『太陽にほえろ!PART2』(たいようにほえろパートツー)は、1986年11月28日から1987年2月20日まで、日本テレビ系列で毎週金曜20:00 - 20:54(JST)に全12話が放送された、東宝制作の刑事ドラマ。
概要
本作品は、前番組として1972年より放送されていた『太陽にほえろ!』(以下、前作)の続編であり、前作の主演だった石原裕次郎の降板を受け、既に執筆済みであった未使用脚本の消化を目的とした仕切り直し企画として制作された。前作最終回の後、石原演じる藤堂俊介は本庁(警視庁)に栄転した設定となっており、それから1年後(1987年11月)の七曲署を舞台に、後任のボス(捜査係長)である篁朝子率いる捜査一係の面々が事件に立ち向かう姿を描く。この篁役には、当時ホームドラマを中心に活躍し、石原とも深い交流があった奈良岡朋子が起用され、石原とは異なるボス像が展開された。
全12話という少ない話数などもあり、前作とは対照的に『テレビ探偵団』(TBS)などの回顧番組でも全く取り上げられず、長らく再放送の機会にも恵まれていなかったが、2018年4月20日から6月1日まで、CSファミリー劇場にて再放送が行われた[1]。映像ソフトについては当初、VHS・LD・DVDでリリースされた「七曲署ヒストリー」に全話の予告編と、第1話・最終話のオープニングが収録された程度で、かつてバップが展開していた『4800シリーズ(VHS)』の収録対象に含まれておらず、2015年6月24日にリリースされた『太陽にほえろ! 1986+PART2 DVD-BOX[2]』で初めて全話の映像ソフト化が実現した。
登場人物・キャスト
七曲署捜査一係
人物名、()に読みとニックネーム、出演者の順に表記。篁・喜多以外については太陽にほえろ!#登場人物も参照。新規レギュラーである奈良岡、寺尾とも、前作にも別役でゲスト出演した経験を持つ。
- 篁 朝子(たかむら あさこ/係長)
- 演 - 奈良岡朋子
- 警視庁に栄転した藤堂の後任として七曲署に赴任し、捜査一係の係長に就任する。階級は警部。物腰こそ冷徹だが内面は心優しい人物で、型破りな行動の多い部下たちに対しても深い理解と信頼を寄せている。喫煙者。
- 「ボス」の愛称で呼ばれていた藤堂とは異なり、作中では一貫して部下たちより「係長」と呼ばれている。篁自身も藤堂とは異なり、部下を愛称ではなくもっぱら「○○(苗字)さん」と呼んでいる[3]。作中では毎回一係のデスクにいるものの、屋外での活動や発砲シーンなどは描かれていない。
- 元夫との間に一男をもうけているが、家庭よりも仕事を優先したことが原因で離婚・別居している。その息子とは後述の通り、のちにある事件の容疑者として再会を果たすこととなる[4]。
- 西條 昭(さいじょう あきら/ドック)
- 演 - 神田正輝
- 若手刑事のリーダー格。スポーツマンでダジャレ好きだが少々短気。自分の部屋に大量のサプリメントを所有するなど健康オタクな一面もある[5]。優れたドライビングテクニックは健在。
- 太宰 準(だざい じゅん/DJ)
- 演 - 西山浩司
- 俊敏な運動神経を持つが、血気盛んな性格ゆえに一係の捜査員を振り回したこともある[6]。その一方で老犬と心を通わせる優しさも持ち合わせている[7]。
- 他のメンバーとの会話では時おり大阪弁が混じる。また、前作の方でも最終回直前に登場したため主演回が連続したこともあった他、本作品でも劇中での発砲シーンは描かれなかった。
- 澤村 誠(さわむら まこと/ブルース)
- 演 - 又野誠治
- 前作最終回で発生した殉職の危機を乗り越え一係に復帰。パワフルさと饒舌さは健在であるが、上司である篁を陰で「おばさん」と呼んだり、大先輩であるはずの野崎や井川に対してもがさつな物言いが目立つ[7]など、より奔放さに磨きがかかっている。
- 水木 悠(みずき ゆう/マイコン)
- 演 - 石原良純
- 本作品では主演エピソードがないため、得意なコンピューターによる捜査もほとんど描かれないが、太宰の「宝探し」に付き合ったりと好奇心旺盛な面も見られた[7]。
- 岩城 令子(いわき れいこ/マミー)
- 演 - 長谷直美
- 第5話「長さんの長い午後」では、母親と一緒に喫茶店で休憩中にたまたまライフルを持った犯人に遭遇。その際に揉み合いとなり、腹部に被弾し意識不明となったが一命をとりとめた。
- 野崎 太郎(のざき たろう/長さん)
- 演 - 下川辰平
- 警察学校教官から七曲署一係刑事に復帰。本作品ではかつての山村のように、係長のデスクのそばに控えているシーンが多い[8][9]。
- シナリオ草稿「野崎刑事復帰」では、再登場に当たって野崎が現場に復帰するエピソードが準備されたが、初回からすでに復帰している設定となった[10]。
- 井川 利三(いがわ としぞう/トシさん)
- 演 - 地井武男
- 本作品では主役エピソードや家庭描写がなく、服装も背広の代わりに皮ジャンが多くなる。
- 喜多 収(きた おさむ/オサムさん)
- 演 - 寺尾聰
- 本作品より新たに一係に配属。城南大学卒業、父親は大学教授[11]。飄々とした個人主義者であるが、型にはまったスタイルを嫌い、上司である篁を陰で「おばさん」と呼ぶような奔放な性格ゆえに、澤村とコンビを組むことも多い。
- 「人生死ぬまでのヒマつぶし」が座右の銘で、その裏には「ヒマつぶしだからこそやるときは徹底的にやる」という強固な信念を持つ。サングラスを愛用。太宰と同様、出演回も少ないことから主演回が連続することもあった。
刑事の家族
- 早瀬波江
- 演 -成田光子
- 岩城令子の母。第5話に登場。
- 澤村泉
- 演 -渡瀬ゆき
- 誠の妻。第11話に登場。
- 青木
- 演 -米倉斉加年[12]
- 篁朝子の元夫。第12話に登場。財務省勤務のエリートで、朝子と離婚後、息子と美沙子の3人暮らし。事件の重要参考人となった息子のことで一係を訪ねる。
- 青木清文
- 演 -井上純一[13]
- 篁の息子。第12話に登場。証券会社のサラリーマンで、殺人事件の第一発見者として篁と再会し、後に重要参考人となり容疑がかかってしまう。
七曲署・警視庁関係者
- 巡査
- 演 -山口一洋
- 七曲署の制服警官。第3話に登場。
- 警視監
- 演 -神山繁[14]
- 本庁の警察幹部。第7話に登場。
スタッフ
放送日程
地方ロケ
第11話「神戸・愛の暴走」では、兵庫県神戸市にてロケが行われた。撮影が行われた1986年当時はまだ開発途中であったポートアイランド内や、阪神・淡路大震災以前の神戸の風景が収められており、現在では見ることの出来ない建物や風景を窺い知ることが出来る。また、作中では実在する地名・施設名などもセリフの中に登場していた。
- ロケ地・神戸大橋、神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)[17]、神戸ポートピアランド[18]、神戸ポートピアホテル、ポートタワーホテル、完成したばかりのアシックス本社[19]など
関連項目
脚注
- ^ 毎週金曜20:00 - 22:00、2話連続。同時間帯での放送終了後にも、6月10日 - 24日の3週に渡って一挙放送が行われた。
- ^ 前作の1986年放送分と、本作品の全話数を併せて収録。
- ^ 太宰のみ「太宰くん」と呼ぶ。また、喜多を「喜多くん」と呼んだこともある。
- ^ 第12話より。
- ^ 第7話より。
- ^ 第10話より。
- ^ a b c 第3話より。
- ^ 第5話では篁の指示で人質として現場に出向いた。
- ^ 太陽にほえろ(PART1)、刑事一覧表
- ^ 七曲署捜査一係'97と'99では警察官を定年退職後、保護司として七曲署に出向いている。
- ^ 第6話より。
- ^ 前作にも、第320話と第368話にてゲスト出演経験を持つ。
- ^ 前作にも、第227話にてゲスト出演経験を持つ。
- ^ 演者の神山は、前作にも度々ゲスト出演の経験を持つが、このうち第713話と第715話では本作品と同じく警視監の役を演じている。
- ^ ノンクレジット。
- ^ シナリオのみクレジット。
- ^ 撮影当時ゴムタイヤの新交通システム (AGT) は、ゆりかもめ(1995年開業)などが出来る前でもあり珍しい存在であった
- ^ ポートピア81・神戸ポートアイランド博覧会跡地の公園
- ^ 本放送当時の番組スポンサー
外部リンク