山口朝日放送株式会社(やまぐちあさひほうそう、Yamaguchi Asahi Broadcasting Co., Ltd.)は、山口県を放送対象地域としたテレビジョン放送事業を行っている、特定地上基幹放送事業者である。略称はyab。ANN系列。
概要
1993年(平成5年)10月1日[4]、山口放送・テレビ山口に次ぐ山口県第3波の民間放送局として開局した。山口県の民間放送局では最もキー局の関与が強く、テレビ朝日と朝日新聞社の両者で39%(議決権ベース)の株式を保有する[5]。その他、地元資本の大株主としては大手化学品メーカーのトクヤマ (11.24%)[5]など。また、読売新聞大阪本社や地方紙・山口新聞と水産業界紙・みなと新聞を発行するみなと山口合同新聞社も出資している(下記参照)。
中国地方で唯一のテレビ平成新局である。
地理的要因もあってANNの中四国ブロックネット番組と九州・山口ブロックネット番組の両方に参画している。
中四国のANNブロックネットでは、年1回放送の中四国4局共同制作番組で持ち回りで制作幹事局を務めることがある他[注 1]、ニュース番組の企画コーナー『ぐるりん瀬戸内』→『瀬戸内リレー』→『瀬戸内グルメ天国』→『ググッと。瀬戸内』[注 2]にも参加している。過去には中国電力提供のミニ番組『自然賛歌』が広島ホームテレビ・瀬戸内海放送・山陰放送(TBS系列)とともに放送されていた(愛媛朝日テレビは電力会社が四国電力のエリアに該当するため放送されなかった)。
九州・山口のANNブロックネット番組は開局当初から『情報回遊TV うるとらマンボウ』『るり色の砂時計』『ドォーモ』をネットしており、その後『るり色の砂時計』は番組終了、『ドォーモ』は途中ネット打ち切りになるものの、『うるとらマンボウ』の後番組である『アサデス。九州・山口』→『アサデス。7』は同時ネットを継続しているほか、『前川清の笑顔まんてんタビ好キ』(沖縄県の琉球朝日放送でも同時ネット)[注 3]や福岡ソフトバンクホークス戦も土日や祝日に限りネットしている[注 4]。一方で、山口県内と関わりのないスポンサー(九州電力など)や地理的に九州地方ではない事情で九州5局(九州朝日放送・長崎文化放送・熊本朝日放送・大分朝日放送・鹿児島放送)を対象としたブロックネット番組や過去に九州5局・沖縄県(琉球朝日放送)で放送されていた『スーパーJチャンネル九州・沖縄』などの報道番組は放送されていない。
歴代の社長は基本的にテレビ朝日出身者となっている。例えば2011年(平成23年)から2017年(平成29年)まで社長に就任していた渡辺興二郎[6]は元テレビ朝日報道記者で、俳優・石田純一の従兄にあたる。現在の社長はBS朝日執行役員営業局長から長野朝日放送に転じていた天野尚彦[7]。
山口県を放送対象地域としているが、取材対象地域は島根県益田市、鹿足郡(ただし、支社・支局は設置されていない)[注 5]も含まれる。
山口県には フジテレビ系列局、テレビ東京系列局は所在しないが、本局ではフジテレビ系列局制作の番組は、『水10』、関西テレビ放送制作の『罠の戦争』(草彅剛主演)『千原ジュニアの座王』が放送されていた程度である。テレビ東京系列局の番組は2024年(令和6年)現在、山口県内の民放テレビ局の中では山口放送に次いで多く放送している。
視聴率は、2024年度上半期個人全体視聴率の全日(6:00 - 24:00)、世帯視聴率の全日、プライム(19:00 - 23:00)で開局以来初の首位を獲得した[8]。
主な受賞歴に『回天 二つの心』で2019年日本民間放送連盟賞番組部門テレビ教養番組優秀賞を受賞した。同局で同賞を受賞したのは初めてだった[9]。同時に同賞のテレビグランプリ候補作品にも選ばれた[10]。また、『国近さんの日記 ひきこもり40年、それから・・・』が2024年日本民間放送連盟賞テレビ教養番組優秀賞を『公共キャンペーンスポット/yab SDGsキャンペーン「むかしばなしから学ぶSDGs」(60秒)』で同賞CM部門テレビCM優秀賞を受賞した。CM部門での受賞は初めてだった[11]。
本社・支社
送信所・中継局
yab公式サイトの記述に基づく[12]。
ほか、出力10w未満の中継局が34局ある。
アナログ放送
2011年7月24日停波時点
- コールサイン:JOYX-TV
- 中継局:山口県内32箇所。以下主なところ
資本構成
企業・団体の名称、個人の肩書は当時のもの。出典:[13][14]
2021年3月31日
資本金 |
発行済株式総数 |
株主数
|
30億円 |
60,000株 |
44
|
過去の資本構成
2003年3月31日
資本金 |
発行済株式総数 |
株主数
|
30億円 |
60,000株 |
53
|
株主 |
株式数 |
比率
|
全国朝日放送 |
11,900株 |
19.83%
|
朝日新聞社 |
11,500株 |
19.16%
|
トクヤマ |
04,320株 |
07.20%
|
山口県 |
03,000株 |
05.00%
|
みなと山口合同新聞社 |
02,000株 |
03.33%
|
読売新聞大阪本社 |
01,800株 |
03.00%
|
日本経済新聞社 |
01,800株 |
03.00%
|
中国電力 |
01,800株 |
03.00%
|
山口銀行 |
01,800株 |
03.00%
|
吉岡隆 [注 6] |
01,800株 |
03.00%
|
沿革
ケーブルテレビ再放送局
現在、以下のケーブルテレビで再放送されている。
現在放送中の番組
自社制作番組
2024年10月時点のもの[18]。
ブロックネット
テレビ朝日系列(遅れネット)
ドラマ再放送枠
平日 14:00 - 16:00にドラマの再放送枠が設定してある。ただし、報道特番などが入ると休止または枠移動となる場合がある。
なお、2024年8月期に、初めてフジテレビ系列の過去放映の連続ドラマを放送している。
テレビ東京系列
その他
過去に放送した番組
自社制作番組
ブロックネット
テレビ朝日系列(遅れネット)
テレビ朝日系列(不定期)
テレビ東京系列
他多数
その他
開局時に先発民放から移行した番組
KRYからの移行番組
TYS(現・tys)からの移行番組
アナウンサー
2024年4月現在[22]。yabではアナウンサーを「総合職」として採用しており[23]、アナウンサー以外の職種への異動(或いはその逆)がある。また、周南支局勤務(記者兼務)となるアナウンサーもおり、「Jチャンやまぐち」では周南支局の報道スタジオから出演する。
在籍中
男性
女性
- 2016年 清水春名
- 2020年 宮原睦実
- 2022年 安藤万結(4月入社)※テレビ和歌山(WTV)より移籍、中村萌音(4月入社)
- 2023年 玉野初季(4月入社)
元アナウンサー
- 男性
- 1993年
- 井川弘宜※元山形テレビ(YTS)アナウンサー、2019年に6年ぶりにアナウンス部長として、アナウンサー職に復帰
- 永岡俊哉(開局時のアナ、大阪支社長を経て現在は羽衣国際大学現代社会学部准教授)
- 1997年
- 佐野正法(現在は日本テレビ経済部記者に移籍)
- 田上宏
- 2001年 柘植忠司※元岐阜放送アナウンサー、2021年4月にアナウンス部長として、6年ぶりにアナウンサー職に復帰
- 2006年
- 2011年
- 2013年
- 2014年
- 女性
- 1993年
- 1996年
- 1997年
- 須河内雅子
- 藤田理恵( - 2000年頃、現在はジョイスタッフ所属)
- 2001年
- 2004年
- 2005年
- 山田香菜子( - 2011年、現在はジョイスタッフ所属)
- 2006年
- 2008年
- 2010年
- 2011年
- 河野恵( - 2013年、現在はジョイスタッフ所属)
- 2012年
- 2014年
- 2016年
- 2018年
- 2019年
- 2020年
- 福山博子
コーポレートアイデンティティ(CI)の導入
2006年(平成18年)7月14日に、コーポレートアイデンティティ(CI)を導入。コーポレートカラーをそれまでの緑と青からオレンジに変更、社名ロゴは一般的な角ゴシック体とした上で、3レター表記を大文字から小文字に変更し、「a」と「b」の中心を目玉に見立てたデザインとなった。また、同時にマスコットキャラクター「ビープくん」が登場、キャッチフレーズ「いいこと、みつけよう。」が制定されたが、当初積極的なアピールは行われていなかった。
- 2008年(平成20年)5月から表示されている地上デジタル放送のウォーターマークにもこのCIを使っている。
- かつてのロゴマークは上部の緑が山々、下部の青が海と、山口の自然を表していた。
- 旧社名ロゴが横長のフォントを用いていたこともあり、社名ロゴの文字間隔を広げるケースがある。
- 略称ロゴと社名ロゴを上下に並べて表示する際は、略称ロゴと文字サイズの兼ね合いで社名ロゴの文字間隔が広がる。
- DO-YO-DA!!・青い空が好きっ!のクレジットのように、略称ロゴと社名ロゴを左右に並べて表示する際は、バランスの関係で社名ロゴの文字間隔が狭まる。
- 実際には上下並列向けに社名ロゴの文字間隔が広がった状態を、そのまま左右に並べる例が多い。他局制作番組に制作協力を行った際や、一部の自社制作番組ではその状態でクレジットされ、バランスに問題が生じている。
- デジタル放送用の中継局でも、一部の中継局を除き、CIロゴが使われている。
なお、山口のテレビ局でCIを導入している局にはテレビ山口(tys)もあるが、yabより後で導入したものである。
脚注
注釈
- ^ 九州朝日放送をはじめとした九州ブロック各局も、年度により年末年始編成で遅れネットすることがある(瀬戸内海放送・広島ホームテレビ・愛媛朝日テレビ制作幹事分も同様)。
- ^ 2020年4月よりこのタイトル。
- ^ 中四国の系列局では編成により広島ホームテレビも遅れネットで放送したことがある。
- ^ 九州朝日放送と広島ホームテレビが別制作することがある交流戦の対広島東洋カープ戦(主催球団問わず)は、どちらの制作分もネット受けした実績がない(山口県は地域性や物流などの関係上、岩国市などの県東部と下関市などの県西部で両球団のファンの多寡や優勝時の応援セールが分かれる傾向がある)。その一方、広島主催の対読売ジャイアンツ戦や、開幕カードなどのソフトバンク主催試合のデーゲームを地元局とテレビ朝日が別制作した場合は、地元局制作分をネット受けしている。
- ^ 山陰地方は現在テレビ朝日系列が未開局であるため、テレビ朝日が2か所設置している支局と周辺県の系列局で分担している。
- ^ 山口朝日放送 代表取締役社長
- ^ 宇部市(自治体)・イーシステム(キヤノンのグループ会社)との連携
- ^ 毎週土曜に放送されていた『どき生らいぶ』の後継番組。2023年10月3日スタート。yabが平日の18時台以外の時間帯にミニ番組を除く自社制作番組を平日の帯番組として放送するのは『YabスーパーJチャンネル』が終了した2003年3月以来である。
- ^ YAB開局時は『朝だ!生です旅サラダ』の途中から。
- ^ YAB開局時は『GS美神』の中盤から。
- ^ YAB開局時は『ジャンパーソン』の後半から。
- ^ YAB開局時は『暴れん坊将軍V』の途中から。
- ^ YAB開局時は『さすらい刑事旅情編VI』から。
- ^ YAB開局時は『名奉行 遠山の金さん』第5シリーズの途中から。
- ^ YAB開局時は『マイトガイン』の後半から。
- ^ YAB開局時は『ダイレンジャー』の後半から。
出典
外部リンク
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地上波 フルネット局 24局 | |
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地上波 クロスネット局 2局 | |
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BSデジタル | |
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CSチャンネル3 | |
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旧加盟局 | |
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国内支局 | |
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関連新聞・スポーツ新聞社8 | |
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関連項目 | |
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脚注
1ANNでは報道部門のみの参加。NNNフルネット局(NNNのニュース番組は全て同時ネットしているため)。 2NNN、FNN/FNSとのクロスネット局。ANNでは報道部門のみの参加。 3加盟局が運営・出資する衛星放送(CSチャンネル) 4旧EXは2014年に現EXに放送免許を譲渡。 5旧ABCは2018年に現ABCに放送免許を譲渡。 6一般番組供給部門のみの参加。 7旧KBCは2023年に現KBCに放送免許を譲渡。 8母体新聞社及び加盟局と友好関係のある新聞社。
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