大牟田駅
大牟田駅(おおむたえき)は、福岡県大牟田市不知火町一丁目および久保田町二丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物)・西日本鉄道(西鉄)の駅である。 概要中部有明地域の主要都市である大牟田市の中心駅で、全列車が停車する。JR九州の鹿児島本線と、西鉄の天神大牟田線が乗り入れており、両線がともに乗り入れるのは当駅のみである。 福岡県の最南端に位置する駅である。またJRグループ以外の鉄道会社が自社線内のみで運行する特急列車の停車駅[注釈 1]および特別料金不要の特急列車の停車駅、更には大手私鉄の駅としても、当駅が日本で最南端に位置する[注釈 2]。 九州新幹線(新大牟田駅)の開業に伴い、JR線の特急列車は段階的に運行本数が削減され、2021年3月のダイヤ見直しによる有明(平日の朝、上り1本のみ)の廃止によりすべて消滅した。また、2018年3月からは、日中の時間帯においてJR線の当駅から博多駅方面への快速列車が無くなったため[1][2]、当駅から福岡市への日中の直通列車は西鉄特急のみとなっている。 歴史年表
駅名の由来開業当時の地名(三池郡大牟田町)から。 「大牟田」は、近世以来の地名。「大きなムタ(湿地)」の意。 駅構造などJR九州のりばがある東口駅舎と、西鉄のりばがある西口駅舎がある。また、両駅舎の南側には大牟田駅連絡橋(歩行者専用連絡橋・大牟田市道、東口側・西口側の双方にエレベーター設置)があり、2021年(令和3年)3月にはJRの跨線橋と連絡橋とを直結する改札口(連絡橋口・終日駅員無配置)が新設された。 かつては西鉄が両駅舎での改札業務をJRに委託しており、両駅舎の改札口からJR・西鉄双方ののりばへ入出場することができたが、1999年(平成11年)4月に西鉄がよかネットカードの発行開始に合わせて自動改札機を導入したことに伴い委託業務が廃止され、東口から西鉄のりばへの入出場ができなくなるとともに、西口でもJRと西鉄の改札口が分離され、改札内でのJR・西鉄相互の乗換ができなくなった[注釈 3]。また、前述の連絡橋口新設に伴いJRの西口改札が使用停止となり、西口からJRのりばへの入出場や改札内での東口・西口相互移動もできなくなった。 東口駅舎は鉄筋コンクリート造一部2階建て構造となっている[4]。当初3階建て民衆駅で設計されていたが、石炭産業の斜陽化に伴い民衆駅の設置を断念し、国鉄の負担で建設されることとなった(ただし、総工費6774万円のうち、西鉄が896万円、鉄道弘済会が208万円を分担している)[4]。ファミリーマート(JR大牟田駅店[注釈 4])などが入居している[注釈 5]。 西口駅舎は平屋建て構造となっている。ファミリーマート(大牟田駅西口店[注釈 6])がある。 JR九州
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ地上駅[15]。駅番号はJB27。 跨線橋には1番のりば、2・3番のりばそれぞれに1基ずつエレベーターが設置されている。西口改札が使用停止となる前までは跨線橋が西口まで延びていたが、西口側は階段のみであったため、車椅子等を利用して西口と2・3番のりばとを相互移動する場合は連絡橋とJRの跨線橋のエレベーター4基すべてを使う必要があったが、前述の連絡橋口新設により、連絡橋の西口側エレベーターとJRの2・3番のりばのエレベーターの2基だけで相互移動することができるようになった。 朝夕の時間帯には、博多駅方面からの快速および普通列車、熊本駅方面からの普通列車のそれぞれ一部が当駅で折り返している。なお、博多・小倉方面から来る快速・普通列車の一部は、当駅で熊本・八代方面へ向かう普通列車に同じホーム(1番のりば)で乗り換えできる。 直営駅で、みどりの窓口が設置されている。駅自動放送が導入されている。 1番線熊本方に存在するホーム屋根の基礎に使われている中古レールの刻印は、八幡製鉄所製皇紀表記の珍品。 JR駅と西鉄駅の間には留置線が5線(4番線~8番線)ある。2020年5月までは、大牟田貨物が入替などで使っていたときもあった。夜間には荒尾駅発の回送列車が1本入線し、そのまま夜間留置となる。入換信号機および一部の線には出発信号機も設置されているが、後述のオフレールステーション化と西日本鉄道への甲種輸送の終了により、現在は4番線と5番線の2線のみの使用となっている。他の留置線では、線路はそのまま残されてはいるものの入換信号機は使用停止措置が行われている。 なお、2番線への留置車と合わせて夜間滞泊の列車が2本設定されている。 のりば
西鉄
現在でも駅舎・改札分離前と同様、西鉄天神大牟田線はJR鹿児島本線の1・2・3番のりばに続く形で4・5・6・7・8番のりばとなっている。そのため、1・2・3番のりばは欠番である。主に特急は7・8番のりば、普通は4番のりばに発着する。5・6番のりばに発着する列車は朝の少数に限られる。 改札口との間に段差がないため、エレベーター等は設置されていない。 天神大牟田線の終点駅であり、西鉄特急の発着駅である。また、2019年3月より、新観光列車"THE RAIL KITCHEN CHIKUGO"の発着駅(「ランチの旅 (CHIKUGO LUNCH COURSE)」の到着駅・「ディナーの旅 (CHIKUGO DINNER COURSE)」の出発駅)となった[16]。 のりば
貨物駅JR貨物の駅は、コンテナ貨物と車扱貨物の取扱駅となっている。駅のフロント(大牟田オフレールステーション)で取り扱うコンテナ貨物については1996年(平成8年)3月よりトラック便による代行輸送となっている。車扱貨物については、2020年(令和2年)3月14日改正現在でも貨物列車による輸送となっている。 大牟田オフレールステーション駅東口の南側には、当駅に属するコンテナ集配基地の大牟田オフレールステーション(略称:大牟田ORS・北緯33度1分44.7秒 東経130度26分37.8秒)がある。貨物列車代替のトラック便が、ここと鳥栖貨物ターミナル駅との間に1日10往復運行されている。取扱貨物は、12フィートコンテナのみとなっている。なお、「オフレールステーション」の通称は2006年(平成18年)4月より使用されている。 以前は駅フロントでも車扱貨物の取扱があり、南四日市駅よりタンク車で輸送された、三菱ガス化学佐賀製造所向けの過酸化水素水の取扱があったが、2003年(平成15年)3月にタンクコンテナ化された際に着駅が変更された。 仮屋川操車場・専用鉄道大牟田駅から1.5 kmほど北側の大牟田市下白川町に、仮屋川操車場と呼ばれる当駅構内扱いの施設があった。ここは旧・三池鉄道の旭町駅で、ここから南へ向かい三井化学大牟田工場に至る同社の専用鉄道が分岐していた。専用鉄道には、南延岡駅発送の液体塩素が専用タンクコンテナで、黒崎駅発送の濃硝酸が専用コンテナで到着していた。また、一時期海上コンテナの取扱いもあり、輸出コンテナが北九州貨物ターミナル駅を経由して北九州港から発送され、空コンテナが同港から到着していた。 これらを輸送する貨物列車は、北九州貨物ターミナル駅経由で南延岡駅との間に1日1往復運行されていた。駅構内・操車場内の入換作業用のため、同駅にはHD300形ハイブリッド機関車が常駐していた。 三菱ケミカル福岡事業所が濃硝酸製造を中止したことにより、2020年5月7日の運行を以て専用鉄道の運行は終了。操車場の使用も終了した[17]。 駅弁唯一の販売業者であった大牟田駅弁が2007年12月廃業して以降、当駅での駅弁販売は行われていない。なお、廃業直前に販売されていた弁当は以下の通り。
利用状況
2009年12月から車扱貨物は、タンクコンテナ化。 駅周辺JR側駅舎(駅東口)の前を国道208号が鹿児島本線に並行する形で通っている。駅周辺は大牟田の行政の中心である。 東口西口
バス路線東口に大牟田駅前バス停留所、西口に大牟田駅西口バス停留所があり、それぞれ西鉄バス大牟田の以下の路線が乗り入れている。
東口の大牟田観光プラザ前乗り場には、かつては九州産業交通の快速みいけ号も発着していた。 特記事項
隣の駅
脚注注釈
出典
関連項目
外部リンク |