成唯識論(じょうゆいしきろん、梵: Vijñapti-mātratā-siddhi, ヴィジュニャプティ・マートラター・シッディ)は、法相宗(唯識宗)が所依とする論典の一つ。10巻からなる。
「ヴィジュニャプティ・マートラター」(vijñapti-mātratā)とは「唯識」、「シッディ」(悉地, siddhi)とは「成就」、総じて「唯識による(悟りの)成就(についての論)」の意。
世親が著した『唯識三十頌』について護法が注釈したもので、それを中国の唐代に玄奘が漢訳した唯識の論典[1][2]。
注釈書として、大乗基が玄奘の口述を記した『成唯識論述記』が、唯識学の根本聖典とされた。
日本へも早くに伝わり、長く唯識の教学として研究された。近年新しい訳解説が刊行されている。
文献
脚注・出典
関連項目