2016年アブダビグランプリ (2016 Abu Dhabi Grand Prix) は、2016年のF1世界選手権最終戦として、2016年11月27日にヤス・マリーナ・サーキットで開催された。
レース前
- ニコ・ロズベルグは開催前の時点で、ルイス・ハミルトンに12ポイント差でリードしている。ロズベルグが3位以上でフィニッシュすれば、ハミルトンの順位に関係なく初のドライバーズチャンピオンを獲得する。ロズベルグが4位以下の場合、ハミルトンは以下の条件で逆転チャンピオンとなる[1]。
- ロズベルグが4-6位の場合、ハミルトンは優勝すれば逆転チャンピオン
- ロズベルグが7-8位の場合、ハミルトンは2位以上でフィニッシュすれば逆転チャンピオン
- ロズベルグが9位以下またはリタイアの場合、ハミルトンは3位以上でフィニッシュすれば逆転チャンピオン
- 2017年は開発ドライバー兼アンバサダーに退くジェンソン・バトンは、FIAの記者会見でF1引退を表明した[2][3][4]。バトンはこのレース限定でドライバーズチャンピオンを獲得した2009年(ブラウンGP)当時のイエローヘルメットを着用する[5]。
- このレースでピレリが用意したドライタイヤのコンパウンドはウルトラソフト、スーパーソフト、ソフトの3種類[6]。
- 1980年からマクラーレンのチーム運営に関わっていたロン・デニスが11月15日に行われた株主総会を受け、マクラーレン・テクノロジー・グループの会長兼CEOを辞任した[7]。後任のCEOが決まるまでの運営は多数株主から成る執行委員会が暫定的に引き継ぐ[8]。同月21日、ザック・ブラウンがエグゼクティブディレクターの職に就くことに同意し、翌月正式に就任すると発表した[9]。
- 2017年シーズンに関する動向
フリー走行
マノー(MRT)は、開発ドライバーのジョーダン・キングを金曜午前のFP1で走らせた。アメリカGPに続き2回目[12][13]。
トップタイムはFP1とFP2がルイス・ハミルトン、FP3はセバスチャン・ベッテルが記録した。
予選
2016年11月26日(土曜日)17:00(現地時間)
経過
Q1からQ3までの全セッションでトップタイムを出したルイス・ハミルトンが4戦連続(シーズン12回目)のポールポジションを獲得した。ドライバーズチャンピオンに王手をかけているニコ・ロズベルグは2位で決勝を迎えることになった。
結果
決勝
2016年11月27日(日曜日)17:00(現地時間)
経過
ルイス・ハミルトンが4連勝で2016年シーズンを締めくくったが、ドライバーズランキング首位のニコ・ロズベルグが2位となったため、ロズベルグが初のドライバーズチャンピオンを獲得。父のケケ・ロズベルグも1982年のドライバーズチャンピオンを獲得しており、親子2代でチャンピオンとなった(グラハム・ヒルとデイモン・ヒル以来2組目)。3位にセバスチャン・ベッテル、4位にマックス・フェルスタッペンが僅差で続いた。
ハミルトンは逆転チャンピオンを獲得するため意図的にスローペースで走り、チームメイトのロズベルグを後続勢とのバトルに巻き込ませようとした。その作戦によって、レース終盤にロズベルグとベッテル(さらに後方にはフェルスタッペン)とのバトルが繰り広げられハラハラさせる展開を生んだが、ロズベルグは2位を死守した。
結果
- ファステストラップ[19]
- ラップリーダー[20]
- 追記
ランキング
- ドライバーズ・チャンピオンシップ
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- コンストラクターズ・チャンピオンシップ
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- 注:ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。
レース後
ドライバーズチャンピオンを獲得したニコ・ロズベルグが、アブダビGP終了から5日後の12月2日に突然F1引退を発表し、関係者やファンを大きく驚かせた[22]。チャンピオンを獲得したドライバーがその年に引退するのは1993年のアラン・プロスト以来のことである。
ルイス・ハミルトンが決勝で意図的なペースダウンをしてワン・ツー・フィニッシュを危険に晒したことがチームからの命令違反に当たるとされ、何らかの処分が下される可能性もあったが[23][24]、ロズベルグの引退により処分は見送られた[25]。トト・ヴォルフはハミルトンにペースアップの指示を出したのは誤りだったと認め、ハミルトンは後日、個人的にヴォルフの自宅を訪れ和解した[26]。
脚注