『愛すべき名歌たち』(あいすべきめいかたち)は、阿久悠が1997年4月1日から1999年4月27日にかけて、『朝日新聞』夕刊芸能面に通算100回連載したコラム、また、これをもとにした岩波新書の同名の書籍。より厳密には、コラムは「阿久悠の愛すべき名歌たち』、書籍は『愛すべき名歌たち—私的歌謡曲史—』と題されていた。新聞連載修了直後、4月30日には阿久による「百回の連載を終えて」も掲載された。阿久自身の幼いころからの「心にのこる歌、記憶にのこる歌」を[1]、時代順に100曲取り上げ、「個人史からスタートして、やがて社会史に繋がっていく書き方をした」ものである[2]。
書籍版では、新聞連載時とは配列の異同があり、それぞれの時代における阿久の立場を反映した章節の見出しが付けられた。新聞連載時に曲名に添えられていた曲ごとの見出しは省かれている。
小谷野敦は書籍版について「軽すぎず重すぎない筆致が、作詞家としてのバランス感覚を感じさせる」と評した[3]。
コラムで取り上げられた個々の楽曲に関する、その後の記述においては、このコラムにおける阿久の言葉への言及がしばしば見られる。
取り上げられた曲
出典・脚注
- ^ 阿久 1999年207ページ
- ^ 阿久 1999年208ページ
- ^ 小谷野敦 (1999年8月24日). “スリリングでリアルな恋(ウオッチ文芸)”. 朝日新聞(夕刊): p. 5 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “[今日のノート]それぞれの歌”. 読売新聞(大阪朝刊): p. 17. (2000年3月11日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “編集手帳”. 読売新聞(朝刊): p. 1. (2006年8月18日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “天声人語”. 朝日新聞(朝刊): p. 1. (2011年7月13日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ 鈴木琢磨 (2009年12月24日). “特集ワイド:さよならの歌が聞こえる 丘灯至夫さん 作詞家”. 毎日新聞(東京夕刊): p. 2 - 毎索にて閲覧
- ^ “[時代の証言者]作詞・阿久悠(12)GSが変えた日本の音楽界”. 読売新聞(東京朝刊): p. 12. (2005年7月27日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “ばってん日記:「舟唄」と「悲しい酒」”. 毎日新聞(熊本地方版). (2012年2月27日) - 毎索にて閲覧
- ^ “素粒子”. 朝日新聞(夕刊): p. 1. (2001年4月17日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
参考文献