宇都宮大学(うつのみやだいがく、英語: Utsunomiya University)は、栃木県宇都宮市峰町350に本部を置く日本の国立大学。1922年創立、1949年大学設置。大学の略称は宇大(うだい)。
県庁所在地、宇都宮市郊外の住宅街に数km離れた2キャンパスを置く。古典的な文学部、理学部などの設置がなく学生数5千人程度と国立大学としては小規模であるが国際学部、地域デザイン科学部、データサイエンス経営学部と時々の時流に乗った進歩的な学部の設置が特徴である。
2020年6月、日本経済新聞社と日経HRが実施した、「企業の人事担当者からみたイメージ調査」(全上場企業と一部有力未上場企業の人事担当者を対象に、2018年4月から2020年3月までの間に採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いた調査)において、宇都宮大学は、エリア別では関東11位、全国20位、「採用を増やしたい大学」で全国3位となった[1][2]。
沿革
- 1949年(昭和24年)5月 - 新制「宇都宮大学」が発足。
- 栃木師範学校、栃木青年師範学校、宇都宮高等農林学校の旧制3校を包括。それぞれは、校名に「宇都宮大学」を冠して(宇都宮大学栃木師範学校、宇都宮大学栃木青年師範学校、宇都宮大学宇都宮高等農林学校)、在校生が卒業するまで存続。
- 学芸学部と農学部の2学部を設置。
- 1951年(昭和26年)3月31日 - 在校生が卒業し、旧制3校(栃木師範学校、栃木青年師範学校、宇都宮高等農林学校)を廃止。
- 1964年(昭和39年)4月 - 工学部を設置(前身の宇都宮工業短期大学を包括)。
- 1966年(昭和41年)4月 - 学芸学部を教育学部に改称、農学研究科を設置。
- 1973年(昭和48年)4月 - 工学研究科修士課程を設置。
- 1984年(昭和59年)4月 - 教育学研究科を設置。
- 1994年(平成6年)10月 - 国際学部を設置。
- 1999年(平成11年)4月 - 国際学研究科を設置。
- 2001年(平成13年)4月 - 遺伝子実験施設を設置。
- 2002年(平成14年)4月 - 留学生センター、工学部ものづくり創成工学センターを設置。
- 2004年(平成16年)4月 - 国立大学の法人化に伴い、国立大学法人 宇都宮大学となる。
- 2011年(平成23年)3月 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による東北地方の被害や計画停電を考慮し、3月24日挙行予定の学位授与式(卒業式)などを中止。
- 2015年(平成27年)8月27日 - 新学部(地域デザイン科学部)の設置と既設学部(教育学部・工学部)の改組の申請が文部科学省に認可される[3][4]。
- 2016年(平成28年)4月 - 地域デザイン科学部を設置[3][4]。
- 教育学部で教員免許取得を卒業要件としない総合人間形成課程の募集を停止[注釈 1]、教員養成に特化。
- 工学部建設学科を新学部に移行(工学部としての建設学科の募集は停止、地域デザイン科学部としての建築都市デザイン学科の募集を開始)。
- 2019年(平成31年)4月 - 工学部基盤工学科および地域創生科学研究科を設置[5]
- 基盤工学科設置に伴い、情報電子オプティクスコース、機械システム工学コース、物質環境科学コースを開設。機械システム工学科、情報工学科、電気電子工学科、応用化学科の学生募集を停止
- 地域創生科学研究科修士課程の設置に伴い,国際学研究科博士前期課程,教育学研究科修士課程,工学研究科博士前期課程及び農学研究科修士課程の学生募集を停止[5]
- 2020年(令和2年)4月 - 共同教育学部(宇都宮大学群馬大学共同教育学部)を設置[6]
- 2024年(2024年)4月 - 兼ねてより地元企業や高校から経営学系・情報学系学部の新設を要望する声が多くあり、6つ目の学部となるデータサイエンス経営学部を新設することとなった[7]。既存の各学部間で連携し運営する「学環」の新設も検討したが、文部科学省から経営やデータサイエンスはニーズが高いとして「学部が望ましい」と指摘があり、学部の新設に踏み切った背景がある。
学部
- 共同教育学部
- 教育人間科学系
- 人文社会系
- 自然科学系
- 芸術・生活・健康系
- 工学部
- 基盤工学科(2019年度より、コース配属は2年次からとなる)
- 応用化学コース
- 機械システム工学コース
- 情報電子オプティクスコース
研究科
- 地域創生科学研究科[注釈 2]
- 博士前期課程
- 社会デザイン科学専攻[9]
- プログラム:コミュニティデザイン学、農業・農村経済学、建築学、土木工学、農業土木学、グローバル・エリアスタディーズ、多文化共生学、地域人間発達支援学
- 工農総合科学専攻[10]
- プログラム:光工学、分子農学、物質環境化学、農芸化学、機械知能工学、情報電気電子システム工学、農業生産環境保全学、森林生産保全学
- 博士後期課程
- 先端融合科学専攻[11]
- プログラム:オプティクスバイオデザイン、先端工学システムデザイン、グローバル地域デザイン
- 教育学研究科[注釈 3](修士課程のみ)
- 2015年入学生以降
- 学校教育専攻
- 教育科学コース
- 領域:教育学、教育心理学
- 特別支援教育コース
- 領域:特別支援教育学
- 教科教育コース
- 領域:国語教育、社会科教育、数学教育専修、理科教育、音楽教育、美術教育、保健体育科教育、技術科教育、家政科教育、英語科教育
- 教職実践高度化専攻(教職大学院)
- 2014年入学生まで[注釈 4]
- 学校教育専攻
- 特別支援教育専攻
- カリキュラム開発専攻
- カリキュラム開発専修
- 領域:カリキュラム開発・経営、カリキュラム実験
- 教科教育専攻
- 国語教育専修
- 領域:国語科教育、国語学、国文学
- 社会科教育専修
- 領域:社会科教育、歴史・地理学、倫理・社会科学
- 数学教育専修
- 領域:数学科教育、代数学、幾何学、解析学
- 理科教育専修
- 分野・領域:理科教育、物質科学、生命・地球科学
- 音楽教育専修
- 領域:音楽科教育、作曲・音楽学、演奏学
- 美術教育専修
- 領域:美術科教育、絵画、デザイン、工芸
- 保健体育専修
- 領域:保健体育科教育、体育学、運動学、学校保健学
- 家政教育専修
- 領域:技術科教育、技術学
- 技術教育専修
- 領域:家庭科教育、生活科学、家族・生活経営学
- 英語教育専修
- 領域:英語科教育、英米語学・英米文学
- 工学研究科
- 博士前期課程
- 機械知能工学専攻
- 電気電子システム工学専攻
- 物質環境化学専攻
- 地球環境デザイン学専攻
- 建築環境デザイン学コース
- 社会基盤デザイン学コース
- 情報システム科学専攻
- 先端光工学専攻(2015年度に設置)
- 学際先端システム学専攻(2015年度に募集停止)
- オプティクスコース
- ITスペシャリストコース
- 融合領域システムコース
- 博士後期課程
- システム創成工学専攻
- 循環生産工学コース
- 機能創成工学コース
- 知能情報学コース
- 学際先端システム学コース
- 農学研究科[注釈 5](修士課程)
- 生物生産科学専攻
- 修士講座等:植物生産学、動物生産学、応用生物学、応用生物化学、資源循環・土地利用型畜産学(分野)
- 農業環境工学専攻
- 農業経済学専攻
- 森林科学専攻
附属機関・施設
- 学部附属教育研究施設
- 国際学部附属多文化公共圏センター
- ロボティクス・工農技術研究所(REAL)[12]。
- 工学部附属ものづくり創成工学センター
- 農学部附属農場
- 農学部附属演習林
- 学内共同教育研究施設
- オプティクス教育研究センター
- 雑草と里山の科学教育研究センター
- 総合メディア基盤センター
- 留学生・国際交流センター
- バイオサイエンス教育研究センター
- 地域創生推進機構(地域共生研究開発センター、地域デザインセンター、地域連携教育研究センターを統合)[13]
- 保健管理センター
- キャリア教育・就職支援センター
- 基盤教育センター
- 教職センター
- その他の施設
- UUプラザ
- 大学と地域とを結ぶ架け橋として、2011年6月にオープンした。1階にインフォメーションフロア、2階にコミュニティフロアがあり、学生や職員のほか、近隣地区の自治会などが憩いや懇談の場として利用できる。
- 日光自然ふれあいハウス
- 2008年11月に農学部附属日光演習林宿泊施設を名称変更し、全学施設化。
- 峰ヶ丘講堂
- 1923年に宇都宮高等農林学校の講堂として建てられ、2009年3月に改修された。学生や職員のほか、近隣地区の自治会なども利用できる。
- 大学会館(峰キャンパス)
- 売店、食堂のほか、多目的ホールなども備える。
- 石井会館(陽東キャンパス)
- 売店、食堂のほか、研修室や談話室なども備える。
- 学生寮
- 第1寮(宇都宮市石井町2980番地)
- 定員36名の男子寮。鉄筋3階建てで、全て個室。
- 第2寮(宇都宮市石井町2980番地)
- 定員44名の女子寮。鉄筋3階建てで、全て個室。
- 陽東寮(宇都宮市陽東7丁目1番2号)
- 定員80名の男子寮。鉄骨3階建てで、全て個室。
- 雷鳴寮(宇都宮市陽東7丁目1番2号)
- 定員36名の男子寮。鉄筋3階建てで、全て個室。
対外関係
他大学との協定
- 国内・学術交流等協定校
- 国際・学術交流等協定校
- 部局間学術交流等協定校
以上の大学との提携関係は、国際交流室が担当している。提携内容は、先方の学生と、宇都宮大学との留学生の交換が主である。宇都宮大学と無関係の日本人が、先方の大学に留学し、宇都宮大学に対し日本における観察・実験の調査を依頼しても無理である。
民間企業
地方自治体
キャンパス
峰キャンパス
交通アクセス
- LRT利用:宇都宮ライトレール「峰」停留場下車 徒歩12分[18]
- バス利用:関東自動車「宇都宮大学前(宇大前)」バス停下車 徒歩1分[18]
陽東キャンパス
交通アクセス
受勲
ロケーション撮影地として
本大学のキャンパスはテレビドラマやCMのロケーション撮影地として頻繁に用いられている[19]。
大学関係者と組織
大学関係者一覧
企業からの評価
人事担当者からの評価
2020年に日本経済新聞社と日経HRが実施した、「企業の人事担当者からみたイメージ調査」(全上場企業と一部有力未上場企業4,814社[20]の人事担当者を対象に、2018年4月から2020年3月までの間に採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いた調査)において、同大学は、「全国総合」で781大学[21]中第20位[20]にランキングされた。
脚注
注釈
- ^ 2015年(平成27年)4月入学生の卒業する2019年(平成31年)3月に廃止される。
- ^ 「大学要覧」に記載はないが、「宇都宮大学学則」によると、博士講座として「国際学研究」がある。前期課程の講座は「大学要覧」、2015年入学生用の博士前期課程の学生募集要項[1]による。
- ^ 分野・領域は2016年度入学生用の「学生募集要項」(第2次)[2]による。
- ^ 分野・領域は2014年度入学生用の「学生募集要項」(第2次)[3]による。
- ^ 各専攻の修士講座等は、「学生募集要項」(2016年度入学生用)[4]による。なお、2015年度版の大学概要では、いずれも「講座」に分類されている。
- ^ 大講座は、「東京農工大学大学院連合農学研究科概要」(2015年版)[5]による。
出典
関連項目
外部リンク
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関連項目 | |
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