1991年ベルギーグランプリ
1991年ベルギーグランプリは、1991年F1世界選手権の第11戦として、1991年8月25日にスパ・フランコルシャンで開催された。 概要このレースを前にして、ジョーダンのベルトラン・ガショーがシーズン前に起こしたタクシー運転手との喧嘩騒動で実刑判決を受け、刑務所に収監された。ガショーは護身用として、イギリス国内で使用が禁止されているCSガススプレーを使用した[1]。スパに集まったドライバー達は"Gachot Why?"と書かれたTシャツを着てガショーの釈放をアピールした。 ジョーダンは代役としてザウバー・メルセデスの一員としてスポーツカー世界選手権 (SWC) に参戦中のミハエル・シューマッハを起用した。 亜久里は今シーズン初めての予選落ちとなった。 予選シーズン後半に予備予選の対象となったフットワークのアレックス・カフィが、3度目の予備予選で初めて予選に進出した。 予選ではアイルトン・セナが2位のアラン・プロストに1秒の差をつけてポールポジションを獲得。ホンダエンジンは今回から可変吸気トランペットを投入した。チームメイトのゲルハルト・ベルガーは予選1回目は2位だったが、2回目の予選ではタイムを記録する前にエンジンが壊れ、乗り換えたスペアカーでタイムアタックをする前にチェッカーフラッグが振られたため、タイムを記録することができなかった。 リカルド・パトレーゼは予選中のランダムな車両検査の際にリバースギアに入れることができず[2]、2番グリッドに相当した2回目の予選タイムを取り消された。このため、決勝は17番グリッドからスタートすることになった。 デビュー戦となるシューマッハは、チームメイトのアンドレア・デ・チェザリスを上回る7番グリッドを獲得。土曜フリー走行5位、日曜朝のウォームアップ走行4位と、安定した速さをみせた。 予備予選結果
予選結果
決勝気温は22度と高くはなかったものの、上位にリタイアが多くサバイバルレースとなった。 予選で注目されたシューマッハは1コーナーのラ・ソースで5番手に順位を上げたが、直後にクラッチを壊して0周リタイアとなった。予選2位のプロストはスタート直後ナイジェル・マンセルに抜かれた上、3周目に燃料漏れを起こしリタイヤした。 トップのセナはタイヤ交換でタイムロスして順位を落とす。これでマンセルが首位に立つが、23周目に電気系トラブルによりギアが壊れリタイアした。ジャン・アレジはタイヤ無交換作戦で首位を快走したが、31周目にエンジンから白煙を吹き上げてリタイアした。 セナが再び首位に立つが、ギアボックストラブルでペースが上がらず、2位チェザリスの追い上げを受ける。新チームのジョーダンに初優勝の可能性が見えたが、残り3周でオイル切れによりエンジンが壊れチェザリスはマシンを止めた(13位完走扱い)。 セナはそのまま優勝し、2位ベルガーとともにマクラーレンがワンツーフィニッシュ。セナのドライバーズチャンピオン、そしてマクラーレンのコンストラクターズチャンピオンに向け勢いづく結果となった。ベルガーはピットストップに17秒近くを費やし、ピットアウト時にスピンして一時は9位にまで落ちたところから挽回した。3位のネルソン・ピケは現役最後の表彰台となった。チームメイトのロベルト・モレノはF1で自身唯一のファステストラップを記録した。 決勝結果
脚注
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