西湘バイパス
西湘バイパス(せいしょうバイパス、英語: SEISHO BY-PASS[1])は、神奈川県中郡大磯町から小田原市を結ぶ自動車専用道路であり、一般国道1号のバイパスである。 高速道路ナンバリングによる路線番号は、新湘南バイパスの一部区間とともに「E84」が割り振られている[2]。 西湘二宮ICから箱根口ICおよび石橋ICまでの区間は中日本高速道路管理の一般有料道路である。途中の早川JCTで分岐し、神奈川県小田原市石橋に至る石橋支線がある。 概要大磯東IC - 西湘二宮IC間は無料区間となっている。西湘二宮ICから有料区間となり、早川分岐を経て、箱根ターンパイク分岐、小田原厚木道路分岐を過ぎ、小田原市風祭の箱根口ICで国道1号現道に接続する。箱根口ICで国道1号バイパス小田原箱根道路に接続し、箱根新道に連絡している。早川分岐から石橋支線に進行すると、小田原ブルーウェイブリッジを経て石橋ICで国道135号に接続する。 国道1号現道南側の海岸沿いを通っており、二輪・四輪を問わず、眺望の良好なドライブコースとして人気が高い一方で、強風・高波等の荒天時にはしばしば通行止となることもある。 自動車専用道路のため、排気量125 cc以下の自動二輪車(原付一種および原付二種)は通行禁止となっている。 なお、西湘バイパスの有料区間は、2010年6月28日[3]から2011年6月19日まで無料化社会実験が行われていた。 路線データ本線 石橋支線
有料区間
インターチェンジなど本線
石橋支線
歴史年表
平成19年台風第9号による被害2007年(平成19年)9月6日 - 7日の台風9号の影響により、大磯西IC - 橘ICの下り線脇3箇所において擁壁崩落や路面陥没などの被害が発生した。このため、下り線の大磯西IC - 国府津ICと上り線の橘IC - 大磯西ICが通行止となった。 この通行止の影響で周辺道路が激しく渋滞するなどしたため、9月10日には上記被害の迂回路処置として小田原厚木道路全線の一時無料開放(応急復旧完了までの間)が決定され、即日実施された。9月27日には上り線を対面通行とする形で暫定的に応急復旧措置が完了し、通行可能となった(ただし、西湘二宮ICの小田原方面入口は引き続き閉鎖)。2008年(平成20年)4月25日に橘IC - 大磯西ICが4車線で開通し、対面通行が解除された。同時に西湘二宮ICでの小田原方面入口も通行可能となった[19][13]。 なお本被害は、相模湾に砂を供給してきた相模川や酒匂川上流に多目的ダム群[20]を建設したことによる海岸線の後退が原因とする見方がある[21]。 平成29年台風第21号による被害2017年(平成29年)10月23日未明に上陸した台風21号の影響により、大磯西IC付近の下り線において大磯ロングビーチ前の300 mに亘り、コンクリート製擁壁やガードレールなどの倒壊が発生。このため、大磯東IC - 西湘二宮ICの上下線が通行止となった[14]。 その後、10月25日に被害発生場所付近の上り線1.3 kmを対面通行とする形で応急復旧措置が完了し、通行可能となっている[22]。2022年(令和4年)7月2日には大磯西IC - 西湘二宮ICの車線規制が解除され、上下4車線での通行が可能となった[17]。 令和元年東日本台風(令和元年台風第19号)による被害→詳細は「西湘パーキングエリア」を参照
2019年(令和元年)10月12日に日本に上陸した令和元年東日本台風(令和元年台風第19号)の影響により、有料道路区間内の西湘PA(下り線)では、商業施設等が破壊される被害が発生した。 その後、盛土や護岸の強化、施設レイアウトの変更といった災害本復旧工事が進められ[16]、2023年(令和5年)4月29日に閉鎖が解除された[18]。 路線状況下り線の早川分岐では、進行方向の右前方にある箱根方面が本線として2車線のまま左へ分岐し、左前方へ石橋方面が本線から右へ分流し片側1車線となる。石橋IC出口より真鶴道路までの国道135号はバイパスがないため、早川ICから石橋IC出口付近は国道に合流する車で時間帯によって渋滞がみられる。 神奈川県県西地域県政総合センターでは、真鶴道路と並行した小田原湯河原広域農道の整備を実施しており、石橋 - 根府川(ヒルトン小田原リゾート&スパ)間は2022年(令和4年)度末に工事が完了する予定である[23]。建設から20年以上が経ち、一部開通部分は交通量が少なく不法投棄も発生しており、全面開通・工事前倒しが期待される[24]。 また、石橋ICから真鶴道路(小田原市根府川)接続部までの延伸が計画されており(2017 - 2025年までの予定)、今後の整備推進が期待されている[25][26]。 一方、上りの大磯東ICでは車線が2車線から1車線に減少する上、そのすぐ東に国道134号(現道)が分岐する唐ヶ原交差点があるため、慢性的な渋滞が発生、週末や行楽シーズンには1 km通過するのに約30分以上かかることもあった。将来的には新湘南バイパスを延伸して大磯東ICと茅ヶ崎海岸IC間が接続し、2階建て構造で上下8車線化する予定だが、新湘南大橋に隣接するゴルフ場の移設工事(交渉)が難航しており、8車線化のための橋脚は出来上がっているが、道路工事本体の着工には至っていない。暫定的な対策として、花水川橋から、すでに4車線化が完成している国道134号線の新湘南大橋までの区間を4車線に拡幅する事業が2015年2月28日に完成し、3月1日より供用が始まった。これにより国道134号線・片瀬江ノ島駅前から花水川橋までの区間が4車線化したことで、慢性化していた渋滞は解消された。 将来的な構想として、伊豆半島方面に延伸させて伊豆縦貫自動車道と結ぶ「伊豆湘南道路」構想がある[27]。 車線・最高速度・料金
橘料金所付近は30 km/h、石橋料金所付近は40 km/h。 交通量本線24時間交通量(台) 道路交通センサス
(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
石橋支線24時間交通量(台) 道路交通センサス
(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
主な橋
西湘バイパス石橋IC - 真鶴道路間のバイパス整備→詳細は「国道135号 § 西湘バイパス石橋IC - 真鶴道路間のバイパス整備」を参照
西湘バイパス石橋ICから真鶴道路までの区間は、バイパス道路が整備されておらず、休日に激しい渋滞が生じる。このため当該区間のバイパス工事が進行中である。 国道134号の拡幅→詳細は「新湘南バイパス § 未開通区間の状況について」を参照
前述のように、大磯東ICでは将来的に新湘南バイパスと接続する予定であるが、着工にすら至っていない。現在接続している国道134号は、同IC付近から平塚市高浜台交差点にかけて渋滞が慢性化し、ボトルネックとなっていたため、当区間の4車線化工事が東側から行われ、平成27年3月に工事が完了した。 所管警察自動車専用道路であるが、高速道路交通警察隊の管轄とはなっていない[29]。 通行料金1995年以降は、以下の各料金所の通過毎に通行料金を支払う。
料金所施設を集約しているため、このような徴収方法になっている。 各料金所ともETCに対応している。当初、ETC割引制度は導入されなかったが、2009年3月28日から深夜割引、通勤割引が適用できるようになった[30]。 通行料金は以下の通り[31]。
通行区間によっては最高で2回料金徴収があり、下記の通り利用距離は大差がないのに料金格差が激しい区間がある。
地理通過する自治体脚注注釈出典
関連項目外部リンク |