柏レイソルのアカデミー柏レイソルのアカデミー(かしわレイソルのアカデミー)は、Jリーグ・柏レイソルが運営するサッカー選手育成組織である。 概要
柏レイソルはサッカー選手の育成において日本で最も長い歴史を持つクラブのひとつで、前身の日立製作所サッカー部時代の1969年に、全国で初めて日本サッカー協会公認のサッカースクールを開催している[2]。 1986年4月、育成組織の起源となる「日立サッカースクール柏」が開校[3]。1993年のJリーグ発足後は「柏レイソルユース」と名称を改め、年々その規模を拡大させていき、育成部門全体を包括する「柏レイソルアカデミー」へと発展を遂げた[2]。 アカデミー発足当初は各カテゴリーの指導者が各自の方針で育成を行っていたが、2003年にU-15コーチに就任した吉田達磨を中心にアカデミー全体のプレーモデルがまとめられ、全カテゴリーの選手が一貫したコンセプトのもとでプレーする環境が整えられた[2][4]。吉田の志向するボールポゼッションを重視したサッカーは、当時の育成現場においては異端とされるスタイルだったが、その後FCバルセロナやスペイン代表の隆盛に伴い全国的に波及していった[2][5]。 酒井直樹、明神智和、近藤直也、酒井宏樹、工藤壮人といった日本代表経験者をはじめ、アカデミーからは毎年多くのプロサッカー選手が輩出され、吉田がトップチームの監督に就任した2015年以降は、トップチーム所属選手の約半数をアカデミー出身者が占めている[6][7]。(詳細は#出身者一覧を参照) 組織U-18、U-15、U-12のカテゴリーから成るアカデミー本体のほか、ホームタウンエリアの12クラブと提携し、柏レイソルアライアンスグループ(2012年3月までは『柏レイソルアカデミー提携クラブ』)として育成理念や情報の共有を行っている[3][8]。2015年には日体大柏高校と相互支援契約を結び、指導者の派遣や、U-18に昇格できなかった選手たちの受け入れをスタートさせた[9]。 柏レイソルアライアンスグループ
育成理念柏レイソルアカデミーでは、「将来、レイソルの軸となる選手の育成」「世界で活躍できる選手の育成」「サッカー界で活躍できる選手(人間)の育成」「社会に貢献できる人間の育成」という4つの理念を掲げている[3]。 戦術的特徴11人制でプレーする場合は、基本的に中盤の底にアンカーを置いた4-1-4-1のフォーメーションを用いて、ゴールキーパーからショートパスを繋いで攻撃を組み立てるポゼッションフットボールを志向する[14][15][16]。日々のトレーニングにおいてもパス、トラップ等の基本技術やボールを受ける予備動作は重視され、アカデミー出身者にはテクニック面に優れた選手が多く見られる[14][17][18]。 トレーニング施設アカデミーの所属選手はトップチームと同じ日立柏総合グラウンドでトレーニングを行うため、カテゴリーをまたいだ交流や練習参加が盛んに行われ、ナイター設備やトレーニングルーム、ロッカールーム、シャワールーム等の施設が完備されている[14][17]。2005年頃からスポーツ栄養学に基づいた食育にも取り組んでおり、トレーニング終了後はトップチームの選手と同様に敷地内の食堂「ピアノ」で食事を取ることになっている[14][19]。 国際志向「柏から世界へ」のスローガンのもとクラブ全体で国際志向を掲げ、各カテゴリーで積極的な海外遠征を実施している[20]。ビジャレアル国際ユーストーナメント(2008年・3位)、ダラスカップ(2013年・準優勝)、コパ・サンパウロ・ジ・フチボウ・ジュニオール(2014年・ベスト32)といった国際大会に招待チームとして参加し、育成年代から世界各国のビッグクラブと対戦する機会を設けている[20]。 2015年7月には前年のアル・アインインターナショナルチャンピオンシップでMVPに選出されたU-18所属の伊藤達哉が、同大会で対戦したドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVに移籍した[21]。その他にも指宿洋史、杉田祐希也などが、アカデミー卒業後に日本国外のクラブでプロデビューを果たしている。 成績
リーグ戦年度別成績2003年のJFAプリンスリーグU-18創設後の成績
獲得タイトル
国際大会の主な戦歴
出身者一覧
サッカー選手以外の出身者
スポンサー2011年からホームタウンエリアの千葉県松戸市に本社を構えるマブチモーター株式会社とスポンサー契約を結び、各カテゴリーの選手が公式戦で着用するユニフォームにロゴを掲出している[3][33]。 脚注注釈出典
関連項目外部リンク
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