Conference. Lunar and Planetary Institute.
  6. ^ 衛星日本語表記索引”. 日本惑星協会. 2019年3月14日閲覧。
  7. ^ a b Daniel W. E. Green (2000年10月25日). “IAUC 7513: S/2000 S 3, S/2000 S 4”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月19日閲覧。
  8. ^ 土星に4個の新衛星”. 国立天文台・天文ニュース (388). 国立天文台 (2000年10月26日). 2018年12月19日閲覧。
  9. ^ Daniel W. E. Green (2003年8月8日). “IAUC 8177: Sats OF (22); Sats OF JUPITER, SATURN, URANUS”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月19日閲覧。
  10. ^ Gladman, Brett; Kavelaars, J. J.; Holman, Matthew; Nicholson, Philip D.; Burns, Joseph A.; Hergenrother, Carl W.; Petit, Jean-Marc; Marsden, Brian G. et al. (2001). “Discovery of 12 satellites of Saturn exhibiting orbital clustering”. Nature 412 (6843): 163–166. doi:10.1038/35084032. ISSN 0028-0836. 
  11. ^ Grav, T; Bauer, J (2007). “A deeper look at the colors of the saturnian irregular satellites”. Icarus 191 (1): 267–285. arXiv:astro-ph/0611590. doi:10.1016/j.icarus.2007.04.020. ISSN 00191035. 

関連項目

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