神の矢(柏書房『由利・三津木探偵小説集成4 蝶々殺人事件』 ISBN 978-4-7601-5054-0 に収録)状況設定が『毒の矢』に踏襲されている。『毒の矢』のメイントリックおよび関連するストーリー展開は上述の捕物帳『当たり矢』を踏襲しているが、未完作品である『神の矢』の既公表部分にその原型にあたる内容は無い。また、『毒の矢』に踏襲されている状況設定は『当たり矢』を経由したものではない。
本の雑誌編集部編『活字探偵団』(角川文庫)によれば、金田一耕助は事件に乗り出してから次の犠牲者が出るのを防ぐ「防御率」の一番低い探偵ということになっている。ただし、ここでの「防御率」の定義は、野球やクリケットなどでの防御率 (Earned Run Average) あるいはサッカーやホッケーなどでの防御率 (Goals Against Average) と同様に「防御率の数値が小さいほど良い=防御できている」というものであるため、「高低」に関する表現が混乱することがあるので注意が必要である。『活字探偵団』では「防御率の数値が大きい」すなわち「防御率が悪い」ことを「防御率が低い」と表現しているが、一般には単純に「数値が小さい」ことを「低い」と表現する場合もあるため、混乱の元になる。
^『不死蝶』の原型作品は、論創社『横溝正史探偵小説選5』 ISBN 978-4-8460-1545-9 に収録されている。『火の十字架』については、『金田一耕助の新冒険』の単行本版の解説では「初出誌が入手出来なかったため、今回は収録していない」とあるが、文庫版では「3回分載の最終回、トリックの解明部分が加筆されているのみで、量的な意味でも、質的な意味でも、改稿版としての扱いではないことが判明している」に改められている。