ラッセル・アイラ・クロウ (Russell Ira Crowe, 1964年 4月7日 - )は、ニュージーランド 出身の俳優。
2000年 公開の『グラディエーター 』でアカデミー主演男優賞 を受賞した。
経歴
ニュージーランド のウェリントン 出身。ノルウェー 、アイルランド 、スコットランド 、ウェールズ の血を引く[ 1] 。両親が映画の撮影現場のケータリング 業を営んでおり[ 2] 、4歳の時にオーストラリア に移住。6歳の時にドラマに出演するチャンスを掴み、何本かのオーストラリアのテレビに出演。
14歳の時にニュージーランドに戻り、オークランド・グラマー・スクール に進学するが、中退。ロック バンド に参加しシングルを出す。21歳の時に再びオーストラリアに移る。
1990年 に『ザ・クロッシング』で本格的に映画デビュー(映画初主演作品でもある)。1995年に『クイック&デッド 』でハリウッド にも進出、以来、非常に多彩な役をこなせる俳優として注目された。また、『NO WAY BACK 逃走遊戯 』では豊川悦司 と共演した。
1997年公開の『L.A.コンフィデンシャル 』で熱血漢の刑事を演じ、注目を集める。その二年後には『インサイダー 』で主演を務め、アカデミー主演男優賞 にノミネートされる。その翌年の2000年に公開された『グラディエーター 』では剣闘士の身分に墜ちたローマ帝国の将軍を演じ、アカデミー主演男優賞 を受賞。更に、その翌年公開の『ビューティフル・マインド 』でゴールデングローブ賞 主演男優賞(ドラマ部門) を受賞し、三年連続でアカデミー賞にノミネートされた。
オーストラリアのロックバンド「30 Odd Foot Of Grunts」のリードシンガー、ギターリストでもある。1992年より活動しているバンドは商業的に成功を収めたわけではないが、これまで三枚のアルバムを出している。ナショナル・ラグビー・リーグ のサウス・シドニー・ラビッツのオーナーでもある。2001年8月に30 Odd Foot Of Gruntsはテキサス州 知事リック・ペリー の娘を祝うチャリティー・コンサートを開催。クロウとペリー知事はアルバム『バスタード・ライフ・オア・クラリティー』のレコーディングをきっかけに知り合ったという。また、同州オースティン 市の市長は、8月11日を「30 Odd Foot Of Gruntsの日」にすると宣言しており、さらに、クロウをテキサス州の名誉市民にすることも宣言した[ 3] 。2010年 4月12日 にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム を授与。
2000年代 は、『グラディエーター』、『プロヴァンスの贈りもの 』、『アメリカン・ギャングスター 』、『ワールド・オブ・ライズ 』、『ロビン・フッド 』と、リドリー・スコット 監督作品への出演が多い。
2012年
2014年 、『ディバイナー 戦禍に光を求めて 』(原題:The Water Diviner )で映画監督デビュー[ 4] 。日本では2016年2月27日に公開[ 5] 。
人物・私生活
アメリカで成功した俳優の1人でありながら、私生活では短気と粗暴な振る舞いから問題が絶えないことで有名。
映画『プルーフ・オブ・ライフ 』で共演したメグ・ライアン と不倫関係になり、ライアンの当時の夫デニス・クエイド からは「ラッセルは俳優として尊敬できるが、人間としてはクズだ」と激しく非難されている。ライアンはデニス・クエイドと2001年 に離婚 するが、クロウもライアンとの関係を同時期に解消している。
2003年に女優ダニエル・スペンサー と結婚するも、仕事によるアメリカの長期別居生活などの事情により2012年10月に離婚した[ 6] 。彼女との間に2人の息子(チャールズ、テニソン)がいる。
2005年6月6日、滞在中のニューヨーク ・マンハッタン のホテル(マーサー・ホテル)で、オーストラリアの家族と国際電話での連絡がつかない事から従業員と口論の末、電話機を投げつけ、暴行容疑で逮捕された[ 7] 。彼のスポークスマンの弁によれば、電話機は壁にぶつけたもので、従業員を傷つけていないとのことである。
2006年9月に亡くなったスティーブ・アーウィン の親友であった。
2010年5月、主演した『ロビン・フッド 』に関して、BBCラジオ4の番組ジャーナリスト、マーク・ローソン が、ラッセル扮するロビンフッドを評して「休暇でよくオーストラリア に行くアイルランド 人のよう」と発言。そして「あなたのロビンフッドの口調には、かすかにアイルランド の訛りがありますが、どういう考えがあってのことですか?」と質問したところ、「あんたの耳は死んでるんじゃないか?あれがアイルランド 訛りに聞こえたっていうなら、あんたの耳は相当おかしなことになってるよ」と訛りを強調したことから田舎者呼ばわりされたと思い腹をたて一喝、その後、ローソンが慌ててフォローするも怒りは収まらず、放送禁止用語 を吐きながらスタジオを出ていってしまった[ 8] 。
2001年に『ビューティフル・マインド 』のプロモーションで初来日し、その後2010年に『ロビン・フッド 』、2014年に『ノア 約束の舟 』のプロモーションで来日した[ 9] [ 10] 。
人物
熱烈なクリケット ファンで知られ、プレーと観戦の両方を好んでいる。「ハリウッド・アッシズ」と呼ばれるクリケットの試合ではチームのキャプテンを務めた。 2013年、イギリス女王 のエリザベス2世 が公式訪問し観戦したクリケットの聖地と呼ばれるローズ・クリケット・グラウンド で開催されたイングランド戦では、仲の良いプロクリケット選手のシェーン・ウォーン と並んで一緒に観戦した[ 11] 。
また、従兄弟のマーティン・クロウ とジェフ・クロウ は元ニュージーランド代表 のクリケット選手である。
出演作品
※太字 表記は主演。
映画
テレビシリーズ
年
題名
役名
備考
吹替
2019
ザ・ラウデスト・ボイス-アメリカを分断した男- The Loudest Voice
ロジャー・エイルズ
ミニシリーズ、計7話出演 兼製作総指揮
山路和弘
2024
ARK:アニメーションシリーズArk: The Animated Series
Kor the Prophet
声の出演 兼製作総指揮
日本語吹き替え
『ラフ・マジック 』以降、大半の作品で山路和弘 が主に担当している[ 12] 。なお、山路は実際にクロウ本人とも交流があることも明かしている[ 13] 。
山路はクロウの魅力について「この人の魅力はとにかく“眼差し”です。多くを語らなくても、すべてを語っているような気がして、しかも作品によって眼差しが変わる。そこがすごいところだなと思っています」と分析しており、「最近は目つきに憂いが増してきている。いい歳の取り方をしているなと思いますし、目にすべての経験が宿っているような、そんな表情に見えてきます」とクロウの演技を称賛している[ 13] 。
吹き替えをしてきた中でも印象的な作品にクロウがアカデミー賞主演男優賞を獲得した代表作『グラディエーター 』を即座に挙げており[ 13] 、同作で主人公・マキシマスを演じたクロウの吹き替えをした際には、「役に入り込んでしまった」と話しており、特に印象深いシーンに家族を殺されてしまったときの衝撃に狂乱するシーンを挙げた。クロウのような重量感のある俳優は、普段の自分とはかなりかけ離れていると感じていることから、普段以上に役に入り込んだ部分もあったという。またクロウの演じ分けについても感心しており、俳優が全力で演技をしている姿を見ると、自身もやり甲斐を感じると述べた[ 14] 。『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 』公開時はクロウについて「そのまま地でやる人」であると語り、「そこがクロウの名優たる所以だと思う」とコメントしている。また本作ではクロウを演じるのは久しぶりだったことから、「ちょっとアクション系の、どっちかっていうとおっちゃん系の役のときに(オファーが)来る」と自身にオファーが来る役には傾向があるとも述べた[ 15] 。
テレビ番組にもクロウの吹き替えを持ち役とする役者として出演しており[ 16] 、『ポーカー・フェイス/裏切りのカード 』の日本公開時には、クロウの吹替声優として山路が試写会に登壇し、作品の感想とクロウへの思い入れを語った[ 17] 。
このほかにも、井上和彦 、菅生隆之 、牛山茂 、土師孝也 、大塚芳忠 、磯部勉 、てらそままさき なども複数回、声を当てている。
授賞とノミネート
映画
テレビシリーズ
脚注
外部リンク
1928–1940 1941–1960 1961–1980 1981–2000 2001-2020 2021-現在
1943–1960 1961–1980 1981–2000 2001–2020 2021–現在
1994-2000 2001-2020 2021-2040
1966 -1980年 1981 - 2000年 2001 -2020年 2021 - 現在
1995 - 2000年 2001 - 2020年 2021 - 2040年
1975–1980 1981–2000 2001–現在