横川町(よこがわちょう)とは、広島市西区にある町名である。市内から県北部、さらには山陰に向かう交通の結節点として知られている。
地形
概要
安芸国広島城所絵図(1644年頃)。横川表記が確認できる。
町名の由来
- かつては町の南端(中広町との境界付近)にも、太田川(旧三篠川)と天満川を結ぶ形で川(当時の福島川 - 山手川に合流)が流れており、他の太田川の本支流が全て南北方向に流れているのに対し、この川だけ東西方向に流れているため、「横川」と呼ばれていた。
- この川が町名の由来であるが、福島川とともに太田川放水路整備の一環として埋め立てられ、現在は横川新町となっている。
住居表示
- 横川町1〜3丁目(よこがわちょう)
- 横川新町(よこがわしんまち)
歴史
楠木村・三篠村から広島市へ
江戸時代の横川は沼田郡楠木村の一部であり、明治時代になって1889年の町村制発足により同郡三篠村に編入、同村の大字楠木に属した。その後三篠村は安佐郡に変更され、ついで町制施行によって三篠町と改称した。安佐郡三篠町は1929年広島市に編入合併されたことにともない横川地区も広島市の一部になった。
県北交通の一大拠点
この中で横川は、交通の要地として発展を遂げていった。すなわち江戸時代には雲石街道(国道54号線の旧線)から広島城下への入り口として早くから町屋が形成されていた。明治になって1897年、山陽鉄道(現JR山陽本線)が徳山まで開通すると、村内には広島駅の西隣の駅として横川駅が開業し、旧雲石街道には商店街が形成された。翌98年、横川駅から分岐し本川の河岸の貨物積卸場に至る支線が設置された(現存しない)。1903年には日本最初の乗合バスが横川〜可部間に開業したが同年中に廃止された。さらに1910年(明治43年)には大日本軌道の横川〜祇園間の路線(現在のJR可部線)が開通した。1917年(大正6年)には、市電(現在の広島電鉄横川線)が左官町(現在の中区本川町)から横川まで開通、横川は同年浜田方面への郊外バスの発着場となるなど県内陸交通の一大拠点となり広島の北の玄関口としての地位を固めた。
広島市編入から現在まで
広島市への編入合併後、旧三篠町域はそのまま「広島市三篠町」となったため、横川も三篠町大字楠木の一部であったが、1933年の町名変更で「横川町」が新設された。1945年8月6日の原爆投下に際しては、爆心地から2kmの同心円内に入っており、熱線・放射線・爆風による直接被害はもちろん、火災による二次被害などで町内は全壊全焼して壊滅し、住民からも多くの犠牲者を出した。1965年には太田川改修事業の進行にともない西側の埋立地を中心に横川新町が設置され現在に至っている(歴史については三篠町参照)。
2001年より横川駅リニューアル事業が行われた。広島電鉄の横川駅電停を横川駅南口広場に乗り入れ、JR駅舎の建て替えや駅ビルの建設などが行われた。この事業に伴い、広島電鉄の路面電車は江波ゆきのみであったが、7号線の復活(横川駅―広電本社前)により乗り換えなしで広島市中心部へのアクセスが可能となった。
新たな町づくりへ
駅周辺は横川駅にあわせたリニューアルを行ったり、木村カエラ、奥田民生出演の映画『カスタムメイド10.30』のロケが行われた。また、バスに関連した広報活動、若者への支援活動など、商店街を中心に若者へのアピール活動を行なっている[1]。
一方その若者アピールの一環として、2010年代後半から商店街を中心にサッカーとの関わりが強くなっている。これは2007年に、Jリーグ・サンフレッチェ広島の試合会場である広島ビッグアーチへのシャトルバスが、横川駅から直通便が発着することとなり、この際サポーターが商店街にサンフレッチェのポスターや幟で飾り付けたいと提案したことがきっかけである[1]。ここから商店街からサッカーで町おこしをという機運が高まり、2011年女子W杯でのなでしこジャパン優勝を機に女子サッカーチーム創設となり、運営法人であるNPO法人広島横川スポーツ・カルチャークラブを設立、そして横川をホームタウンとして「アンジュヴィオレ広島」が誕生した[2]。2015年から横川駅周辺・横川商店街一帯で盛り上がるハロウィンイベント「横川ゾンビナイト」が10月下旬に開催されている[3]。
施設
公共施設
教育機関
- 横川保育園
- 広島情報ビジネス専門学校(学校法人上野学園系列)
- 広島コンピュータ専門学校(学校法人上野学園系列)
- 広島公務員専門学校(学校法人上野学園系列)
- 広島県建築高等職業訓練校(広島建築共同職業訓練協会)
金融機関
郵便局
商店
企業
橋梁
- 横川橋(天満川対岸の寺町とを結ぶ。国道54号旧々線が通る)
- 横川新橋(同上。国道183号線が通る)
交通
横川は1903年に日本で初めて営業運転を行った乗合バスの起点となる等、古くから広島市と芸北・備北地方や山陰を結ぶ交通の要衝であった。
鉄道
路線バス
道路
国道
広島県道
市道
人口
2023年12月末の人口と世帯数は以下の通り[8]。
町名
|
人口
|
世帯数
|
横川町一丁目
|
1,147
|
710
|
横川町二丁目
|
1,527
|
1,046
|
横川町三丁目
|
1,138
|
762
|
横川新町
|
1,663
|
1,025
|
計
|
5,465
|
3,543
|
脚注
関連事項
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中区 | |
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東区 |
曙 - 愛宕町 - 牛田▲(牛田旭・牛田新町・牛田中・牛田東・牛田本町・牛田南・牛田山・牛田早稲田) - 馬木 - 馬木町 - 尾長▲(尾長西・尾長東・尾長町) - 上大須賀町 - 中山▲(中山鏡が丘・中山上・中山北町・中山新町・中山中町・中山西・中山東・中山南) - 温品▲(温品・温品町・上温品) - 東蟹屋町 - 東山町 - 光が丘 - 光町 - 福田 - 福田町 - 二葉の里 - 戸坂▲(戸坂出江・戸坂大上・戸坂数甲・戸坂くるめ木・戸坂桜上町・戸坂桜西町・戸坂桜東町・戸坂城山町・戸坂新町・戸坂千足・戸坂惣田・戸坂町・戸坂長尾台・戸坂中町・戸坂南・戸坂山崎町・戸坂山根) - 矢賀▲(矢賀・矢賀新町・矢賀町) - 山根町 - 若草町
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南区 |
青崎 - 東青崎町 - 旭 - 西旭町 - 稲荷町 - 宇品▲(宇品海岸・宇品神田・宇品西・宇品東・宇品町(金輪島)・宇品御幸・元宇品町) - 猿猴橋町 - 北大河町 - 南大河町 - 黄金山町 - 大州 - 大須賀町 - 霞▲(霞・西霞町・東霞町) - 西蟹屋 - 南蟹屋 - 京橋町 - 金屋町 - 楠那町 - 小磯町 - 荒神町▲(荒神町・西荒神町・東荒神町) - 東雲▲(東雲・東雲本町・上東雲町) - 丹那新町 - 丹那町 - 段原▲(段原・段原日出・段原南・段原山崎) - 月見町 - 出汐 - 出島 - 似島町 - 仁保▲(仁保・仁保沖町・仁保新町・仁保町(峠島)・仁保南) - 日宇那町 - 東駅町 - 比治山▲(比治山公園・比治山町・比治山本町) - 堀越 - 本浦▲(本浦町・西本浦町・東本浦町) - 松川町 - 松原町 - 的場町 - 翠 - 西翠町 - 皆実町 - 向洋▲(向洋大原町・向洋沖町・向洋新町・向洋中町・向洋本町) - 山城町
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西区 |
井口▲(井口・井口鈴が台・井口台・井口町・井口明神) - 打越町 - 扇 - 大芝 - 大芝公園 - 大宮 - 小河内町 - 観音▲(観音新町・観音本町・観音町・西観音町・東観音町・南観音・南観音町) - 草津▲(草津梅が台・草津港・草津新町・草津浜町・草津東・草津本町・草津南) - 楠木町 - 己斐▲(己斐上・己斐大迫・己斐中・己斐西町・己斐東・己斐本町・己斐町) - 庚午▲(庚午北・庚午中・庚午南) - 商工センター - 新庄町 - 鈴が峰町 - 高須 - 高須台 - 田方 - 天満町 - 上天満町 - 中広町 - 福島町 - 古江▲(古江上・古江新町・古江西町・古江東町) - 古田台 - 三篠北町 - 三篠町 - 三滝▲(三滝本町・三滝町・三滝山) - 都町 - 山田新町 - 山田町 -山手町 - 横川新町 - 横川町 - 竜王町
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安佐南区 | |
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安佐北区 |
安佐町飯室 - 安佐町後山 - 安佐町小河内 - 安佐町くすの木台 - 安佐町久地 - 安佐町毛木 - 安佐町鈴張 - 安佐町筒瀬 - 安佐町動物園 - 安佐町宮野 - あさひが丘 - 大林 - 大林町 - 小河原町 - 落合▲(落合・落合町・落合南・落合南町) - 可部 - 可部東 - 可部南 - 可部町上原 - 可部町城 - 可部町中島 - 可部町中野 - 亀崎 - 亀山▲(亀山・亀山西・亀山南・可部町綾ケ谷・可部町大毛寺・可部町今井田・可部町勝木) - 狩留家町 - 口田▲(口田・口田町・口田南・口田南町) - 倉掛 - 白木町秋山 - 白木町有留 - 白木町市川 - 白木町井原 - 白木町小越 - 白木町古屋 - 白木町志路 - 白木町三田 - 深川▲(深川・深川町・上深川町) - 真亀 - 三入▲(三入・三入東・三入南・可部町上町屋・可部町下町屋・可部町桐原・可部町南原)
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安芸区 |
阿戸町 - 瀬野▲(瀬野・瀬野町・瀬野西・瀬野南・瀬野南町・上瀬野・上瀬野町・上瀬野南) - 中野▲(中野・中野町・中野東・中野東町) - 畑賀 - 畑賀町 - 船越▲(船越・船越町・船越南) - 矢野▲(矢野新町・矢野町・矢野西・矢野東・矢野南)
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佐伯区 |
旭園 - 石内▲(石内上・石内北・石内東・石内南・五日市町石内) - 五日市 - 五日市駅前 - 五日市港 - 五日市中央 - 海老園 - 海老山町 - 海老山南 - 観音台 - 倉重 - 倉重町 - 河内▲(河内南・五日市町上河内・五日市町下河内・五日市町上小深川・五日市町下小深川) - 五月が丘 - 新宮苑 - 城山 - 杉並台 - 隅の浜 - 千同 - 坪井 - 坪井町 - 藤垂園 - 利松 - 五日市町利松 - 藤の木 - 三筋 - 美鈴が丘▲(美鈴が丘西・美鈴が丘東・美鈴が丘緑・美鈴が丘南) - 皆賀▲(皆賀・五日市町昭和台・五日市町美鈴園・五日市町皆賀) - 美の里 - 三宅 - 三宅町 - 薬師が丘 - 屋代 - 屋代町 - 八幡▲(八幡・八幡が丘・八幡東・五日市町口和田・五日市町高井・五日市町寺田・五日市町中地・五日市町保井田) - 湯来町下 - 湯来町白砂 - 湯来町菅沢 - 湯来町多田 - 湯来町葛原 - 湯来町伏谷 - 湯来町麦谷 - 湯来町和田 - 吉見園 - 楽々園
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関連項目 | |
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▲は広域な地域名または別名。ニュータウン及び新興住宅地の通称は、日本のニュータウン#広島市を参照。
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