国営みちのく杜の湖畔公園(こくえいみちのくもりのこはんこうえん)は、宮城県柴田郡川崎町の釜房ダム湖畔にある、東北地方唯一の国営公園。正式略称は「みちのく公園」であるが、地元では「湖畔公園」等と略される場合もある。
概要
全国初めてのダム周辺環境事業として建設省(現・国土交通省)が着手した釜房湖畔公園は、1980年(昭和55年)に完成。広大な河川敷地に、球技広場や水の広場などの各種施設が整備された。翌年、釜房湖畔公園の趣旨を受け継いで事業着手されたのが、東北初の国営公園「国営みちのく杜の湖畔公園」である。南東北の主要都市、仙台市・山形市・福島市を20~50km圏内におく宮城県柴田郡川崎町に位置する。平成元年8月4日に「文化と水のゾーン」の一部、約62haを開園した。
奥羽山脈から出て太平洋・仙台湾に向けて東流する名取川水系碁石川の支流は、川崎盆地(川崎町の可住地の中心)の東部で陸前丘陵に阻まれ、北山と釜房山に挟まれた渓谷を碁石川となって流れ出る。この川崎盆地の全ての河川を集める碁石川を渓谷で堰き止めて造られた釜房ダムは、同盆地の東部一帯にダム湖である釜房湖を形成している。釜房湖には碁石川(太郎川)、北川、前川が流入しており、湖はこれらの3河川の上流方向(西方)に指状に湖面を広げている。みちのく公園は、これら西方に3指状に広がる湖面の間に入り込む2つの陸地の湖畔に整備された。
宮城県仙台市と山形県山形市の両県庁所在地を結ぶ国道286号沿いにあり、山形自動車道・宮城川崎ICも近い。
なお、当園の略称の「みちのく公園」は一般公募による命名であり、中学生時代に鈴木順子が応募した案が採用された[3]。
施設
開発は南地区、北地区、里山地区の順で行われた。
南地区
初期に開発・公開された地区。地区名を付けずに「国営みちのく杜の湖畔公園」を言う場合は現在の南地区を指すことが多い。「文化と水のゾーン」となっている。
- 入口、入場ゲートを含む。
- 水のひろばの北
- 湖畔のひろば
- わらすこひろば
- 憩いの森
- いも煮会ひろば
- 旧ゲームのひろば。
- 東北の各県を代表する古い民家を移築復元、「ふるさと」の風景を創し出している。
- 毎週末・祝日には、語り手による民話語りやそば打ち体験、こんにゃく作り体験などが行われている。
北地区
「健康と緑のゾーン」
- 8haの広大な草原が特徴。
里山地区
「森と環境のゾーン」
- 過去に小野分校があった場所へ建てられている。
その他
南地区より国道286号、釜房湖寄りに存在する「みちのく公園休憩所」は有料施設の外、国道286号沿いにある施設で、国道286号から自由に入る事ができる。
また、「みちのく公園休憩所」周辺には無料で駐車できる駐車場が存在する。
マスコット
開園当初からの公式マスコット。パンフレットやホームページで採用されている他、着ぐるみも存在する。
カモシカがベースとなっている。カモシカは所在地である 川崎町 で「町の獣」として指定されている。
主なイベント
主催イベント
特に記載がないものは南地区で開催されている。
- 花のフェスティバル - 4月 - 5月
- 樹々のアート展 - 4月 - 5月
- みちのくグリーンサム物語 - 5月 - 6月
- ポピーまつり - 5月 - 6月
- ふるさと村の夏まつり - 7月
- ふるさと村の秋まつり - 9月
- コスモスまつり - 9月 - 10月
- 新春ふるさとまつり - 1月
- かまくらまつり - 2月
- クリスマスローズまつり - 3月
- 熱気球体験搭乗会 - 随時
- 当初は南地区「湖畔の広場」で開催されていたが、北地区「風の草原」が公開されてからは「風の草原」で行われるようになった。「国営みちのく杜の湖畔公園」独自デザインによる熱気球が存在する。
音楽イベント
開園当初は南地区で大規模な音楽イベントが開催されていたが、一般の公園利用ができなくなる事もあり、大規模なイベント開催がしばらく行われなくなっていた。北地区の「エコキャンプみちのく」および「風の草原」が公開されてからは北地区を中心に音楽イベントで利用されるようになっている。
- 浜田省吾 ON THE ROAD '91 - 1991年8月10日
- みちのく杜の湖畔公園で初めて開催された野外ライブ。25,000人を動員した。
- ARABAKI ROCK FEST. - 2006年より 毎年4月〜5月頃 ※2011年は東日本大震災の影響で、8月27・28日に延期
- 従来は仙台港を中心に行われていたが、2006年(平成18年)よりエコキャンプみちのくを拠点として毎年春に開催されている。
- 東北でも最大規模の音楽イベントとなりつつある。
- 2009年(平成21年)には風の草原も用いて北地区全体をイベント会場として用いる形になっている。
- エコキャンプみちのく開催からステージ名として「MICHINOKU」(みちのく)が使われるようになった。
- a - 2009年8月
- 従来はZepp Sendaiで行われていた屋内の音楽イベントが10回目の記念と共に風の草原を用いて開催された。
You
- Mr.Children STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field- - 2011年9月24日〜25日
- 同ツアーの追加・最終公演として、風の草原で行われた。
- 同年の上半期に行われたアリーナツアーが、震災の影響で東北地方での公演が中止となり、
- 被災地でツアーを行うことで元気になってほしいという思いによって開催された。
- 同ツアーのBD/DVDで、エンドロールの後に当会場での公演の模様が収録されている。
- ap bank fes'12 Fund for Japan - 2012年8月18日〜19日
- 桜井和寿、小林武史を中心として行われている野外フェス。
- 2005年より静岡県掛川市のつま恋で開催されているが、震災復興支援を目的として、同会場でも初めて開催された。
- AIR JAM 2012 - 2012年9月15日~16日
- Hi-STANDARDを中心として行われているロックフェスティバル。
- 震災後、Hi-STANDARDが悲願していた東北でのAIR JAM開催が実現した。
- Reborn-Art Festival 2017 × ap bank fes - 2017年7月28日-30日
その他
- レイクフェスタ in 釜房 - 2008年まで 毎年7月
- 「森と湖に親しむ旬間」(7月下旬)にあわせて、国土交通省東北地方整備局 釜房ダム管理所 によって南地区で毎年開催されていた。
- 2009年(平成21年)以降は開催されていない。
- ヨドバシカメラが撮影会の開催場所として用いている。
アクセス
付近には電車が通っていないため、バスやタクシー等を用いる必要がある。
バス
- 宮城交通 仙台駅-川崎・野上かみ 「みちのく杜の湖畔公園入口」下車後徒歩。
- 一部は「みちのく杜の湖畔公園前」経由。南地区の南ゲート近くにバス停がある。
- 仙台駅からは西口バスプール8番より。秋保線の一路線
- 仙台駅より約60分
- タケヤ交通 仙台西部ライナー かわさきまち-仙台駅前。各地区へアクセスできるバス停が存在する。
- 「エコキャンプ入口前」は国道286号沿い、北地区入口近くにバス停がある。2018年5月1日新設。
- 「みちのく公園」は南地区の南ゲート近くにバス停がある。南地区内にあるバス停のため営業時間以外や閉園時は通過。
- 「みちのく公園口」は南地区入口付近にバス停がある。閉園時でも停車。[4]
- 「里山地区入口」は里山地区に近いみちのく公園休憩所の駐車場にバス停がある。閉園時でも停車。
- 秋保温泉・里センター経由。一部は仙台市天文館および釜房ダム管理所にも停車。
- 仙台駅からは青葉通りのあおば通駅近くにある63番バス停から。
- 仙台駅前より66〜70分
車
各地区にそれぞれ駐車場が存在する。
入場料金・時間等
各地区は離れているが共通料金扱いとなっており、入場時の半券・駐車券を見せる事で別の地区にも無料で入場可能。北地区 エコキャンプみちのく は北地区内にあるが、別料金となっている。
- 大人 400円 団体 280円
- 子供 80円 団体 50円 - 小学生・中学生
- 年間パスポート 大人 4000円 子供 800円 - 発行より1年間有効
- ※団体は大人子供合わせて20人以上。
- ※6歳未満は無料。
- ※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を提示した場合は無料
- 大型車 1020円 普通車 310円 二輪車 100円
- 年間パスポート利用者は 普通車 250円 二輪車 80円
- 3月1日 - 6月30日、9月1日 - 10月31日 午前9時30分 - 午後5時
- 11月1日 - 2月末 午前9時30分 - 午後4時
- 7月1日 - 8月31日 午前9時30分 - 午後6時
- 毎週火曜日。ただし火曜日が祝日の場合は水曜日が休園日
- 12月31日、1月1日
- ※以下の期間は休園日がなく毎日開園
- 4月11日 - 5月31日
- 7月20日 - 8月31日
- 9月12日 - 10月31日
冬期は休園している感覚があるが、実際には冬期でも開園されている。ただし、北地区のエコキャンプみちのくは12月1日 - 翌年3月31日休業している。また、イベントにより北地区は一般利用としては休園となる事がある。
沿革
周辺
その他、ゴルフ場がいくつかある。
脚注
関連項目
外部リンク