戸部(こぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。
康熙字典214部首では63番目に置かれる(4画の3番目)。
概要
「戸」の字は片扉の形に象る。
両扉を「門」といい、片扉を「戸」という。中国古代の住宅では敷地や廟への入口に門が使われ、敷地内の建物や小さな出入り口に戸が使われた。
偏旁の意符としては扉や部屋に関することを示す。
戸部はこのような意符を構成要素とする漢字を分類する。
字体のデザイン差
なお戸の印刷字体は康熙字典体・台湾の国字標準字体では「戶」であるが、日本の新字体では「戸」、中国の新字形・香港の常用字字形表では偏となる「所」を除き「户」としている。ただし、日本の表外漢字字体表は康熙字典体に従い、基本的に「扁」や「篇」といったように「戶」が使われている。
康熙字典 韓国・台湾 日本(表外字)
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日本(新字体)
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中国・香港
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U+6236
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U+6238
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U+6237
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戶
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戸
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户
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日本でも手書き等で「户」と書かれる事もある。また、短い縦棒の下に「尸」がくっつく形で書かれることもある。
簡略字体の構成要素としての「戸」
「盧」を構成要素に持つ「爐」の新字体は、「盧」の部分を「戸」に置き換えた「炉」である。
表外字の「盧」を構成要素に持つ漢字もこれに倣い「盧」の部分を「戸」に置き換えた略字が広く使われ、JIS漢字にも多数存在する。この場合字形は「戶」となる事もある。ただし、部首等の付かない単体の「盧」という字は略していない。
例:「蘆」→「芦」、「櫨」→「枦」、「鱸」→「魲」
また、「沪」は、「盧」でなく「慮」を構成要素に持つ「濾」の代わりに使われ、「濾過」の代わりに「沪過」とする表記が教科書などで広く使われている。ただし、この場合略字でなく代用であるという考え方もある。
中国の簡体字では「爐」や「蘆」は(第一画目が横棒か点かの違いはあるが)日本と同じ「盧」→「戸」とするが、「櫨」、「鱸」など「盧」の部分を「戸」でなく「卢」に置換える(「栌」、「鲈」となる)という別の簡略の仕方をするものもあるので注意を要する。また、「護」の簡体字である「护」などでも構成要素としての「戸」が見られる。
部首の通称
- 日本語:と、とかんむり、とだれ、とびらのと
- 中国語:户字頭
- 朝鮮語:지게호부(jige ho bu、片扉の戸部)
- 英語:Radical door
部首字
戶
例字
- 戶(戸)・所(所)・房(房)・戾(戻)・扇(扇)・扉(扉)・𢩢