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(2020年6月 )
ブレーメン 市 GT8N
ブレーメン形 (Typ Bremen) は、超低床路面電車 の形式の1つ。
概説
ドイツのメーカー・MAN GHH が、1990年に試作車を発表し(ブレーメン 市に納車)、1993年より量産を開始した。
左右独立車輪の採用により台車部分を含む客室床面の全面の超低床化を実現し、100%超低床路面電車の普及に貢献した。製造会社が幾度も変わっており、現在はボンバルディア・トランスポーテーション (Bombardier Transportation)が製造している。
メーカから正式な愛称を与えられていないため、最初に投入された都市ブレーメン にちなんだ Typ Bremen 以外に、製造会社にちなんだ Typ MAN/AEG、Typ AEG などいくつかの呼び方がある。「ブレーメン形」を指してGTシリーズ と呼んでいる事例もあるが、これは適切ではない。GT はGelenkTriebwagen(連接の自走可能車)を意味し、ドイツの他のメーカの車両にも広く使われている一般的な車両形式名である。
AEGとABBの鉄道部門が経営統合してアドトランツ が設立された際に、それまでの超低床路面電車モデル(ブレーメン形、ユーロトラム 、バリオバーン )を形式統合する試みが行われ、新しいモデルとしてインチェントロ を開発した(ユーロトラム やバリオバーン の様にフローティング車体を採用)。しかしブレーメン形も新型車体化して継続生産されたため、車両形式の統合どころか、かえって形式が増えてしまうことになった。
ボンバルディア 社がアドトランツ 社を引き継いだ後は、ブレーメン形は、公式の製品カタログからは外されたが、新潟トランシス による製造が続いた。ユーロトラム とインチェントロ は、フレキシティ・アウトルック シリーズに含まれる形で製品カタログに残されている。
製造会社の変遷
1990 MAN Gutehoffnungshutte Schienenverkehrstechnik AG
1993 AEG Schienenfahrzeuge Nahverkehr & Wagen GmbH (車体の製造・組み立てはLHBが担当)
1996 ABB Daimler-Benz Transportation AG (Adtranz)
1999 DaimlerChrysler Rail Systems GmbH (ADtranz)
2001 Bombardier Transportation
基本仕様
全ての車体に2軸台車を一つずつ装備した特徴の連接構造をとり、フローティング車体は使用していない(シーメンス の新設計であるコンビーノ ・プラスもこの特徴を持つ)。2車体連接から4車体連接までの製造実績がある。
そして左右独立車輪の採用により台車部分の低床化を実現しており、この部分の床面高さは360(一部車両は350)mm、ドア付近では300mmとなっている。各車体の中央に台車を持つため、客用扉は各車体の側面に向かって左側に寄せて取り付けられており、一方の先頭車体のみ2扉となっている。扉は両開きのプラグドアである。主電動機は各車体に1台ずつ装荷しており、片側はそのまま平歯車で、反対側には床下のねじり軸を介して駆動している。車体装架カルダン駆動方式 の変形である。
車両形式
ブレーメン形の車両形式は,ドイツの標準的形式名の法則(→GTシリーズ )に従って決められている。
諸元
以下の諸元は過去の実績に基づく標準的な数値。
車体幅 : 2300mm / 2350mm /2400mm
全長
先頭部車体 : 8950mm / 9100mm / 9250mm
中間車体 : 8600mm
車体高 : 3290mm
床面高さ : 360mm(ドア付近300mm)
ドア
幅 : 1250mm
ドア高さ : 1850 / 2000mm
軌間 : 1000mm / 1067mm / 1435mm
架線電圧 : 600V / 750V
最高速度 : 70km/h
制御装置 : GTO またはIGBT によるVVVFインバータ制御
主電動機
定格出力 : 80kW / 84kW / 100kW / 120kW
導入都市
ドイツの都市
都市
形式
編成
運転台
軌間
両数
備考・参考
アウクスブルク (アウクスブルク市電 )
GT6M
3車体連接車
片運転台
1,000mm
1両
試作車[ 2]
GT6M
3車体連接車
片運転台
1,000mm
11両
2023年 以降ザグレブ市電 へ譲渡[ 注釈 1] [ 2] [ 3] [ 4]
ベルリン (ベルリン市電 )
GT6N
3車体連接車
片運転台
1,435mm
105両
詳細は「ベルリン市電GT6N形電車 」を参照
GT6N-ZR
3車体連接車
両運転台
45両
詳細は「ベルリン市電GT6N形電車 」を参照
ブラウンシュヴァイク (ブラウンシュヴァイク市電 )
NFGT6-S1100
3車体連接車
片運転台
1,100mm
12両
ブレーメン (ブレーメン市電 )
GT6N
3車体連接車
片運転台
1,435mm
1両
試作車1999年 にノーショーピング市電 (スウェーデン語版 ) へ譲渡 詳細は「ブレーメン市電GT6N形電車 」を参照[ 7]
GT8N
4車体連接車
片運転台
78両
詳細は「ブレーメン市電GT6N形電車 」を参照[ 7]
フランクフルト (オーダー) (フランクフルト(オーダー)市電 )
GT6M
3車体連接車
片運転台
1,000mm
8両
イェーナ (イェーナ市電 )
GT6M-ZR
3車体連接車
両運転台
1,000mm
33両
10両はウッチ市電 へ譲渡予定[ 9] [ 10]
マインツ (マインツ市電 )
GT6M-ZR
3車体連接車
両運転台
1,000mm
16両
[ 11]
ミュンヘン (ミュンヘン市電 )
R1.1
3車体連接車
片運転台
1,435mm
3両
試作車1999年 にノーショーピング市電へ譲渡 詳細は「ミュンヘン市電R形電車 」を参照
R2.2
3車体連接車
片運転台
70両
詳細は「ミュンヘン市電R形電車 」を参照
R3.3
4車体連接車
片運転台
20両
詳細は「ミュンヘン市電R形電車 」を参照
ニュルンベルク (ニュルンベルク市電 )
GT6N
3車体連接車
片運転台
1,435mm
14両
詳細は「ブレーメン形 (ニュルンベルク市電) 」を参照[ 12]
GT8N
4車体連接車
片運転台
26両
詳細は「ブレーメン形 (ニュルンベルク市電) 」を参照[ 12]
ツヴィッカウ (ツヴィッカウ市電 )
GT6M
3車体連接車
片運転台
1,000mm
12両
ベルリン (GT6N-ZR)
ブレーメン (GT8N)
ミュンヘン (R3.3)
ニュルンベルク (GT8N)
日本の都市
熊本市交通局9700形(GT4N-ZR)
熊本市交通局0800形(GT4N-ZR)
岡山電気軌道9200形(GT4M-ZR)
投入開始 : 2002年
形式 (車番) : GT4M-ZR (9201,1011,1081)
9201,1011はインチェントロに準じた車体を採用。1081はチャギントン のキャラクターを再現した特装車。
岡山電気軌道9200形電車 も参照
万葉線MLRV1001形(GT4M-ZR)
投入開始 : 2004年
形式 (車番) : GT4M-ZR (MLRV1001 - 1006)
インチェントロに準じた車体を採用。
万葉線MLRV1000形電車 も参照
富山地方鉄道TLR600形(GT4M-ZR)
富山地方鉄道9000形電車(GT4M-ZR)
福井鉄道F1000形(GT6M-ZR)
えちぜん鉄道L形電車(GT4M-ZR)
投入開始 : 2013年
形式 (車番) : GT6M-ZR (FL1001 - 1003)、GT4M-ZR (L-01 - 02)
インチェントロに準じた車体を採用。
福井鉄道F1000形電車 、えちぜん鉄道L形電車 も参照
宇都宮ライトレールHU300形(GT6M-ZR)
関連項目
脚注
注釈
出典
参考資料
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
ブレーメン形 に関連するメディアがあります。