四国電力株式会社(しこくでんりょく、英: Shikoku Electric Power Company, Incorporated[4])は、香川県高松市に本店を置く電力会社。電気の販売量では日本国内第9位[5]。
概要
発電所は、火力発電、原子力発電(伊方発電所)、再生可能エネルギー(水力発電・太陽光発電・風力発電・バイオマス発電)を組み合わせている[6]。
伊方原発はかつて、3つの発電機で四国の電力供給の4割を担っていた。東日本大震災(2011年3月11日)に伴う福島第一原子力発電所事故を受けた安全規制の強化などで、2023年9月現在3号機のみの稼働である。1号機および2号機は営業運転終了を踏まえ、1号機は2017年9月12日、2号機2021年1月7日より廃止措置作業中である[7]。3号機は原子力規制委員会による新規制基準適合性に係る審査の合格と安全性向上対策工事を経て2016年8月に再稼働した[8]。2017年12月[9]および2020年1月[10]に広島高等裁判所による運転差し止め仮処分決定を受けたが、四国電力は双方において異議申し立てを行い、広島高等裁判所はそれぞれで異議申し立てを認め再稼働を容認する決定を受けた [11][12]。2023年9月時点で営業運転中である[13]。
略称として「よんでん」もしくは「ヨンデン」を使用しているほか、対外的にはそのローマ字表記である「YONDEN」も使用している。現在のコーポレートスローガンは、「しあわせのチカラになりたい」。環境貢献のアピールスローガンは「低炭素DOING」。
マスコットキャラクターとして「あかりちゃん」を定めている。1973年(昭和48年)に電気温水器のPR広告用のマスコットとして登場し、電力会社の現役マスコットキャラクターとしては一番古い部類に入るため、四国地方で広く親しまれている。
1991年(平成3年)4月からCIを導入しており、電力供給網の広がりを四国4県の配置に合わせてイメージしたシンボルマークを使用している。それと同時にあかりちゃんのデザインが現在のものに変更され(二代目)、家族設定も導入された。
2000年(平成12年)12月からは直営でインターネットサービスプロバイダ事業「あかりネット」のサービスを開始。電気契約があれば無料で利用できたが、2008年2月28日より新規入会受付を停止し、2009年(平成21年)2月20日にサービスを終了した。サイト閲覧には強制的にフィルタリングがかかっており、子供にふさわしくないサイト、Googleなどのロボット型サーチエンジン、大手ISPのサイト(NTT本社やNTT西日本も含まれる)にアクセスすることはできなかった。
営業エリア
四国地方以外に、関東地方や近畿地方などで電力小売事業や、発電事業を行っている[14]。
なお、香川県小豆島(土庄町、小豆島町)や直島諸島(香川郡直島町)、また芸予諸島の大島以北(愛媛県上島町、今治市のしまなみエリア〈旧関前村、伯方町、上浦町、大三島町、宮窪町、および馬島を除く吉海町〉)については中国電力の営業エリアおよび中国電力ネットワークのサービスエリアとなっている[15][注釈 1]。
また、新居浜市のうち旧別子山村については、古くから別子山森林組合が発電設備を設置し村内に独自の配電網を有しており、現在その資産を住友共同電力株式会社が継承している[16][17]事情から四国電力の営業エリア外となっている。
沿革
発電施設
合計 63箇所、528万kW(2023年3月31日時点)[20][21]
- 総出力には長期計画停止中、定期点検中の号機を含む。廃止された号機、建設中の号機は含まない。
水力発電所
57箇所、115万5796kW(含揚水式)・54万796kW(除揚水式)[22]
火力発電所
4箇所、328万5000kW[23]
発電所名 |
使用燃料 |
総出力 |
号機 |
出力 |
運転開始 |
所在地 |
備考
|
坂出発電所 |
LNG |
138.5万kW |
1号機 |
29.6万kW |
2010年8月 |
香川県坂出市 |
1、2号機はCC方式 旧1、2号機は廃止
|
2号機 |
28.9万kW |
2016年8月
|
重油、原油、コークス炉ガス |
3号機 |
45万kW |
1973年4月
|
LNG、コークス炉ガス |
4号機 |
35万kW |
1974年5月
|
阿南発電所 |
重油、原油 |
45万kW |
3号機 |
45万kW |
1975年5月 |
徳島県阿南市 |
1、2、4号機は廃止
|
橘湾発電所 |
石炭 |
70万kW |
1号機 |
70万kW |
2000年6月 |
徳島県阿南市 |
USC(超々臨界圧)
|
西条発電所 |
石炭、木質バイオマス |
75万kW |
1号機 2号機 |
50万kW 25万kW |
2023年6月 1970年6月 |
愛媛県西条市 |
新1号機はUSC,2号機はSC(超臨界圧)
旧1号機(15.6万kW,1965年11月運開)は廃止
|
原子力発電所
1箇所、89万kW[24]
発電所名 |
原子炉型式 |
総出力 |
号機 |
出力 |
運転開始 |
所在地 |
備考
|
伊方発電所 |
加圧水型軽水炉 |
89万kW |
3号機 |
89万kW |
1994年12月15日 |
愛媛県西宇和郡伊方町 |
1号機(出力56.6万kW,1977年9月30日運開)および
2号機(出力56.6万kW,1982年3月19日運開)は運転終了 3号機は2016年9月7日営業運転再開
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新エネルギー
2箇所、2,342kW
過去に存在した発電施設
火力発電所
発電所名 |
使用燃料 |
総出力 |
廃止時期 |
所在地
|
松山発電所* |
石炭 |
14.1万kW |
2001年 |
愛媛県松山市
|
* 松山発電所跡地の一部には、松山太陽光発電所が建設された。
電源調達入札制度について
2箇所、21万5000kW
変電・送電施設
変電所・送電線は、2020年4月に子会社の四国電力送配電に移管された。
超高圧変電所・変換所(50万V)
- 讃岐変電所(中国電力東岡山変電所と接続)
- 阿南変換所(関西電力紀北変換所と接続)
- 阿波変電所
- 川内変電所
- 東予変電所
送電線(50万V)
- 橘湾火力線:橘湾発電所/電源開発橘湾火力発電所-阿南変換所
- 南阿波幹線:阿南変換所-阿波変電所
- 阿波幹線:阿波変電所-讃岐変電所
- 四国中央幹線
- 四国中央東幹線:讃岐変電所-東予変電所
- 四国中央中幹線:東予変電所-川内変電所
- 四国中央西幹線:川内変電所-伊方発電所
地域間連系線
事業所
本店・支社・営業所
PR・ふれあい施設
- 香川県
- ヨンデンプラザ高松:香川県高松市丸亀町11番地1
- ヨンデンプラザ・サンポート:香川県高松市サンポート2番1号 高松シンボルタワータワー棟1階
- 徳島県
- ヨンデンプラザ徳島:徳島県徳島市寺島本町東二丁目29番地
- ヨンデンプラザ池田:徳島県三好市池田町シマ930番地3
- よんでんエネルギープラザ阿南:徳島県阿南市橘町幸野106番地
- 高知県
- ヨンデンプラザ高知:高知県高知市本町四丁目1番16号 電気ビル1階・2階
- ヨンデンプラザ中村:高知県四万十市中村大橋通六丁目9番21号
- よんでんエネルギープラザ本川:高知県吾川郡いの町脇ノ山367番地3
- 愛媛県
- ヨンデンプラザ松山:愛媛県松山市湊町六丁目6番地2
- ヨンデンプラザ新居浜:愛媛県新居浜市徳常町5番15号 新居浜電気ビル別館
- 伊方ビジターズハウス:愛媛県西宇和郡伊方町九町コチワキ3番地204
関連会社
社長
歴代社長は退任後、当社会長、当社相談役、四国経済連合会会長などに就任する。
主要株主
- 日本生命保険:3.97%、925万4千株
- 伊予銀行:3.8%、885万1千株
- 百十四銀行:3.8%、884万6千株
- 住友共同電力:3.03%、706万2千株
- 高知県:2.67%、623万0千株
- 日本マスタートラスト信託銀行:1.91%、444万7千株
- 明治安田生命保険:1.82%、424万4千株
- 四国電力従業員持株会:1.8%、420万4千株
- 日本トラスティ・サービス信託銀行:1.78%、414万3千株
- 第一生命保険:1.57%、366万9千株
スポーツ
四国内のスポーツ団体、競技大会への協賛を多く行っている。また、いくつかの競技で自社チームを持っている。
陸上部
四国電力の陸上部は「RUNRUNよんでん陸上部」の愛称で、1992年に創立された。高松市を本拠に活動し、全日本実業団対抗駅伝競走大会や全日本実業団対抗女子駅伝競走大会など全国大会に出場した。
2013年(平成25年)3月末で廃部となった[29]。
- 主な所属選手
バスケットボール部
バスケットボール部は高松市の四国電力体育館を本拠として活動している。四国では数少ない実業団バスケットボール部で、全国大会の常連となっている。2018年新設の中国・四国・九州地域リーグに参加している。
硬式野球部
広報活動
CM出演者
四国電力webドラマ「ameとpeach」出演者
(四国電力HP上での公開は、2009年11月末にて終了)
この他、STNetのWebCMでは四国各県出身の声優(水樹奈々(愛媛県)・豊崎愛生(徳島県)・小野大輔(高知県)・中村悠一(香川県))を起用したこともあった。
問題・不祥事・事故
天下り問題
福島第一原子力発電所事故以降、経済産業省と電力会社の天下り問題が監督官庁である経産省の原子力発電所の安全基準のチェックを甘くさせる構造として批判が集まった。
不祥事
2023年1月20日、四国電力送配電が管理している個人情報を四国電力社員が不正に閲覧していた事が明らかとなった[30]。同年4月17日に電力・ガス取引監視等委員会が四国電力に業務改善勧告を行った[31]。
事故
2024年11月9日、四国で36万戸におよぶ大規模停電が発生した[32]。当日復旧。原因は関西電力送配電との認識の齟齬があり、異常電力の流れが発生したため[32]。経済産業省は四国電力に対し、原因究明と再発防止策の検討を指示した[32]。
脚注
注釈
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
四国電力に関連するメディアがあります。
外部リンク