Intel Core 2
Intel Core 2(インテル コア ツー)は、インテルが2006年7月27日に発表した、x86_64互換のマイクロプロセッサである。製品の位置づけは、インテル Core プロセッサー・ファミリーに属する。 概要元々はモバイル向けとして開発され、そこからデスクトップ、ワークステーション、サーバ向けの製品が派生的に開発されている。そのため、Coreマイクロアーキテクチャ内での世代を表す開発コードネームは、モバイル向けの標準ダイのものが用いられる。しかしそれぞれの用途向けであっても内容的にはほぼ同じであり、先行して開発が進んでいたモバイル向けにそれぞれの用途向けの機能が追加されていったり、組み込まれた機能を無効化することでそれぞれの用途向けに作り分けられている。 同世代の下位製品には、Pentium Dual-Core、Celeron、Celeron Mが、サーバー向けにはXeonがある。 ブランドコア数や機能に応じて4種類のブランドが存在する。
デスクトップ向けラインナップ個々の製品は概ね、コアの数、キャッシュの容量、FSBの速度、そして消費電力で差別化が行われている。これら差別化を反映して、熱設計電力 (TDP) に製品差異が生まれた。 Core 世代
2006年11月14日に発表されたCore 2 Extremeの新製品。2個のConroeの半導体ダイを1個のパッケージに封入したMulti-Chip Module (MCM) 方式のクアッドコアプロセッサ。複数のダイを一つにパッケージングするMulti Chip Package (MCP) は、開発期間短縮と歩留まりの向上に効果がある。しかしダイ間の通信はFSBを介して行うので、ダイ間の通信速度は同ダイ上のコア間より遅くなってしまう。また同ダイおよび別ダイでコア同士の関係が同一ではないので、状況により処理能力に違いが発生する場合がある。この問題はWindows 2000までのWindowsで顕著であった。Windows XPにおいてHyper-Threading Technologyのサポートが行われた際に、この不均質な関係を持つCPUのサポートが追加され、System BIOSから各CPUの情報を得てタスク割り当ての参考とするようになった。これにより処理内容によっては処理効率が大きく向上した。
2007年1月9日に発表された。プロセッサ・ナンバにはクアッドコアを示すQが付くだけで、消費電力を表すアルファベット(Power Class)は付かない。 2008年2月AMDの新製品Phenomに対抗するために、インテルは恒例とも言えるディスカウント攻勢にQ6600を起用した。日本での市価は高クロックのデュアルコア製品よりも低めに設定され、あわせてIntel2 チップセットマザーボードに対するリベートを加えることでQ6600を2万円前後で入手できるようにした結果、日本の自作パソコンユーザーにクアッドコアブームが起こった。
Intel Core 2 Extremeの第一世代の製品。Core 2の最上位製品であるが、Core 2 Duoとの差はほとんどない。相違点は動作周波数が1段上回り、コアの動作クロックの倍率が固定されていない点のみである。行き詰まっていたPentium Extreme EditionとPentium Dの速やかな更新が必要で、Core 2 Duoと差別化をする余裕がなかったためと考えられる。
第一世代のデスクトップパソコン向けCore 2 Duoの開発コードネーム。概ね2次キャッシュが4MBのものをConroe、2次キャッシュが2MBのものをAllendaleとしている。厳密には、E6400, E6300は物理的に4MBの2次キャッシュが搭載されている内の2MBが無効にされており、コアが同じであるため資料に4MB同様Conroeと表記されている。Allendaleは、E4300など2次キャッシュを元来2MBしか作り込んでいないコアの開発コードネームである。FSBを1333MHzに引き上げたものは、新たにトラステッド・エグゼキューション・テクノロジー(TXT)がサポートされる。 消費電力や発熱で行き詰っていたPentium 4やPentium Dを置き換える製品。絶対性能でPentium Dを超え、かつ消費電力もより低くなっているため、消費電力あたりの性能は非常に高い。しかし動作温度の上限値であるTcaseがやや低下しており、性能をフルに発揮させるためにはそれなりに冷却に気を遣う必要がある。Pentium 4やPentium Dなどと同じくLGA775ソケットを採用するものの、その高度な省電力機能の代償としてマザーボード上のVRD部がVRD11.0以降に規格準拠している必要がある。そのため、Pentium 4やPentium D向けに製造されていた当初の945チップセットなどを使用したLGA775ソケットマザーボードではCore 2 Duo は動作しない。マザーボードベンダーは、再設計により945チップセットのマザーボードをCore 2 Duoに対応させた。
第二世代(最終世代)であるPenrynファミリーで最初に発表された製品の一つ。2007年11月11日に発表された。この時点ではQX9650のみ。デュアルコアの2個ダイをKentsfield XEと同じくMCM実装している。プロセッサー・ナンバーはQX9000番台で、QX6000シリーズの上位モデル。
45nmプロセスで製造される第二世代(最終世代)のCore 2 Quad。 下表においてプロセッサー・ナンバー末尾にsがついたものは省電力版 (TDP65W) である。当初はセットメーカーへのみ出荷されていたが、2009年2月にリテール品も発売された[2]。
45nmプロセスで製造される第二世代(最終世代)のCore 2 Duo。TDPはConroeと変わらず65Wであるが、SSE4.1の実装やL2キャッシュの増量 (4MB → 6MB) が行われ、最高クロックも更新されている。チップセットはConroe (FSB 1333MHz) と同じくIntel 3 Seriesと一部のP965 Expressが対応している。初期の製品にはコアの温度計測を正常に行なえないものが含まれている。 E7000シリーズは、E4000シリーズの後継で2次キャッシュは3MB。
サーバー向けラインナップCore 世代
モバイル向けラインナップCore 世代
最初のモバイル向けCore 2 Extreme。
2006年8月29日に発売されたモバイル向けCore 2 Duoの第一世代の製品である。Conroeよりさらに消費電力を引き下げるために厳密な電源管理機能を必要とするものの大きく分けて3つの機能を搭載しており、TDPを引き下げている。 FSB 533 MHz と 667 MHz の製品は前世代のモバイルプロセッサであるIntel Coreと同じSocket M (Socket 479M) を引き続き採用しており、BIOSがCPUに対応していれば、基本的にはそのまま載せ替えて動作させることが可能である。組み込み向けの一部、低電圧版、超低電圧版は、端子がはんだボールの µFC-BGA 479 パッケージとなる。Centrinoブランドの第3世代にあたり、プラットフォームコードネームは「Napa64」「Napa Refresh」である。 2007年から出荷された、チップセット「Crestline」、無線LAN「Kedron」と共に第4世代プラットフォーム「Santa Rosa」を構成するFSB800MHz版では、新たにSocket Pを採用している。超低電圧版は、端子がはんだでマザーボードに直接貼り付ける、 µFC-BGA 956 パッケージとなる。 消費電力が大きいPentium 4やPentium Dを置き換えることで大幅な省電力化に成功したデスクトップ向けと異なり、モバイル向けでは消費電力が前世代のCore Duoを上回っている(より消費電力の低減が求められる製品はCore Soloがベースとなっている)。
シングルコアのCore 2。
45nmプロセスで製造されるモバイル向けのCore 2 Extreme。
モバイル向けのCore 2 QuadはPenryn世代(最終世代)から発売された。Q9000は2008年12月28日発売である。
45nmプロセスで製造されるモバイル向けCore 2 Duoの第二世代かつ最終世代の製品である。 Montevina及びSanta Rosa Refreshプラットフォームを構成する。モバイル向けでは初めてSSE4に対応した。パッケージサイズは35 x 35 mm と 22 x 22 mm(S#で始まるもの)がある。Socket M (Socket 479M) の製品はない。OEM向けにはTDP55WのE8x35シリーズもある。
45nmプロセスで製造される、第二世代(最終世代)のCore 2 Solo。SU9000番台の片コアを無効化した製品。 プロセッサーナンバーのULVの有無に関わらず、VID[注 1]ボルテージレンジは、全て1.050V - 1.150Vである。
脚注注釈
出典
関連項目外部リンクInformation related to Intel Core 2 |