秋田公立美術大学
秋田公立美術大学(あきたこうりつびじゅつだいがく、英語: Akita University of Art)は、秋田県秋田市にある公立大学。略称は秋美(あきび)、AUA[1]。 概観大学全体秋田公立美術工芸短期大学が2013年(平成25年)に4年制大学移行によって設置された大学で、東北地方の公立大学では唯一の美術系大学となる、美術学部1学部の単科大学である。 なお、美術とは本来工芸分野を包摂するより広い概念であるということに鑑み、4年制大学移行にあたっては大学名から「工芸」が外れた。同時に公立大学へと移行しており、秋田市が設立する公立大学法人秋田公立美術大学を大学の設置者としている。 建学の理念建学にあたって、以下の4つの基本理念が制定されている。
沿革2012年(平成24年)11月1日に大学設置・学校法人審議会が文部科学省に新設の認可を答申したが、翌2日に田中眞紀子文部科学大臣が他の2つの私立大学とともに不認可にし物議を醸した[2][注 1]。世論・マスコミの反発を受けて同月8日、正式に設置が認可され、文部科学省高等教育局長の板東久美子(文部科学省からの出向で秋田県副知事だったこともある)から直接認可状が手渡され[3]、2013年(平成25年)4月に開学した。
基礎データ教育および研究組織学部
大学院2015年に大学院美術総合研究科(仮称)の基本構想を発表した[5]。2017年4月に大学院修士課程・複合芸術研究科が設置された[6]。2019年(令和元年)4月に複合芸術研究科複合芸術専攻博士課程を設置。 短期大学
附属機関
研究
各専攻の教育内容アーツ&ルーツ専攻アーツ&ルーツ専攻では既存の美術教育の領域に限定されない幅広い表現への関心を育み、地域の文化資源・歴史・伝承等を踏まえた総合芸術の実践を目指す。そのため美術作家(絵画・彫刻・アートプロジェクト)だけでなくキュレーター・人類学者・哲学者がスタッフとして関わる。フィールドワークやリサーチ、コンセプト制作等のプロセスを非常に重視しており、2年次の現代芸術演習においてはプロジェクトに関するリサーチと発表に関する講評を行い、3年次以後の演習は作品を主軸とするものとなる。専攻科目では「アートプロジェクト演習」等の講座も設置されており、プロジェクト型アートや協働制作の教育も行われている。 ビジュアルアーツ専攻ビジュアルアーツ専攻は美術系大学としては珍しい現代アートに特化した専攻である。 ビジュアルアーツ専攻の最大の特徴は、表現メディアを限定せず、さまざまなアートの分野を横断的に行うこととし、「彫刻」や「油画」「映像」表現形態によって分けられたカテゴリーに固着することなく、社会や社会問題に対するアート表現を行っている。ビジュアルアーツ専攻に所属する学生は、一つのメディアだけを選ぶのではなく、その時々の課題やテーマに合わせて最も適したメディアを都度選びアート表現を行う。 ものづくりデザイン専攻美短時代から引き継がれる工芸系の専攻である。従来どおりの工芸に加えて、プロダクトデザインによる教育も必須科目として行われており、伝統工芸のみならずプロダクトデザインの考えも同時に学べる。他の専攻が複数教員により授業を組まれているのに対し、ものづくりデザイン専攻においては三年次において各分野を担当する教員がそれぞれの分野の基礎教育(素材は2つ選ぶ)にあたり、4年次前期にグループ制作を行う。 コミュニケーションデザイン専攻
美術教育センター5つの専攻のほか、美術教育センターが設置されている。美術教育センターでは、美術史や美術教員・学芸員資格取得のための教育が行われている。 なお、美術教育センターは専攻ではないため、三年次以降の専攻所属の対象とはならない。 秋田公立美術大学では専攻へ所属する前に、どの専攻志望者に対しても全ての専攻の講義を受けることとなっている。 5・2・1制度1年次の現代芸術論(現代芸術のみを解説する授業ではない)においてはそれぞれの専攻の概要が講義され、2年次に専攻のプレ授業として行われる現代芸術演習により希望する2つないし3つ(2018年度より3専攻の選択が可能となった)の専攻を選択する。 専攻へ所属する前にも、基礎講座において、それぞれの専攻教員が指導する講義を受講する事が可能であるが、選考によっての履修義務は課されていない。 また、一部講座において別の専攻に所属する教員が講義を行うケースも有る。専攻科目はそれぞれの専攻に所属した学生のみが学ぶとされている。 免許・資格必要な単位の修得により、以下の教育職員免許状の授与を受けることができる。 大学関係者一覧→「秋田公立美術大学の人物一覧」を参照
社会との関わり
附属学校脚注注釈
出典
関連項目外部リンク |