Share to: share facebook share twitter share wa share telegram print page

バリー・シャープレス

バリー・シャープレス
(Karl Barry Sharpless)
バリー・シャープレス(2018年)
生誕 (1941-04-28) 1941年4月28日(83歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 フィラデルフィア
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野 化学
研究機関
出身校 ダートマス大学 - 学士(教養)
スタンフォード大学 - 修士(理学)PhD
博士論文 Studies of the Mechanism of Action of 2,3-oxidosqualene-lanosterol cyclase: Featuring Enzymic Cyclization of Modified Squalene Oxides (1968)
博士課程
指導教員
Eugene van Tamelen英語版
博士課程
指導学生
M.G. Finn英語版
他の指導学生 学部生: ポスドク:
主な業績 不斉合成
クリックケミストリー
主な受賞歴
配偶者
Jan Dueser (結婚 1965年)
子供 3
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示
ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2001年
受賞部門:ノーベル化学賞
受賞理由:キラル触媒による不斉反応の研究
ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2022年
受賞部門:ノーベル化学賞
受賞理由:クリックケミストリー生体直交化学の開発

カール・バリー・シャープレス(Karl Barry Sharpless、1941年4月28日 - )は、アメリカ合衆国化学者不斉合成クリックケミストリーの業績により知られ、ノーベル化学賞を2回受賞している。

2001年、「キラル触媒による不斉合成の研究[1]」によりウィリアム・ノールズ野依良治の2名と共に、1度目のノーベル化学賞を受賞した。

2022年、「クリックケミストリーと生体直交化学の開発[2]」によりキャロライン・ベルトッツィモーテン・P・メルダルの2名と共に、2度目のノーベル化学賞を受賞した[3]

シャープレスは、マリー・キュリージョン・バーディーンライナス・ポーリングフレデリック・サンガーと並んでノーベル賞を2回受賞した5人目の人物であり、同じ分野で2回受賞した3人目の人物である。

略歴

アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィアに生まれた[4]。子供時代は、ニュージャージー州マナスクアン川沿いにある家族の別荘で夏を過ごした。シャープレスはここで釣りへの愛を育み、大学時代の夏は漁船の仕事に費やし、生涯を通じて釣りを続けることになる[5]。 1959年、Friends' Central School英語版を卒業し[6]ダートマス大学で進学、1963年に同大学にて学士(教養)を取得した。シャープレスは当初、学部卒業後に医学部に進学する予定だったが、教授に化学の教育を続けるよう説得されたため、化学の道を選んだ[7]。その後1968年にはスタンフォード大学で、Eugene van Tamelen英語版の指導のもと、有機化学博士号を取得した[8]。 以降、1968年~1969年はJames P. Collman英語版と共にスタンフォード大学でポスドクとして有機金属化学の研究に取り組み、1969年~1970年はハーバード大学に移りコンラート・ブロッホの研究室で、酵素学の研究に取り組んだ[8]

シャープレスはマサチューセッツ工科大学(1970年~1977年、1980年~1990年)とスタンフォード大学(1977年~1980年)の教授を務めた[9]。スタンフォード大学では、マイマイガなどの蛾の性フェロモンである(+)-disparlure英語版の作成に用いられるシャープレス酸化を発見した。

現在シャープレスは、クリックケミストリーという水中で穏やかな条件で起こる選択的な発熱反応に力を注いでいる。その中でも最も成功している反応としては、アジドアルキンの [3+2] 環化反応による 1,2,3-トリアゾールの合成が挙げられる。

現在はマサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学の教授である。またスクリプス研究所においてW. M. ケック財団の化学系教授も併任している。2010年には九州大学より栄誉教授を授与された[10]

私生活

シャープレスは、1965年にJan Dueserと結婚し、3人の子供がいる[11]。 彼は 1970 年に MIT に助教授として着任した直後、当時実験室の大学院生が扱っていたNMR管が爆発し、ガラス片が飛び散り片目を失明した。この事故の後、シャープレス は、「実験室においては、常時安全メガネを着用しない正当な理由など存在しない(there's simply never an adequate excuse for not wearing safety glasses in the laboratory at all times)」と強調した[12]

主な受賞歴

出典

  1. ^ 2001年ノーベル化学賞『キラル触媒を用いる不斉水素化および酸化反応の開発』 | Chem-Station (ケムステ)”. www.chem-station.com. 2023年9月6日閲覧。
  2. ^ 【速報】2022年ノーベル化学賞は「クリックケミストリーと生体直交化学」へ! | Chem-Station (ケムステ)”. www.chem-station.com. 2023年9月6日閲覧。
  3. ^ Barry Sharpless Facts
  4. ^ K. Barry Sharpless | Biography, Nobel Prize, & Facts | Britannica” (英語). www.britannica.com. 2023年9月6日閲覧。
  5. ^ Attitude, Océan (2010年6月7日). “Barry Sharpless, Nobel Laureate: My passion (some would say my monoman” (フランス語). Océan Attitude. 2023年9月6日閲覧。
  6. ^ School, Friends' Central. “K. Barry Sharpless, 1959 Alumnus of Friends' Central School, Wins Second Nobel Prize” (英語). www.prnewswire.com. 2023年9月6日閲覧。
  7. ^ Chemist K. Barry Sharpless '63 Wins Second Nobel Prize | Dartmouth” (英語). home.dartmouth.edu (2023年9月6日). 2023年9月6日閲覧。
  8. ^ a b Sharpless Laboratory - CV”. www.scripps.edu. 2023年9月6日閲覧。
  9. ^ Henderson, Andrea Kovacs (2009). American men & women of science : a biographical directory of today's leaders in physical, biological, and related sciences. Internet Archive. Detroit, Mich. : Gale. ISBN 978-1-4144-3300-4. http://archive.org/details/americanmenwomen02hend 
  10. ^ バリーシャープレス博士に栄誉教授を授与・講演会を開催
  11. ^ K. Barry Sharpless”. www.nndb.com. 2022年12月15日閲覧。
  12. ^ A cautionary tale from the past” (英語). MIT News | Massachusetts Institute of Technology. 2022年12月15日閲覧。

関連項目

外部リンク

Kembali kehalaman sebelumnya