十地経(じゅうじきょう、梵: Daśa-bhūmika Sūtra, ダシャ・ブーミカ・スートラ)とは、初期大乗仏教経典の一つで、後に『華厳経』に編入され、『華厳経』の「十地品」(じゅうじぼん)として伝承された。
菩薩の修行位階(bhūmi, ブーミ)が十段階に分け説かれてゆく。
翻訳
漢訳経典では
- 竺法護訳 『漸備一切智徳経』(大正蔵285)
- 鳩摩羅什訳 『十住経』(大正蔵286)
- 尸羅達摩訳 『仏説十地経』(大正蔵287)
- 完訳『華厳経』として
- 仏陀跋陀羅訳 『大方広仏華厳経』(「六十華厳」、大正蔵278)
- 実叉難陀訳 『大方広仏華厳経』(「八十華厳」、大正蔵279)
がある。
影響
中観派の祖・龍樹は、『十地経』を註釈し『十住毘婆沙論』を著した。巻第五「易行品第九」は、中国・日本の浄土教(浄土宗・浄土真宗など)にも影響を与えた。
唯識派の世親も、註釈書『十地経論』を書き、それを基に中国十三宗の一つ「地論宗」が成立した。
ネパールでは『華厳経』などと共に九法宝典(Navagrantha)という扱いを受けている[1]。
日本語訳
脚注
注釈
出典
関連項目