この項目では、大阪府の弁天町駅について説明しています。かつて弁天町駅を名乗った函館市電の駅については「函館どつく前停留場 」をご覧ください。
弁天町駅 (べんてんちょうえき)は、大阪府 大阪市 港区 波除 (なみよけ)三丁目にある、西日本旅客鉄道 (JR西日本)・大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro) の駅 である。駅番号は、JR西日本がJR-O15 、Osaka MetroがC13 。JR西日本の駅シンボルフラワーは「向日葵 」である。
概要
天保山 を擁する大阪築港 への入口に当たる駅で、JR西日本の大阪環状線 と、Osaka Metroの中央線 との乗換駅となっている。
JR駅の上に地下鉄駅が交差するという構造が特徴的である。南北方向にJR駅と同じ高さで阪神高速17号西大阪線 ・平面で国道43号 、東西方向に地下鉄駅と同じ高さで阪神高速16号大阪港線 ・平面で中央大通 が交差し、交通の要所となっている。
駅名は開業時の町名だった弁天町に由来するが、駅所在地は辰巳町を挟んで2つ西隣りの八雲町だった。なお、八雲町・辰巳町・弁天町のそれぞれ中央大通以北は現行町名では波除となる。弁天町の「弁天」は市岡新田会所に弁才天 が祀られていたことに由来する。
駅開業時の大阪市内には、当地の港区弁天町の他にも東区(現在の中央区) 弁天町や東住吉区 瓜破弁天町があったが、前者は1979年 に城見 に改称、後者は1974年 の平野区 分離の際に瓜破 に改称された。
歴史
駅構造
JR西日本
相対式ホーム 2面2線を有する高架駅 である[ 6] が、分岐器 や絶対信号機 がない停留所 に分類される。ホームは3階、改札口 は北口と南口の2ヶ所。北口の改札口は1階にありOSAKA BAY TOWER(旧ORC200)に、南口の改札口は2階にありOsaka Metroの駅に、それぞれ通路を経て直結している。エスカレーター は北口および南口の1・2番のりばへの階段前に、エレベーター は南口の1・2番のりば階段前に設置されている。また、1番のりば(内回り)の南側では立ち食いうどん店 が営業していた(2018年10月15日限り休業)が、交通科学博物館が営業していた頃には、同館の野外展示車両の一部を見下ろすことができ、壁面にも同館への最寄り駅であることが案内されていた。
西九条駅 が管理している直営駅 であり、アーバンネットワーク エリアに入っている。また、JRの特定都区市内 制度における「大阪市内」に属する駅である。また、ICOCA の利用が可能である(相互利用可能ICカード はICOCAの項を参照)。
のりば
※長らくのりば番号が存在しなかったが、2006年10月中にのりば番号が付与された。
発車メロディ
「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として、2015年3月22日からアメリカ民謡 の「線路は続くよどこまでも 」が発車メロディ として使用されている[ 8] 。かつて駅前に交通科学博物館があったことに因んでいる。
大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)
駅は中央大通 の中央分離帯 部分の高架部にある。ホームの地表面からの高さが日本一高い地下鉄駅である。
相対式ホーム2面2線を有する高架駅で、2階が改札口、3階がプラットホームである。改札口は東西3ヶ所で、東口はJR駅への連絡通路があり、西口は大阪市教育センター、クロスタワー大阪ベイ、OSAKA BAY TOWER、港区土地区画整理記念・交流会館、大阪みなと中央病院と繋がっている。エスカレーターは東口が1番線ホームへの階段に、西口が1・2番線ホーム両方の階段に併設されている。エレベーターはORC200(現在のOSAKA BAY TOWER)がオープンしてからは同施設のものしか利用できなかったが、その後7ヶ所のエレベーター(東改札内 - 1番線ホーム、東改札内 - 2番線ホーム、4号出入口 - JR駅連絡通路 - 東改札外、6号出入口 - 東改札外、西東改札内 - 1番線ホーム、西東改札内 - 2番線ホーム、3号出入口 - 西改札外)がそれぞれ設置され、供用を開始した。
阿波座管区駅 に所属し、駅長 を配置する。また、九条駅 を管轄する。
のりば
幻の連絡通路
国鉄・地下鉄連絡通路設計図
地下鉄中央線とJR大阪環状線の連絡は、地下鉄とJRのそれぞれのコンコースを歩廊橋 で結ぶ形となっているが、岩村潔『大阪市地下鉄の歩み』によると、地下鉄弁天町駅の設計時、大阪市交通局は大阪環状線のホームから直接地下鉄のホームへと連絡できるような歩廊橋を計画していた。日本国有鉄道 (国鉄)に提出された設計図によれば、大阪環状線の内・外回り両ホームから南側へ20メートルにわたり幅員6.5メートルの連絡通路が延び、階段を上った先で両通路が合流、大阪環状線を跨いで幅員12メートルの通路となるものであったが、この計画は国鉄側が反対したため採用されなかった。なお、設計図は大阪市公文書館 に保管されている。
なお、2025年日本国際博覧会 (大阪・関西万博2025)が、2025年 に夢洲 を中心とした関西地方で開催されるにあたり、中央線が夢洲に乗り入れる関係もあり、JRの南北改札の間に新駅舎・改札口を設けるほか、段差のないバリアフリータイプの連絡通路を整備することで、JRと大阪メトロの接続を強化する事を目指している。万博開催までに工事を完成させる予定である[ 10] 。
利用状況
JR西日本 - 2022年度の1日平均乗車 人員 は31,301人 で、JR西日本の駅では20位である。
Osaka Metro - 2023年11月7日に行われた交通調査によると、特定日における1日の乗降 人員は39,541人 (乗車人員:19,733人、降車人員:19,808人)であった[ 11] 。
各年度の1日乗降・乗車人員数は下表の通り。
JR西日本のデータは1日平均 乗車人員である。
大阪市営地下鉄のデータは交通調査に基づく特定日 の乗降・乗車人員である。
年度
JR西日本
大阪市高速電気軌道[ 備考 1]
出典
1日平均 乗車人員
特定日
調査日
乗降人員
乗車人員
1995年
39,716
[ 備考 2] 2月15日
29,245
14,947
[ 12]
1996年
39,698
-
[ 13]
1997年
38,119
-
[ 14]
1998年
36,859
11月10日
32,531
17,130
[ 15]
1999年
35,834
-
[ 16]
2000年
35,273
-
[ 17]
2001年
35,375
-
[ 18]
2002年
34,129
-
[ 19]
2003年
33,450
-
[ 20]
2004年
33,051
-
[ 21]
2005年
33,263
-
[ 22]
2006年
33,489
-
[ 23]
2007年
34,298
11月13日
38,073
19,460
[ 24]
2008年
34,538
11月11日
37,569
19,110
[ 25]
2009年
32,823
11月10日
35,731
18,081
[ 26]
2010年
32,296
11月0 9日
35,722
17,995
[ 27]
2011年
32,464
11月0 8日
34,708
17,540
[ 28]
2012年
31,960
11月13日
34,254
17,339
[ 29]
2013年
32,284
11月13日
34,872
17,578
[ 30]
2014年
31,692
11月11日
35,378
17,886
[ 31]
2015年
32,256
11月17日
36,676
18,523
[ 32]
2016年
32,660
11月0 8日
36,210
18,299
[ 33]
2017年
33,097
11月14日
37,662
18,991
[ 34]
2018年
33,831
11月13日
38,087
19,073
[ 35]
2019年
34,489
11月12日
40,144
20,121
[ 36]
2020年
26,692
11月10日
33,505
16,884
[ 37]
2021年
27,645
11月16日
34,942
17,470
[ 38]
2022年
31,301
11月15日
36,287
18,050
[ 39]
2023年
11月7日
39,541
19,733
備考
^ 2017年度までは大阪市営地下鉄。
^ 1996年に行われた調査であるが、会計年度 上は1995年度となる。
駅周辺
OSAKA BAY TOWER(画像手前左右)とクロスタワー大阪ベイ(同奥)
1990年代 以降、梅田 ・大阪駅 への近さから新たな住環境の魅力が見直され、周辺では高層マンション などが多く建設されている。2014年 4月6日 までは駅に隣接して交通科学博物館 があった(跡地は大阪環状線改造プロジェクトの一環として再開発の予定だったが、大半は2018年11月から有料駐車場として営業中)。
官公庁
大阪市港区役所
港区土地区画整理記念・交流会館
大阪市港区民センター
大阪市港区民ホール(港区画整理記念ホール)
大阪市立港図書館
大阪市港区老人福祉センター
大阪市港区子ども・子育てプラザ
大阪市港消防署
大阪市教育センター
大阪府港警察署
文化施設等
学校
医療機関
商業施設
企業その他
バス路線
廃止された大阪市営バス・弁天町バスターミナル
路線バス
大阪シティバス が運行しており、Osaka Metro2-B号出入口付近に「弁天町駅前」 停留所が設置されている。大阪市営バス 時代の1984年4月8日に、駅西側の大阪市教育センターの1Fに「弁天町バスターミナル」が完成し[ 40] 、バスターミナルを起終点とする路線があったが、2014年9月21日ダイヤ改正により廃止となり、中央大通 沿いに「弁天町駅前」停留所が新設された[ 41] 。
高速バス
日本交通 が運行しており、乗車は「弁天営業所」 、降車はOsaka Metro3号出入口付近の「大阪弁天町」 停留所で扱う。
隣の駅
西日本旅客鉄道(JR西日本)
大阪環状線
■ 大和路快速・■ 区間快速・■ 関空快速・■ 紀州路快速・■ 快速・■ 直通快速・■ 普通
西九条駅 (JR-O14) - 弁天町駅 (JR-O15) - 大正駅 (JR-O16)
2007年5月20日まで、貨物支線(大阪臨港線 )への分岐点として、当駅 - 大正駅間に境川信号場 があった。
大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)
中央線
朝潮橋駅 (C12) - 弁天町駅 (C13) - 九条駅 (C14)
脚注
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
弁天町駅 に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
(夢洲 - コスモスクエア - 長田間 : Osaka Metro中央線、長田 - 学研奈良登美ヶ丘間 : 近鉄けいはんな線) 2024年度開業予定区間