西島 秀俊 (にしじま ひでとし、Hidetoshi Nishijima、1971年 〈昭和 46年〉3月29日 [ 2] - )は、日本 の俳優 [ 5] 、声優 、ナレーター [ 2] 。東京都 八王子市 出身[ 1] 。現在はフリーで活動している。既婚。
来歴
映画好きの父親の影響で幼少期より映画に親しみ、映画界へ興味を持っていた。特に作品に向き合う撮影所スタッフに強く憧れ、自身も裏方として携わりたいと考えるようになる[ 6] 。
とにかく撮影所で仕事がしたいと考えていたところ、19歳の時に高校の先輩の薦めで受けたオーディションに合格し、そのまま俳優の道に進む[ 7] [ 8] 。
1992年、大学在学中にテレビドラマ『はぐれ刑事純情派V 』(テレビ朝日 )で俳優デビュー[ 9] 。新人刑事の中上剛役で半年間レギュラーを務めた。
1993年には多くのテレビドラマに出演し、『わたしってブスだったの? 』(TBS )での松田聖子 を翻弄する年下の恋人役[ 10] や、『悪魔のKISS 』での新興宗教 にハマる青年役、最高視聴率31.9%[ 11] を記録した『あすなろ白書 』(フジテレビ )での同性愛 者の美青年、松岡純一郎役で注目を集めた[ 12] 。翌年、萩原健一 主演の映画『居酒屋ゆうれい 』で映画初出演[ 13] 。
デビュー時は渡辺プロダクション に所属し、1990年代 前半には数多くのテレビドラマに出演したこともあり、若手の売れっ子俳優として人気を得たが、事務所が求めるテレビドラマを中心としたアイドル路線と、自身の目指す映画俳優としての方向性の違いから事務所を移籍。それに伴い1998年から2002年までの期間は民放のテレビに出演していなかった[ 14] 。
1999年、役所広司 と共演した『ニンゲン合格 』で映画初主演を果たす[ 12] 。長い昏睡 状態から突然目覚めて生き方を模索する青年役を演じ、第9回日本映画プロフェッショナル大賞 ・主演男優賞を受賞する。第11回東京国際映画祭 では『2/デュオ 』と『ニンゲン合格』が上映されたが、主演作品2本の上映は東京国際映画祭初の快挙であった[ 15] 。
2002年、北野武 監督の『Dolls 』で主演に抜擢される。この映画への出演は西島のキャリアにとって大きな転機となった[ 16] 。
2005年の映画『帰郷 』では、昔の恋人に子どもの父親だとして子どもを預けられて困惑するサラリーマンを演じ[ 17] 、第15回日本映画プロフェッショナル大賞・主演男優賞[ 18] 、第20回高崎映画祭 ・最優秀主演男優賞[ 19] を受賞。
2006年、宮崎あおい 主演の連続テレビ小説 『純情きらり 』で太宰治 をモデルとした津軽弁の画家杉冬吾役をコミカルに演じ、お茶の間からの人気を得る。
2008年、小林薫 主演の映画『休暇 』では癖のある死刑囚 を演じ[ 20] 、第30回ヨコハマ映画祭 ・助演男優賞を受賞する[ 21] 。
2011年、ラブコメディ ドラマ『僕とスターの99日 』(フジテレビ)で韓国 の女優キム・テヒ とともにW主演。西島は本作品で民放連続ドラマ初主演を果たす[ 22] 。
2011年の映画『CUT 』はイラン の名匠アミール・ナデリ 監督の作品で[ 23] 、第68回ヴェネチア国際映画祭 のオリゾンティ・コンペティション部門オープニング作品・第36回トロント国際映画祭 出品作品・第16回釜山国際映画祭 出品作品である[ 24] 。これにより自身も数々の映画賞を受賞する。
2014年にはオリコン 発表の「2014年ブレイク俳優ランキング」で第2位にランクインした[ 25] 。
2017年、ファッションデザイナーのジョルジオ・アルマーニ からの指名により、ジョルジオ・アルマーニ の最高峰ライン「メイド・トゥ・メジャー」の広告モデルに日本人で初めて起用される。2018年も引き続き広告モデルを務めており、4シーズン連続起用もまた日本人初である[ 26] 。
『ドライブ・マイ・カー』監督の濱口竜介 と(2022年4月)
2021年には主演を務めた濱口竜介 監督『ドライブ・マイ・カー 』が、第94回アカデミー賞 で日本映画として史上初となる作品賞を含む4部門にノミネートされた[ 27] 。西島も授賞式に出席し、本作品は国際長編映画賞 を受賞した[ 28] 。また、西島の演技は米ニューヨーク・タイムズ 紙がその年の映画を代表する俳優を選ぶ企画「Great Performers/The Best Actors of 2021」の1人としてアジア人で唯一選出するなど高い評価を受けた[ 29] 。同紙は選出理由として「西島の演技は鋭い批判的な知性を合わせ持っており、そのメランコリック で控えめな存在感が映画の重要なカギとなっている」と述べている[ 29] 。日本映画への出演で選出されたのは西島が初となる。
2023年春、ハリウッドの大手タレントエージェンシーCAA と契約[ 30] 。
2024年5月いっぱいで、クォータートーン を退所することを発表した[ 31] [ 32] 。
2024年7月、自身のInstagramアカウントを開設。
人物
桐朋高校 在学中はバスケットボール 部に所属[ 33] 。また、ロック バンド を結成しギターを担当していた[ 34] 。
大学時代はアルバイト で中学生たちの家庭教師 をしていた[ 35] 。
学歴は桐朋高等学校 卒業、横浜国立大学 工学部 生産工学科 中退[ 5] 。2022年9月2日放送のTBS『A-Studio+ 』にゲスト出演した西島は、役者の道を選び大学を中退した理由について「大学で工学部に入ったけど、なんか違うかなと思った。俳優の仕事が入ってきたので工学部は授業が長いので両立できなくなった」と述べた[ 36] 。親に「俳優になる」と報告すると「家から出ていきなさい。一切援助はしないので一人で生きていきなさい」と言われ、実際に一切の援助はなかったが、西島は「今は感謝してますけどね。やっぱり覚悟は決まったんで」と述べた[ 36] 。
尊敬する俳優の一人として、デビュー作『はぐれ刑事純情派V 』(1992年、テレビ朝日)で共演した藤田まこと を挙げている。藤田は新人の西島を気にかけ「秀ちゃん」と呼び、仕事の楽しさや厳しさを教えてくれたという[ 37] 。番組を卒業する際に「本業を、ゆっくりと」と書かれた色紙をもらい、現在も大切にしている[ 38] 。なお藤田とは『大奥 』(2006年)で再共演している。
好きな歌手にスピッツ を挙げている[ 39] 。スピッツは西島主演の『僕とスターの99日 』(2011年、フジテレビ)と『劇場版「きのう何食べた?」 』(2021年)の主題歌を担当し、西島はスピッツの楽曲をモチーフに描かれた『海でのはなし。 』(2006年)や、スピッツのアルバム『CYCLE HIT 』(2006年)のTVCMに出演したこともあり縁が深い[ 40] 。ボーカルの草野マサムネ は西島に初めて会った時の印象について「西島秀俊くんは凄く話しやすく、昔からの友達にいそうな人だった」と語っている[ 41] 。
小説家 、音楽家 である中原昌也 の音楽や活動に関心があり、中原の手掛けたノイズミュージック をよく聴いたり、中原の日々の記録を綴った『中原昌也 作業日誌 2004→2007』(2008年)を愛読している[ 42] 。なお映画評論家 でもある中原とは、中原の著書『映画の頭脳破壊』(2008年)などで対談を行っている。
国内外問わず豊富な映画知識を持ち、国際映画祭東京フィルメックス では2005年に審査員に選ばれ[ 43] 、以降2017年まで実行委員会の理事を務めた。現在は退任しているが、関連イベントなどには不定期で参加している[ 44] 。
俳優業の傍ら、映像制作を学ぶため映画美学校 に生徒として通っていた時期がある[ 45] 。
ビートたけし の大ファンで、『ビートたけしのオールナイトニッポン 』(ニッポン放送 )など昔たけしが出演していたラジオ番組は欠かさず録音して聴いていた[ 46] 。後に、たけしが監督を務めた『Dolls 』(2002年)の主演に抜擢され、また、たけしの小説が原作であるテレビドラマ『菊次郎とさき 』(2003年・2005年、テレビ朝日)ではたけしの担任教師役で出演した。
役作りで体型を調整することがある。
20代の頃は私生活でも喫煙者 (ヘビースモーカー)だったが健康上の理由で30代以降は禁煙 している。それ以降の喫煙は役作りのみに制限されている[要出典 ] 。
かなりの甘党 である。現場では共演者に指摘されるほど差し入れのお菓子をとにかく食べ続けており、自身もスイーツを差し入れることが多い。特にモンブラン 、ドーナツ 、チョコレート が大好物[ 49] 。
カブトムシ やクワガタ を自分で捕まえて飼育することが好きで、つがいを捕まえて卵を産ませ孵化した幼虫を成虫になるまで育てている。育った成虫は近所に住む子どもたちに配っており、多い時で20匹配ったことがある[ 50] 。
20代後半には俳優業の傍らバンド活動をしており、西島はアボリジニ 楽器のディジュリドゥ を演奏していた。2000年に発売されたCDアルバム『INNER WORLD』ではディジュリドゥ奏者として細野晴臣 や鈴木茂 らとセッションを行い、同年に当時交流のあったTHEATRE BROOK のライブにも参加している[ 51] 。
親族
父親は京都大学工学部 電気電子工学科を卒業後、東芝 に勤めていた[ 52] エンジニア [ 36] 。
2014年11月19日、3年間の交際を経て16歳下の一般女性と結婚することを発表[ 53] 。2016年4月には第1子男児[ 54] 、2018年10月、第2子男児が誕生[ 55] 。
出演
テレビドラマ
配信ドラマ
映画
ショートフィルム
舞台
ウーマン・イン・ブラック〜黒い服の女〜(1996年)
A2/Alligator Dance 2(1997年)
バラエティ番組
ドキュメンタリー番組
ハイビジョン特集 (NHK BSハイビジョン)
城・王たちの物語「マイセン ・幻の磁器の城〜アウグスト2世 の尽きせぬ欲望」(2004年10月19日) - 語り
シリーズ恋物語「堀口大學 遠き恋人に関する調査」(2007年2月27日)- 記者 役
音楽の遺伝子 -槇原敬之 -(2006年3月29日、NHK総合) - 語り
超大型ロマンアドベンチャースペシャル イシグアラスト タランパジャ (2008年1月4日、テレビ東京)
一夜限りの復活ライブ〜LUNA SEA 沈黙の7年を超えて(2008年1月14日、NHK総合) - 語り
昔、男ありけり(NHK BSプレミアム) - 語り
ジャイアント馬場 〜鳳凰のガウン〜(2008年3月25日)
寺山修司 〜デニムのサンダル〜(2008年3月26日)
林家三平 〜ガラスのカタツムリ〜(2008年3月27日)
武満徹 〜読めない本〜(2008年3月28日)
NHKスペシャル (NHK総合)
調査報告 日本軍と阿片(2008年8月17日) - 語り
シリーズ廃炉への道 - 語り
第1回 廃炉・果てしなき道(2014年4月20日)
2015 核燃料デブリ 未知なる闘い(2015年5月27日)
2016 核燃料デブリ 迫られる決断(2016年5月29日)
2021 原発事故10年の軌跡(2021年3月14日)
金メダルへの道 体操ニッポン復活の金へ〜内村航平 と日本代表(2016年8月4日) - 語り
祖父が見た戦場〜ルソン島の戦い 20万人の最期〜(2018年8月11日) - 語り
秘島探検 東京ロストワールド - ナレーション
第1集 南硫黄島 (2018年9月16日)
第2集 孀婦岩 (2018年9月29日)
戦国〜激動の世界と日本〜 - 番組ナビゲーター
第1集 秘められた征服計画 織田信長×宣教師(2020年6月28日)
第2集 ジャパン・シルバーを獲得せよ 徳川家康×オランダ(2020年7月5日)
新・ドキュメント太平洋戦争 - 朗読
1941 開戦 前編・後編(2021年12月4日・5日)
1942 大日本帝国 の分岐点 前編・後編(2022年8月13日・14日)
1943 国家総力の真実 前編・後編(2023年8月12日・13日)
1944 絶望の空の下で(2024年8月15日放送予定)[ 121]
新・幕末史 グローバル・ヒストリー - 司会
第1集 幕府vs列強 全面戦争の危機(2022年10月16日)
第2集 戊辰戦争 狙われた日本(2022年10月23日)
ラスト・ルーキーズ〜JALバスケ 最後の1年〜 (2011年3月10日、フジテレビ) - 語り
三宅一生 東北へ 伝統を未来につなぐ旅(2012年1月2日、NHK BSプレミアム) - 語り
日本人は何を考えてきたのか 第3回 森と水と共に生きる〜田中正造 と南方熊楠 〜(2012年1月22日、NHK Eテレ) - 旅人
土曜プレミアム 「独占解明!誰がツタンカーメン を殺したのか!?〜謎の少年王・悲劇の生涯〜」(2012年8月11日、フジテレビ) - 旅人
いきものがかり ドキュメント(2012年12月22日・29日、NHK BSプレミアム) - ナレーション
戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか(NHK Eテレ)
知の巨人たち 第3回「民主主義を求めて〜政治学者 丸山眞男 〜」(2014年7月19日) - 朗読
知の巨人たち 第7回「昭和の虚無を駆け抜ける〜文学者・三島由紀夫 〜」(2015年1月24日) - 朗読
未来への選択 第3回「公害先進国から環境保護へ」(2015年7月18日) - 語り
浅田真央 未来への光〜子どもたちとともに〜(2016年2月6日、NHK BS1) - 語り
海洋アドベンチャー タラ号の大冒険(2016年7月18日、NHK総合)[ 122] - ナビゲーター
ヨーロッパ財宝ミステリー(BS-TBS) - ナビゲーター
ヨーロッパ財宝ミステリー 消えた黄金列車の謎 × 西島秀俊(2016年9月6日)[ 123]
失われた琥珀の間の秘密 ヨーロッパ財宝ミステリー2×西島秀俊(2017年10月10日)[ 124]
奇蹟の秘宝 聖骸布の謎 ヨーロッパ財宝ミステリー3×西島秀俊(2019年11月15日)[ 125]
テレビアニメ
てれび絵本 「うみのきらきらやまのきらきら」(2008年3月20日、NHK Eテレ) - 朗読
オトッペ (2018年10月3日 - 2024年3月、NHK) - ウエスティ 役[ 126]
劇場アニメ
吹き替え
ゲーム
CM
出演
現在
過去
ナレーション
トヨタ自動車 「プログレ 」(1998年)
オルビス 「クリアミニセット」(2007年)
シチズン時計 (2007年)
トンボ鉛筆 「AirPress」(2008年)
NTTドコモ (2008年)
『高校生のはじまり篇』
『大学生のはじまり篇』
『社会人のはじまり篇』
ブックオフコーポレーション (2008年)
公共広告機構→ACジャパン
2008年度全国キャンペーン「生きている証」
2011年度地域キャンペーン(東京地域)「宮沢賢治・明日を信じる」
2020年度セーブ・ザ・チルドレン支援キャンペーン「歓声ですか、銃声ですか。」
キユーピー 「キユーピーマヨネーズ 」
『YOGA=つなぐ(タージ・マハル)篇』(2008年)
『YOGA=つなぐ(バターボール)篇』(2009年)
『YOGA=つなぐ(アルジュナの苦行)篇』(2009年)
『トップステーション篇』(2010年)
『ロックアート篇』(2010年)
『山とキャベツ篇』(2011年)
『畑とカボチャ篇』(2011年)
『川とアーティチョーク篇』(2011年)
『ウォーターツリー編』 (2012年)
『ポプラ編』 (2012年)
『ノルマンディ編』 (2012年)
栄光ゼミナール
『栄光の個別指導篇』(2010年)
『冬期講習篇』(2010年)
『個別指導/オリコンNo.1篇』 (2011年)
『中学部/新年度塾デビュー篇』(2011年)
『小学部/新年度塾デビュー篇』(2011年)
『春期講習篇』(2011年)
東京エレクトロン
住友生命保険 (2012年)
PV
玩具
COMPLETE SELECTION MODIFICATION 変身ベルト 世紀王サンドライバー(2023年3月)
受賞歴
書籍
写真集
キネ旬ムック 新世紀のスピリチュアル・アクターズシリーズ アクターズ・ファイル5「西島秀俊」(2006年)
西島秀俊&キム・テヒ『僕とスターの99日』公式フォトブック(2011年)
MEMORIES OF VENICE(2011年)
脚注
注釈
出典
外部リンク
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