伊藤 達彦(いとう たつひこ、1998年3月23日[1] - )は、静岡県浜松市出身[1]の陸上競技選手。専門は長距離走。静岡県立浜松商業高等学校、東京国際大学卒業。Honda陸上競技部所属。
経歴
中学時代はサッカー部に所属していた。浜松商業高校に入学後、本格的に陸上を始める。
高校時代の自己ベストは5000m14分33秒10と飛びぬけたものではなく、2年生の冬までは卒業後に就職するか、調理師専門学校に進学するかで迷っていたという[2][3]。
大志田秀次監督からの熱心な誘いを受け、東京国際大学に進学。1年時から第48回全日本大学駅伝・第93回箱根駅伝の予選会メンバーに抜擢されるが、ともに成績は振るわず予選落ちとなった。
怪我もなく順調に練習をこなしたことで2年時にはチームの主力に成長。第94回箱根駅伝予選会では個人28位(チーム内2番手)でチームを2大会ぶりの本選出場に導くと、箱根本大会では2区を務めた(区間15位)。
3年時には10000m28分28秒62まで記録を伸ばし、名実ともにチームのエースとなる。第95回箱根駅伝では再び2区を務め、8位でタスキを受けると一時は4位集団の先頭を引っ張るなど見せ場を作る。戸塚中継所では10位に後退したものの、前年より大きく記録を伸ばした(区間11位)。
2019年3月の日本学生ハーフマラソンでは、1時間01分52秒の好タイムで3位入賞。ユニバーシアードナポリ大会の出場を勝ち取ると、7月の同大会ハーフマラソンでは相澤晃(東洋大学)、中村大聖(駒澤大学)に次ぐ3位で銅メダルに輝く。この2大会で相澤をライバルとして強く意識するようになったという[4]。
10月の第96回箱根駅伝予選会では日本人トップの個人5位と快走し、チームをトップ通過に導く。さらに一週間後の第51回全日本大学駅伝では2区を務め、14位でタスキを受けると13人をごぼう抜きする驚異の走りで先頭に立ち、後続に11秒差をつけタスキリレー。伊藤は岸本大紀(青山学院大学)、浦野雄平(國學院大學)、ラジニ・レメティキ(拓殖大学)ら有力選手を抑え31分17秒の区間新記録を樹立。チームの4位(初出場・初シード)に大きく貢献した。
第96回箱根駅伝では3年連続で2区を務める。丹所健から13位でタスキを受けると、13秒後方から追い上げてきた相澤と併走。5km過ぎから20.5kmまでおよそ15kmに渡って激しく競り合い、最後は引き離されたものの5人抜きで8位に浮上。相澤に区間賞・区間新記録こそ譲ったが、伊藤は従来の2区日本人最速タイムを上回る、2区歴代3位(当時)の1時間06分18秒を記録した。伊藤の快走で流れを作った東京国際大学は往路3位・総合5位に躍進。初のシード権を獲得した。
3年連続の出場となった第25回都道府県対抗駅伝ではアンカーを務め、6人抜きの快走で静岡県チームの5位入賞に貢献した。
大学卒業後はHondaへ入社した。入社初年度から5000m・10000mで自己ベストを記録すると、12月の第104回日本選手権10000mではまたしても相澤と激しい競り合いを演じ、日本新記録で優勝した相澤に次ぐ日本歴代2位(当時)の27分25秒73を記録。東京オリンピックの参加標準記録を突破した。
2021年の第65回ニューイヤー駅伝ではエースの集う4区を務めたが、13位から9位まで浮上しながら終盤失速し16位に後退。このレース中に両脚の大腿骨を疲労骨折し、右脚ハムストリングスの肉離れにも見舞われ、3月まで走ることもできない状態が続いた[5]。
急ピッチでの調整を余儀なくされた5月の第105回日本選手権10000mであったが、常に先頭集団のなかで落ち着いた走りを見せ、9300mで一気にスパート。27分33秒31の好タイムで優勝し、相澤に続き東京五輪代表内定となった。
東京オリンピック10000m決勝では29分01秒31で22位だった[6]。
戦績・記録
大学三大駅伝戦績
学年 |
出雲駅伝 |
全日本大学駅伝 |
箱根駅伝
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1年生 (2016年度) |
第28回 不出場 |
第48回 不出場 |
第93回 不出場
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2年生 (2017年度) |
第29回 不出場 |
第49回 不出場 |
第94回 2区-区間15位 1時間10分16秒
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3年生 (2018年度) |
第30回 不出場 |
第50回 不出場 |
第95回 2区-区間11位 1時間08分36秒
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4年生 (2019年度) |
第31回 不出場 |
第51回 2区-区間賞 31分17秒 区間新記録 |
第96回 2区-区間2位 1時間06分18秒 歴代6位
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自己ベスト
脚注
出典
- ^ a b “【スポーツ報知・箱根駅伝】選手名鑑 東京国際大学・伊藤 達彦”. スポーツ報知. 2020年3月9日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “【学生駅伝ストーリー】「パリ五輪ではマラソンで勝負」東京国際大・伊藤達彦が4年間で急成長できた理由”. 2021年9月10日閲覧。
- ^ “東京国際大エース伊藤達彦 ナポリで発奮、有言実行の日本勢トップ 箱根駅伝予選会”. 2021年9月10日閲覧。
- ^ “[史上最速世代が語る箱根路 vol.3]伊藤達彦「正々堂々と相澤に勝ちたかった」”. 2021年9月10日閲覧。
- ^ “両脚疲労骨折から復活…五輪内定・伊藤達彦、“らしくない”レース運びのワケ 「五輪では相澤晃に絶対に負けたくない」”. 2021年9月10日閲覧。
- ^ “相沢晃は17位、伊藤達彦は22位 「世界との差実感」も意地の走り 男子1万メートル決勝”. Sponichi Annex. https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/07/30/kiji/20210730s00056000405000c.html 2021年7月30日閲覧。
外部リンク
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