神戸新交通株式会社(こうべしんこうつう、英: Kobe New Transit Co., Ltd.)は、兵庫県神戸市で2つの自動案内軌条式旅客輸送システム (AGT) 路線を運営している、神戸市などの出資による第三セクター方式の鉄道事業者である。本社は神戸市中央区港島六丁目6番地の1。
スルッとKANSAIでカードに印字される符号はKSであり、略字は新神交である。
歴史
路線
日本国内で唯一、複数の新交通システム(AGT:自動案内軌条式旅客輸送システム)路線を運営している。車両基地を除く全線が高架構造で、自動列車運転装置 (ATO) による自動無人運転が行われている。路線の免特許上は軌道法に基づく軌道区間と鉄道事業法に基づく鉄道区間(第一種鉄道事業)とが混在している。
車両
新交通システムの特性上、いずれの車両も急曲線・急勾配および自動無人運転に対応できる設計となっており、車輪にゴムタイヤを使用して高加速・高減速性能をもつ。全車両が川崎重工製であり、特にポートアイランド線では同社の技術が採用された。
当初は、公式な形式表記は「系」ではなく「型」を使用しており、日本の鉄軌道事業者ではまれなケースであった。近年では、2020型登場時のプレスリリースなど「形」を使う例が神戸新交通および神戸市の公式サイトで見られ「型」表記がされていない。なお、そのプレスリリース内の本文では、当初「型」表記で登場した2000型や1000型も「形」表記となっており、現在の公式な形式表記は不明である。車体側面には車両番号が付けられており、数字表記のみの1000型を除き「KNT-○○○○」と表記する。車両番号の付与方法は、千の位で型式を、百の位で号車番号を、十ならびに一の位で編成番号を示す。
運用中の車両
過去の車両
運賃
大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2019年10月1日改定[12][13]。ポートアイランド線・六甲アイランド線両線共通。
区数 |
運賃(円)
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1区(初乗り2km) |
210
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2区(3 – 5 km) |
250
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3区(6 – 8 km) |
290
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4区(9 km) |
340
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ポートアイランド線の南公園駅・中埠頭駅・北埠頭駅は運賃計算上、みなとじま駅と同一とみなされているほか、みなとじま駅を経由する定期券に関しても、南公園駅・中埠頭駅・北埠頭駅でも乗降可能である。中公園駅、市民広場駅発着の運賃についても、みなとじま駅発着とみなして計算した場合の運賃と比較して安い方となっている。
三宮駅から環状線を経由して三宮駅に戻ってくる場合の普通運賃は250円となる。
2006年2月1日まではポートアイランド・六甲アイランド両線とも普通運賃は240円均一となっていた。ポートアイランド線が神戸空港まで延伸された翌2日から両線とも距離制に改定されたが、その際は既存区間が値上げにならないように配慮された。この結果近距離では値下げとなった。
交通系ICカードは、全国相互利用対応カード(PiTaPa・ICOCA・Kitaca・Suica・PASMO・manaca・TOICA・nimoca・はやかけん・SUGOCA)が利用できる。神戸新交通でもICOCAを販売しているが、それは大人用のみの上に一部の駅の券売機での販売に留まっている。また自社内においてICOCA定期券は取り扱っていない。2019年3月1日に阪急電鉄、阪神電気鉄道、能勢電鉄、北大阪急行電鉄がICOCA及びICOCA定期券の販売を開始して以降は、ICOCAを取り扱う関西の鉄道事業者では唯一ICOCA定期券を販売しない鉄道事業者となった。また2020年4月1日からは、ICOCAにおいて利用した際にチャージ額の一部を還元するサービスを開始している[14][15]。
2017年3月31日まで発売していたスルッとKANSAI対応カードは、神戸市交通局と同じ「スルッとKANSAIこうべカード」だった。
また、好調な利用状況から、2017年4月1日には全線の通学定期運賃を約2割値下げするなども行われている[16]。
付帯事業
テナント
- ステラ三宮ビル
- 市民病院前ビル
- ステーションパーク ヴィアーレ
- リオス
イベント
- K・N・T ライナーウォーク
- ポートライナーフェスティバル
- 六甲ライナーフェスティバル
など
公式キャラクター
神戸新交通の公式キャラクターとして、「ライナーくん」が設定されている。グレーの体にポートライナーの緑の差し色。胸には信号を模したようなボタン、両耳にはアンテナをもつ、アナログ感と懐かしさが漂うロボット型のキャラクターであり、各種広報物に使用されているほか、FacebookやInstagramなどのSNSが運営され、LINEスタンプの販売もある[17]。
経営状況について
累積損失の解消を目的に、2015年度に240億円から1億円への減資を行った[18][19]。資本金から剰余金への振替を行ったことにより財務内容は改善。元々単年度収支では毎年黒字を計上していたが、近年[いつ?]ポートアイランド内の企業進出等の影響で乗車人員が大幅に上昇するなど、過去最高の乗車人員を毎年更新し続ける程であり健全な経営状態と言える。なお、減資前の2014年度決算時点の累積赤字はおよそ201億円強にのぼっており[20]、これは2006年度決算段階で見れば、神戸市の外郭団体の中で最も大きな累積赤字額であった[21][22]。
労使の問題
2014年度以降、労働組合の役員1人が会社の承認を得ず職場を離れて組合活動をするヤミ専従が行われていたことが判明。発覚した2018年には、役員の降格人事を行った[23]。
2019年3月、市議会の指摘により、社内で周知されていない特別貸付制度を利用して特定の社員に2000万円超の資金が貸し付けられていたことが発覚。貸付金は返還されたが、久元喜造市長は神戸新交通の財務に疑義があるとして、神戸市監査委員に対し地方自治法に基づく監査を要求した[24]。
脚注
関連項目
外部リンク
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神戸新交通に関連するカテゴリがあります。
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営業中 |
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廃止 |
案内軌条式鉄道(AGT) | |
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案内軌条式鉄道(ガイドウェイバス) | |
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磁気浮上式鉄道(HSST) | |
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磁気誘導式鉄道(IMTS) | |
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ロープ駆動式懸垂型交通システム (スカイレール) | |
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関連項目 | |
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鉄道事業法(旧地方鉄道法)・軌道法に拠る路線、及びそれらと同等の構造を有する空港内移動路線のみ。 ★印は施設内路線。*印は鉄道事業法・軌道法に拠る期間限定路線。◇印は鉄道事業法・軌道法に拠らない空港内移動路線。
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鉄軌道 | |
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バス | |
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過去に導入 していた事業者 | |
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関連項目 |
各提携カード | |
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相互(片)利用 (ショッピングを除く) | |
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新幹線乗車サービス | |
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一部事業者の別カード | |
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関連項目 | |
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記事の凡例
- 無印:PiTaPa・「スルッとKANSAI」対応カード両方を使えた。
- P:PiTaPaのみ
- 予:PiTaPa導入予定
- 別:別のIC乗車カードとの重複導入
- I:ICOCAも発売
- 除:一部除外事業者あり
- ▽:予約認証のみ
- >:重複の場合の優先順位
- ※重複事業者は鉄道を優先した。
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鉄道 | |
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船舶 | |
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過去の導入事業者 | |
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導入予定事業者 | |
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相互利用 | |
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新幹線乗車サービス | |
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片利用※ | |
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関連項目 | |
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- P:PiTaPaも取り扱う事業者
- o:独自のポイントサービス実施
- △:一部事業者は交通系ICカード全国相互利用サービス未対応
- ▽:決済済証明のみ、SFではない。
- >:重なった場合の優先順位
- ※:電子マネーを除く
- ◎:電子マネー扱い、SFではない。
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