デイヴィッド・スティーヴン・ミラー (David Stephen Miller 、1974年 11月26日 生まれ)は、Linuxカーネル 開発に携わる、アメリカ合衆国 のソフトウェア開発者 である。彼は、ネットワーク コード[ 1] とSPARC アーキテクチャ への移植 [ 2] に関する主要なメンテナの一人であり、その他の開発にも関わっている。彼は、GNUコンパイラコレクション (GNU Compiler Collection; GCC)の運営委員会 (steering committee 、ステアリング・コミッティー)の委員でもある[ 3] 。
業績・業務
2010年 の時点で、カーネル開発者の中で、ミラーはコード の変更の数では上から10番以内に位置し[ 4] 、コードのコミット 数では2005年 までで2987を数える[ 5] 。
彼は、以前、ラッガーズ大学 の高度情報処理センター (Center for Advanced Information Processing )[ 6] 、Cobalt Microserver (英語版 ) 社[ 7] で勤務していた。1999年 からレッドハット に勤めている[ 8] [ 9] 。
SPARCへの移植
ミラーは1996年 、ミゲル・デ・イカザ (Miguel de Icaza)と共に、Linuxカーネルをサン・マイクロシステムズ ・SPARC へ移植 した[ 6] 。彼はUltraSPARC T1 を含む64ビット UltraSPARC マシンへのLinuxの移植も2006年 初頭に完了した[ 10] 。のちに、T2とT2+ に対しても移植を完了している。 2010年 、ミラーは引き続き、32ビット ・64ビット双方のSPARC移植版を管理している[ 2] 。
2008年 4月 、ミラーは、Google がゼロから書き上げたGNUリンカ の再実装、gold (英語版 ) をSPARCへ移植することに貢献した[ 11] [ 12] 。
Linuxのネットワーク
ミラーはLinux TCP/IP スタック におけるメンテナの一人である[ 1] 。彼は、高負荷環境におけるネットワーク・パフォーマンス の改善において、重要な役割を果たしている[ 13] 。また、彼はLinuxカーネルに含まれる多数のNIC ドライバ の作成ならびに改善に対する貢献を行っている[ 14] [ 15] 。
講演
彼は、2000年 のOttawa Linux Symposium の基調講演[ 16] 、更に、2006年 1月 のダニーデン で開催されたlinux.conf.au での基調講演[ 17] を行っている。
彼は、2009年 7月 のNew York Linux Users Group(ニューヨーク Linuxユーザー・グループ)での会合で、"Multiqueue Networking Developments in the Linux Kernel "(「Linuxカーネルにおける、マルチ・キュー ・ネットワーキング[ 18] の開発」)という講演を行った[ 19] 。
脚注
^ a b
“List of maintainers of the Linux kernel, section Networking, version 2.6.32 ”. Linux kernel . lxr.linux.no -- the Linux Cross Reference (2010年4月2日). 2011年7月16日時点のオリジナル よりアーカイブ。2010年4月19日 閲覧。
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“List of maintainers of the Linux kernel, section SPARC, version 2.6.32 ”. Linux kernel . lxr.linux.no -- the Linux Cross Reference (2010年4月2日). 2011年7月16日時点のオリジナル よりアーカイブ。2010年4月19日 閲覧。
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“GCC steering committee ”. The GCC team / Free Software Foundation (2009年4月27日). 2010年4月18日 閲覧。
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Greg Kroah-Hartman , Jonathan Corbet, Amanda McPherson (2010年12月). “Linux Kernel Development ”. The Linux Foundation . 2010年12月3日 閲覧。
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“Ohloh Page for user 'davem' kernel 2.6 contributions ”. Ohloh , a free public directory of open source software and people . Ohloh / Geeknet , Inc.. 2010年4月18日 閲覧。
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David S. Miller, Rutgers CAIP, and Miguel de Icaza , Instituto de Ciencias Nucleares, Universidad Nacional Autonoma de Mexico (1997年). “The SPARC Port of Linux ”. Usenix Proceedings . USENIX Association. 2010年4月18日 閲覧。
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“1998 Atlanta Linux Showcase Speakers ”. The Atlanta Linux Showcase (1998年10月24日). 2007年5月25日時点のオリジナル よりアーカイブ。2011年2月20日 閲覧。 “David S. Miller is an engineer at Cobalt Networks, he's been a member of the Linux kernel developer team for nearly 5 years now, and has ported it to various Sparc and MIPS platforms. He is also the current primary maintainer of the IP networking layer in the kernel and an active contributor to the EGCS compiler project.”
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“Excerpt from a Red Hat (RHAT) SEC S-1 filing ” (1999年6月9日). 2008年7月8日時点のオリジナル よりアーカイブ。2010年4月19日 閲覧。
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Interview with David Miller of Red Hat . 8th Annual Linux Kernel Summit . The Linux Foundation . 14 September 2008. 2010年4月19日閲覧 。
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“First Niagara/Linux SMP boot... ”. David Miller's Blog (2006年2月17日). 2010年6月11日時点のオリジナル よりアーカイブ。2010年4月18日 閲覧。
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David S. Miller (11 April 2008). "[RFC PATCH]: Sparc gold support" . binutils at sourceware.org (Mailing list). binutils project. 2010年4月19日閲覧 。
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“revision history of the sparc source file ”. The gold (英語版 ) CVS repository (2008年4月15日から2010年3月10日まで). 2010年4月19日 閲覧。
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David S. Miller (3 March 1997). "Socket hashing patches, 5th and final installment" . Linux kernel mailing list (英語版 ) (Mailing list). lkml.org. 2010年4月19日閲覧 。
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“Source file for the sunhme kernel module ”. Linux Kernel . 2010年4月19日 閲覧。
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“Source file for the tg3 kernel module ”. Linux Kernel . 2010年4月19日 閲覧。
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“Linux Weekly News 2000 OLS report ”. Linux Weekly News (英語版 ) (2002年). 2010年4月19日 閲覧。
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“Linux.conf.au 2006 programme ”. linux.conf.au (2006年). 2008年10月30日 閲覧。
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“Multiqueue networking ”. LWN.net (英語版 ) (2008年7月8日). 2011年2月20日 閲覧。
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“NYLUG - July 2009 Meeting ”. New York Linux Users Group (英語版 ) (2009年6月15日). 2009年8月28日時点のオリジナル よりアーカイブ。2009年8月1日 閲覧。
外部リンク