『交通事故死亡1名』(こうつうじこしぼういちめい)は、松本清張の短編小説。「十二の紐―赤い紐」の副題で『小説新潮』1967年2月号に掲載され、1967年12月に短編集『死の枝』収録の1作として、新潮社(新潮小説文庫)より刊行された。
1982年にテレビドラマ化されている。
あらすじ
タクシー運転手の小山田晃は、吉祥寺駅から拾った客・栗野兼雄を乗せてI街道を走っていたが、前方に入った車が同じ方角へ向かい、前を塞いでいた。K町の入口に架かる橋の途中で前の車が急停車、追突を回避するため左へハンドルを切った小山田のタクシーは、前方車の陰に居た飲食店主・吉川昭夫を撥ねてしまう。
小山田が業務上過失致死に問われ、賠償金の支払いを要求される状況の中、タクシー会社の事故係・亀村友次郎は、吉川の妻の杉枝、前方車を運転していた浅野二郎や、客の栗野に会い、また現場で吉川に走り寄ろうとしていた吉川の不倫相手・池内篤子の周辺を調べる。小山田の不利を覆す材料の出ない中、新たな事件発生を聞いた亀村は、タクシー事故の真相に疑問を抱く。
エピソード
- 著者は本作の手控えのメモを「警察署の前に交通事故の掲示板あり。「本日の事故 死亡一名」と出ているのを見る。この事故死には、実は犯罪がかくされているのではないかと疑う」と記している[1]。
テレビドラマ
「松本清張の交通事故死亡1名」。1982年12月7日、日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠(21:02-22:54)にて放映。亀村から示唆を受けたタクシー運転手・小山田晃が、服役を終えて出所後、復讐のため真相を追及するストーリーとなっている。視聴率21.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]。
- キャスト
- スタッフ
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