国定公園
国定公園(こくていこうえん)とは、日本において国立公園に準じる景勝地として自然公園法に基づいて環境大臣が指定した公園。国立公園が国の直接管理なのに対し、国定公園は都道府県が管理する。英語表記はQuasi-National Park。 また、アメリカ合衆国ナショナル・モニュメントのことを国定公園と訳すことがある。 本稿では、日本の国定公園について述べる。 概要1950年7月の琵琶湖国定公園(7月24日)、佐渡弥彦国定公園(現佐渡弥彦米山国定公園・7月27日)、耶馬日田英彦山国定公園(7月29日)の3カ所の指定をはじめとし、65カ所の国定公園が指定されてきたが、その後に国立公園に昇格・編入されたものもあるため、現在は58カ所の国定公園が存在している。2023年時点で最も新しいものは2021年3月30日指定の厚岸霧多布昆布森国定公園である[1]。 国定公園の中には、国土軸や都心部の自然を保護するために東海自然歩道設置計画の一環として、便宜上の指定を設けたものがある(例:愛知高原国定公園、揖斐関ヶ原養老国定公園、大和青垣国定公園など)。これらについては複数の都道府県立自然公園を格上げしたものの集合体もある。また大都市近郊の緑地の保全を目的として指定された国定公園も存在する。 住民、自治体の運動や意識の差違があるため、指定範囲にばらつきが見られる。例えば日本アルプスのうち、中央アルプス(木曽山脈)だけが基幹産業の林業に影響を生じることから、2020年に国定公園となるまで、長らく国立公園にも国定公園にも指定されていなかった[注 1]。日本三景のうち松島だけが国立公園にも国定公園にも指定されていない[注 2]。また日本に5カ所ある世界自然遺産のうち、白神山地だけが国立公園にも国定公園にも指定されていない[注 3]などといった例がある。その他、御嶽山(長野県/岐阜県)や上毛三山(妙義山のみが妙義荒船佐久高原国定公園に含まれる)など、著名な景勝地や貴重な自然資源であるものの、指定範囲外であるものも多数存在する。 1990年の暑寒別天売焼尻国定公園を最後に、国内の自然保護は一段落したとして指定は一旦中断した。しかしその後、自然と人間の営みの関係を重視する文化的景観の考え方が広がり、国定公園が世界遺産の文化遺産推薦に際し求められる法的保護根拠にもなることから、2007年に17年ぶりに丹後天橋立大江山国定公園が指定され、人為的景観も保護対象として組み込まれることになった。 2023年3月末時点での指定面積を合計すると1,494,468ヘクタール(日本の国土面積の4.0%を占める)。地種区分別の内訳は行為規制の強い順に、特別保護地区が4.4%、第一種特別地域が12.0%、第二種特別地域が26.1%、第三種特別地域が48.5%、普通地域が9.0%であり、都道府県立自然公園に比べると特別地域の割合が高いが、国立公園に比べると特別保護地区の割合が低い[2]。 国定公園一覧※1 水郷国定公園として ※2 佐渡弥彦国定公園として ※3 金剛生駒国定公園として ※4 1965年10月1日に琉球政府により沖縄海岸政府立公園及び沖縄戦跡政府立公園に指定。本土復帰とともに国定公園となる。 国立公園に昇格した国定公園
一部の区域だけが国立公園に昇格した国定公園
既存の国立公園に編入された国定公園
ギャラリー
脚注注釈出典
関連項目外部リンク |