地上より永遠に
『地上より永遠に』(ここよりとわに、原題:From Here to Eternity)は、1951年に出版されたジェームズ・ジョーンズの処女小説、およびその映画化である1953年のアメリカ映画。 原作は360万部を売り上げた[1]。日本では1954年から1956年に山屋三郎、鈴木重吉の共訳版が、筑摩書房から刊行されている。また、1987年には新庄哲夫訳が角川書店(角川文庫)より全4巻で出版されている。 旧日本軍による真珠湾攻撃直前である1941年のハワイに駐留していた、アメリカ陸軍歩兵中隊の過酷な状況を描いた小説である。第二次世界大戦前のハワイ師団第27歩兵隊でのジェームズ・ジョーンズの体験を参考にしているが、登場人物や出来事などは創作である。 題名の由来「地上より永遠に」は、ラドヤード・キップリングの詩「上流出身の兵隊」(『兵営詩集』)の、
から採られている。 邦訳
映画
原作は、『大突撃』(1964)、『シン・レッド・ライン』(1998、以上2本は同一原作)を書いたジェームズ・ジョーンズの小説。 第26回アカデミー賞作品賞、監督賞(フレッド・ジンネマン)、助演男優賞(フランク・シナトラ)、助演女優賞(ドナ・リード)、脚本賞(脚色部門:ダニエル・タラダッシュ)、撮影賞(バーネット・ガフィ)、録音賞(コロンビア映画サウンド部門)、編集賞(ウィリアム・ライアン)の8部門を獲得した。また当作品は、1994年米国連邦議会図書館においてアメリカ国立フィルム登録簿に登記された作品である。 ストーリー1941年夏のハワイ、オアフ島のスコフィールド米軍基地。辺境の地のこの基地は、軍の中の厄介者たちの溜まり場となっていた。この兵営G中隊にラッパ手のプルーイット(モンゴメリー・クリフト)が、転属してきた。ボクシングにより自分のチームの強化を図り、出世を狙う中隊長ホームズ(フィリップ・オーバー)が、かつてボクサーだったプルーイットに声をかける。しかし、プルーイットはかつて練習中に親友を失明させたこともあって、そのトラウマからホームズの誘いを断る。人柄も良く機転もきく曹長ウォーデン(バート・ランカスター)はプルーイットを説得しようとするが、効果はなかった。彼は、孤立無援となり、分隊長のガロヴィッチ(ジョン・デニス)らにひどいシゴキを受け始める。味方は兵士のアンジェロ・マジオ(フランク・シナトラ)ただ一人。 ホームズの妻、ある理由により、彼に愛想をつかした夫人カレン(デボラ・カー)は男たちと浮名を流し、現在はウォーデンと恋に落ちる。一方、プルーイットは元ウェイトレスのロリーン(ドナ・リード)に恋する。アンジェロは勤務をさぼって営倉に入れられるが、以前からそりが合わない担当のジェームズ"ファツォー"ジャドソン(アーネスト・ボーグナイン)に痛めつけられ、脱走してトラックから落下して死ぬ。プルーイットはナイフで決闘してジェームズを殺し、ロリーンの家に、深い傷を負い、隠れる。 そして12月7日の朝、日本軍の奇襲が始まった。緊張感がなく穏やかだった基地は突如として最前線の戦場になる。混乱する基地を冷静に指揮したのは、それまで軍務に全く興味がなさそうで、やる気の感じられなかったウォーデンだった。プルーイットは緊急事態に基地に戻るのだが、非常時であるため、正確な確認もなく、仲間の兵士に背後から銃撃され、あっけなく命を落とす。そして、民間人に避難勧告が出され、カレン、ロリーンは基地を去ることになる。その移動の船中の会話のシーンから、終幕。 キャスト
主な受賞歴アカデミー賞
ゴールデングローブ賞ニューヨーク映画批評家協会賞関連項目
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