神戸淡路鳴門自動車道
神戸淡路鳴門自動車道(こうべあわじなるとじどうしゃどう、英語: KOBE-AWAJI-NARUTO EXPWY[1])は、本州四国連絡道路 神戸・鳴門ルートであり、兵庫県神戸市の山陽自動車道 神戸西インターチェンジ (IC) を起点とし、徳島県鳴門市の高松自動車道 鳴門ICに至る、延長89.0キロメートル (km) の高規格幹線道路(国道28号の自動車専用道路)である。略称は神戸淡路鳴門道(こうべあわじなるとどう)、神淡鳴道(しんたんめいどう)。 高速道路ナンバリングによる路線番号は、「E28」が割り振られている[2]。 本州の神戸市から、明石海峡を渡り淡路島を縦断、さらに鳴門海峡を渡り四国の鳴門市に至る、本州四国連絡道路の3ルートのうちの1つ。 概要神戸西IC - 垂水ジャンクション (JCT) 間は建設省(国土交通省)の阪神国道工事事務所直轄事業として開通した。正式には西神自動車道である。 神戸淡路鳴門自動車道の道路名は1998年(平成10年)の明石海峡大橋開通以降につけられた。沿道自治体間での意見の対立から命名作業が難航したため、現在の長い道路名に至った。それまでは特に道路名はなく、道路標識では本四道路(英語: HONSHI ROAD)、地図では本州四国連絡道路、淡路縦貫道、本州四国連絡橋公団(本州四国連絡高速道路会社)の案内パンフレットでは大鳴門橋関連道路(後に神戸・鳴門ルート)と表記されていた。また、川之江東JCTの案内標識(川之江JCTから徳島自動車道方面)には、2007年(平成19年)まで「神淡鳴道」(英語: SHINTANMEI EXPWY)という表示があった。この略称を使用していたのは川之江東JCTのみであった。現在は「神戸」に書き改められ、加えて案内標識右側に「神戸淡路鳴門道」と縦書きの補助標識が新設されている。 当該道路は、太平洋新国土軸構想と関西4環状ネットワークの要となっている。大阪湾環状道路として、大阪湾岸道路、紀淡連絡道路とともに、一周約200 kmの環状道路を形成する。関西中央環状道路として、近畿自動車道、中国自動車道、山陽自動車道、紀淡連絡道路とともに、物流拠点を連携する、一周約240 kmの環状道路を形成する。関西大環状道路として、京奈和自動車道、新名神高速道路、山陽自動車道、紀淡連絡道路とともに、連携・交流を強化する、一周約300 kmの環状道路を形成する。
建設費は約1兆3500億円で、明石海峡大橋が大工事になったこと、淡路島に高速道路を通す必要があったことから非常に高額である。瀬戸中央自動車道の10橋と西瀬戸自動車道(しまなみ海道)の11橋、その島内道路、さらにしまなみ海道の弟分の安芸灘諸島連絡架橋(とびしま海道)の7橋を加えた合計建設費が約1兆3800億円であるから、非常に大規模な事業となったことがわかる。 淡路島南ICと鳴門北IC間の大鳴門橋を走る7.1 km区間は、1987年(昭和62年)8月10日の道の日に、旧建設省と「道の日」実行委員会により制定された「日本の道100選」に選定されている[3]。 インターチェンジなど
歴史淡路島と本州および四国の海峡に橋を架ける構想は第二次世界大戦前から存在し、1914年(大正3年)に地元出身の政治家によって衆議院に架橋建設議案が提出されたこともあったが、当時の日本の架橋技術は未熟であったため、到底実現できるものではなかった[4]。 戦後になって、日本の高度経済成長の基盤ともなった国土総合開発の気運の高まりと地元の強力な要請に加え、架橋技術の進歩によって、このルートが具現化された[4]。当時の最先端の架橋技術が駆使され、1985年(昭和60年)に海上交通の難所であった鳴門海峡に大鳴門橋が開通。さらに13年後の1998年(平成10年)に世界最大の吊橋でもある明石海峡大橋が開通し、それまでに3時間以上かかった神戸 - 徳島間の交通所要時間が約半分の約1時間40分に短縮された[3]。本州と四国が淡路島経由で一本の道路で初めて結ばれたことにより、人々の移動や物資輸送はもとより、文化交流や観光、生活にも大きな役割を果たした[3]。 年表
路線状況車線・最高速度
最高速度の100 km/hは高速自動車国道での法定最高速度に準ずる(車種により最高速度が80 km/hとなる)。異常気象時(大雨や強風など)や道路工事等の場合には最高速度が規制される(淡路島南IC/PA - 鳴門北ICでは最高速度が40 km/hとなる。それ以外の区間では状況により最高速度が50 - 80 km/hとなる)。 神戸淡路鳴門自動車道は自動車専用道路である(高速自動車国道ではない)が、高速自動車国道に準じて最低速度を規制している区間がある。最低速度規制のある区間では小型特殊自動車や故障車を牽引している自動車など、50 km/h以上の速度を出せない自動車は通行できない。 また極端に風速が高い場合や積雪の場合は、バイクのみを通行止め(自動車は速度やチェーン着装などの規制の上で通行可能)となる場合もある。 1990年頃(本州四国連絡道路時代)の車線・最高速度
道路施設サービスエリア・パーキングエリア主なトンネルと橋海峡部の橋梁として明石海峡大橋、大鳴門橋、撫養橋の3つの橋を有する。大鳴門橋は鉄道道路併用橋として建設されており、下部に新幹線用の空間が存在し、紀淡海峡を渡る四国新幹線のルートとして位置づけられている。しかし着工の目処が立たないため、鳴門側の新幹線用空間を、鳴門の渦潮を観察出来る遊歩道「徳島県立渦の道」として利用している。
道路管理者神戸淡路鳴門自動車道の全線を本州四国連絡高速道路株式会社(JB本四高速)が管理している。 ハイウェイラジオ
放送最後に「本四路側○○(局名)よりお送りしました」と読み上げられる。 交通量24時間交通量(台) 道路交通センサス
(出典:「道路に関するデータ 道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)平成11年度調査結果」(兵庫県ホームページ)・「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」「令和3年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成) 本州四国連絡道路3ルートの中で当路線は最も交通量が多く、四国よりも特に本州から淡路島への流入が多い。昼間12時間における平均旅行速度は全線を通して速く、最高速度を超えている区間が多い。 地理神戸から明石海峡を明石海峡大橋で渡り、淡路島を縦貫する。淡路島を抜けると視界は開け、鳴門海峡を大鳴門橋で渡る。自動車専用道路のため路上駐車は不可であるが、鳴門海峡付近には、徳島県立渦の道をはじめとする展望台もあり、ここから鳴門の渦潮を観望することができる[3]。鳴門北ICを下りた沿道に、大塚国際美術館、大鳴門橋架橋記念館エディ、鳴門市ドイツ館など観光施設が多く集まる[3]。 通過する自治体接続する高速道路
関連項目脚注注釈出典
参考文献
外部リンク |