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この項目では、短編集について説明しています。表題作については「象の消滅」をご覧ください。 |
『象の消滅 短篇選集 1980-1991』(ぞうのしょうめつたんぺんせんしゅう 1980-1991)は、村上春樹の短編小説集。
概要
2005年3月30日、新潮社より刊行された。本書は米国のクノップフ社から1993年3月に発行された村上の短編集『The Elephant Vanishes』の日本語版である。クノップフ社の同短編集の装丁はチップ・キッド[1]。
作品の収録順序は英語版をそのまま踏襲している。原則として、『村上春樹全作品 1979〜1989』(講談社)および『村上春樹全作品 1990〜2000』(同社)を底本としている。
冒頭に、英語版の編集を担当したゲイリー・L・フィスケットジョンの「刊行に寄せて」(新元良一訳)と、村上の「アメリカで『象の消滅』が出版された頃」の2つの文章が掲載されている。
刊行日の前日の3月29日、新潮社は本書専用のウェブサイトを立ち上げたが、同時に村上の新刊等を紹介するサイト『村上モトクラシ』も開設した。後者は安西水丸が絵を担当し、当時ボストンに住んでいた村上からのメッセージが4通掲載された(未刊行)。
収録作品
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タイトル |
初出 |
英訳
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1 |
ねじまき鳥と火曜日の女たち |
『新潮』1986年1月号 |
The Wind-Up Bird and Tuesday's Women (The New Yorker. November 26, 1990)
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2 |
パン屋再襲撃 |
『マリ・クレール』1985年8月号 |
The Second Bakery Attack (Playboy. January, 1992)
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3 |
カンガルー通信 |
『新潮』1981年10月号 |
The Kangaroo Communiqué (ZYZZYVA. Spring 1988)
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4 |
四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子 に出会うことについて |
『トレフル』1981年7月号 |
On Seeing the 100% Perfect Girl One Beautiful April Morning
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5 |
眠り |
『文學界』1989年11月号 |
Sleep (The New Yorker. March 30, 1992)
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6 |
ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起 ・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界 |
『月刊カドカワ』1986年1月号 |
The Fall of the Roman Empire, The 1881 Indian Uprising, Hitler's Invasion of Poland, And The Realm of Raging Winds (The Magazine. March, 1988)
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7 |
レーダーホーゼン |
『回転木馬のデッド・ヒート』 (講談社、1985年10月) |
Lederhosen (Granta. February, 1992)
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8 |
納屋を焼く |
『新潮』1983年1月号 |
Barn Burning
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9 |
緑色の獣 |
『村上春樹ブック』 (「文學界」臨時増刊1991年4月号) |
The Little Green Monster
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10 |
ファミリー・アフェア |
『LEE』1985年11/12月号 |
A Family Affair
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11 |
窓 |
『トレフル』1982年5月号 |
A Window
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12 |
TVピープル |
『par AVION』1989年6月号 |
TV People (The New Yorker. September 10, 1990)
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13 |
中国行きのスロウ・ボート |
『海』1980年4月号 |
A Slow Boat to China (The Threepenny Review. March 1, 1993)
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14 |
踊る小人 |
『新潮』1984年1月号 |
The Dancing Dwarf
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15 |
午後の最後の芝生 |
『宝島』1982年9月号 |
The Last Lawn of the Afternoon
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16 |
沈黙 |
『村上春樹全作品 1979〜1989』第5巻 (講談社、1991年1月) |
The Silence
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17 |
象の消滅 |
『文學界』1985年8月号 |
The Elephant Vanishes (The New Yorker. November 18, 1991)
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2. 「パン屋再襲撃」はのちに「再びパン屋を襲う」というタイトルで加筆修正され、2013年2月刊行の『
パン屋を襲う』(新潮社)に収録された。
4. 「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」は、最初の単行本(『
カンガルー日和』)収録時のタイトルは、漢数字の「四月」ではなく算用数字の「4月」だった。
5. 「眠り」はのちに改稿され、2010年11月、新潮社より『
ねむり』のタイトルで単独で出版された。
7. 「レーダーホーゼン」は、
アルフレッド・バーンバウムが雑誌の意向を受けて短く訳したものを村上がさらに日本語に訳した「逆輸入ヴァージョン」である
[3]。「レーダーホーゼン」の日本語「重訳」版およびバーンバウムが訳した英語版は後に、CDブック『
村上春樹ハイブ・リット』(2008年11月、
アルク)に収録された。
8. 「納屋を焼く」の英訳版は2種類存在する。短編集『The Elephant Vanishes』に収められた「Barn Burning」はアルフレッド・バーンバウムが翻訳したものだが、
フィリップ・ガブリエルも翻訳している。ガブリエル版は『The New Yorker』1992年11月2日号に掲載された。
11. 「窓」の雑誌掲載時のタイトルは「バート・バカラックはお好き?」。『村上春樹全作品 1979~1989』第5巻に収録される際、大幅に加筆修正がなされ、タイトルも「窓」に改められた。
翻訳
脚注
関連項目