『武者ケロ』(むしゃケロ)は、武者や戦国時代をモチーフとした『ケロロ軍曹』のメディアミックス作品の総称。
概要
『ケロロ軍曹』のメディアミックス作品の1つ。武者や戦国時代をモチーフとした作品であり、この他に海賊をモチーフとした『ケロロパイレーツ』などのメディアミックス作品が造られている。
ケロロ小隊
本稿では、『武者ケロ』での呼称とその設定のみを記述する。他のメディアでのケロロ小隊についてはケロロ小隊を参照。
- 武者ケロロ(むしゃケロロ)
- 声 - 渡辺久美子
- 武将のような鎧や兜を装着している。
- テレビ版は、彼が『武者ケロ お披露目!戦国ラン星大バトル!!』での出来事の終了後、嘘の報告をしたことが事の発端となっている。
- タママ足軽兵(タママあしがるへい)
- 声 - 小桜エツ子
- 漫画版では、ヴァイパーに敗れた後、かつて鬼を倒した神に似ているとして奉られていた。
- ギロロ浪人(ギロロろうにん)
- 声 - 中田譲治
- クルル藪医(クルルやぶい)
- 声 - 子安武人
- 漫画版では、ヴァイパーに敗れた後、秋葉原に似たアキバシティで暮らしていた。
- ドロロ頭領(ドロロとうりょう)
- 声 - 草尾毅
- 漫画版とアニメ版で最も立場が違ったキャラクター。
- アニメ版では、「戦国」という忍者の設定を色濃く出せる場所のため、影が濃くなりいつもより生き生きしている。
- 漫画版では、トラウマを引きずるキャラクターで、アニメや原作漫画とも異なりトラウマスイッチの発動とともにケロロをボコボコにしている。
ロボット
アニメ版にも登場するが、漫画版は彼らのロボットを探すのが主題となっている[1]。
- 武者ケロロロボ
- ケロロの専用機。化身はケロン人を思わせる姿をした「おっさん」。
- 牛蛙形態
- 四つ足で走る形態。
- 足軽タママロボ
- タママの専用機。化身はスーパーインセクターを思わせる姿をした「カブトムシ」。
- 御玉杓子形態
- プラモデルのみでの登場。
- 浪人ギロロロボ
- ギロロの専用機。化身は旅の途中であった赤ん坊の「ダイギロー」。
- 鉄拳砲撃形態
- 桃太郎を倒す際に変形。
- 藪医クルルロボ
- クルルの専用機。化身はクルルロボの入っていた「岩」。
- シャチホコ形態
- 漫画版にも登場するが名前は登場しない。
- 頭領ドロロロボ
- ドロロの専用機。化身は東谷小雪を思わせる姿をした「お雪」。
- 天翔木馬形態(ペガサスモード)
- 飛行可能の形態。
- アキヴァンゲリヲン
- 漫画版オリジナル。クルルが製作したロボット。“初号機”はいわゆる典型的なオタクの姿をしている。大きさはヴァイパーロボより小さく、銃撃で簡単に倒されてしまった。後に苦情が来たらしく“真初号機”として日向秋に似たロボットが登場した。エヴァ初号機の特徴的な部分を着たような姿で際どい格好。出撃したものの、量産機(オタク)に囲まれ逃亡した。
合体形態
- ケロロロボ・タママロボの合体
- 名前は不明。必殺技は「タママラブラブインパクト」。
- 団子大将軍
- ケロロロボ・タママロボ・クルルロボの合体。必殺技は、永友の槍で放つ「スペシャルフレンドリー・ハイパーメガトンハンマー」。
- 計六六大将軍
- ケロロ小隊のロボット全五体の合体。
- 天下無双形態
- 必殺技は、次元封魔槍計六光で放つ「閻魔落し」。
アニメ版
映画『武者ケロ お披露目!戦国ラン星大バトル!!』から始まり、その後テレビアニメ5thシーズンにてシリーズ化され不定期で放送されていた。
サブタイトル
- 武者ケロ お披露目!戦国ラン星大バトル!!
- 劇場版。
- 武者ケロ 壱の巻 伝説の勇者 でござそうろう
- 第211話。2008年5月10日放送。
- 武者ケロ 弐の巻 爆笑!戦国お笑い合戦 でござそうろう
- 第219話。2008年7月5日放送。
- 武者ケロ 参の巻 大爆発!桃姫危機一髪 でござそうろう
- 第231話。2008年9月27日放送。
- 武者ケロ 四の巻 武者ケロ小隊 西へ! でござそうろう
- 第237話。2008年11月8日放送。
- 武者ケロ 伍の巻 隠し砦のケロン人 でござそうろう
- 第249話。2009年2月7日放送。
- 武者ケロ 六の巻 蘇る勇者!! でござそうろう
- 第250話。2009年2月14日放送。
アニメ版サブタイトルの末尾にある「でござそうろう」は、それぞれの前週における次回予告では「でござ候」と表記。
商品展開
- プラモデル
- ケロロ小隊の武者ケロバージョンの5体、武者ロボの5体がプラモデル化された。
- DVD
- アニメの通常のDVDとは別に、『ケロロ軍曹 武者ケロせれくしょん でござ候』の上ノ巻、下ノ巻として発売。
登場人物
武者ヴァイパー
『武者ケロ』シリーズに登場。武士のような鎧を身にまとっている七人兄弟のヴァイパーで、戦国ラン星を支配している。また、兄弟一人一人の顔の色や左腕の武装(ただし武者ヴァイパーシローのみ右腕)も異なっている。アニメ版に登場する他のヴァイパーと同じく声は全て飛田展男が担当しているが血縁関係は不明。
- 武者ヴァイパー竹千代(むしゃヴァイパーたけちよ)
- 長男。第231話で登場。左腕に鋭い釘先のついた棍棒型のサイコガンを装備。
- 武者ヴァイパー次郎長(むしゃヴァイパーじろちょう)
- 次男。第237話で登場。左腕に鉄の爪型のサイコガンを装備。
- 武者ヴァイパーサブロー(むしゃヴァイパーサブロー)
- 三男。第219話で登場。左腕に棘の付いた金棒型のサイコガンを装備。
- 武者ヴァイパーシロー(むしゃヴァイパーシロー)
- 四男。第219話で登場。三男の武者ヴァイパーサブローと「武者ヴァイパーサブロー・シロー」というコンビを組んでいる。ヴァイパー関連のキャラクター中、唯一の左利きであるため上記のヴァイパーサブローと対をなすように右腕に棘の付いた金棒型のサイコガンを装備している。
- 武者ヴァイパー五右衛門(むしゃヴァイパーごえもん)
- 第237話のラスト・第249話・第250話で登場。名古屋弁を話す。左腕には鎖の付いたかぎ爪が装備されている。彼自身が利用した筈の伝説の魔獣「ナナマタノオロチ」に呆気なく倒された。
- 武者ヴァイパー六之丞(むしゃヴァイパーろくのじょう)
- 六男。第211話で登場。左腕に伸び縮みする式の蛇の鞭型のサイコガンを装備。
戦国ラン星(スター)の住人
モブキャラクター以外全員、武者ケロ小隊の顔見知りにそっくりなためケロロたちは必ず間違える。また、冬吉など一部キャラクターを除けば全員基となったキャラクターと正反対の性格・性質をしている。
- おモア
- 声 - 能登麻美子
- 超劇場版3の短編で初登場。テレビシリーズの武者ケロシリーズの回にも毎回登場している武者ケロ小隊以外で唯一のレギュラーキャラクター。擬態時のアンゴル=モア(地球人の麻美)にそっくりな少女で、茶屋の娘(超劇場版3ではだんご屋)。べらんめぇ口調で話し、武者ケロロのことを「おっさん」と呼ぶ。なお、テレビシリーズではおむすび屋(211話)→イカ焼き屋(219話)→飛脚(231話)→写真屋(237話)→木こり(第249話)と登場するたびに職が変わっている。初登場時、頭に着けているヘアピンがMATのエンブレムを模したものになっていた。
- 平吉(へいきち)
- 声 - 下野紘
- アニメ第231話・第250話で登場。吉岡平に似た、吉屋(よしや)の花火師。ラストで桃姫と仲睦まじく寄り添いあうが、家老から咎めの視線を受けてしまう。クルルには、マリオ (ゲームキャラクター)をもじり、「マリ吉」と呼ばれている。
- 家老
- 声 - 藤原啓治
- アニメ第231話・第250話で登場。ポールに似た、桃姫の家老。名前は明かされていない。桃姫には「じい」と呼ばれている。
- メロディーヌ船長(メロディーヌせんちょう)
- 声 - 豊口めぐみ
- アニメ第237話・第250話で登場。メロディ・ハニーに似た、宇宙船黒船丸の船長。様々な星を渡り歩いているからかおかしな口調でしゃべる。
- 五十六(いそろく)
- 声 - 檜山修之
- アニメ第249話・第250話で登場。556によく似た人物。姉のおラビとともに武者ヴァイパーのもとで強制労働をさせられていた。オリジナルの556とは対照的に体も性格も非常に弱く、常に鼻水を垂らしており時々くしゃみをする。兄妹の関係もオリジナルと逆になっている。
- おラビ
- 声 - 金田朋子
- アニメ第249話・第250話で登場。五十六の姉。ラビーによく似ている。オリジナルのラビーとは正反対に気が強く、ヴァイパーの部下に対してもはっきりと文句を言う。また、オリジナルが「すみません、すみません」と言うのに対し「すんまそん、すんまそん」と言う。
- 語り部
- 声 - 藤原啓治
水晶玉の守人の一族
以下に挙げる全員が水晶玉の守人の一族・その子孫であることは、アニメ第250話にて明かされた。一族はかつて武者ヴァイパーが攻めてきた際、彼らに戦いを挑むも敗れ、水晶のうち4つを失った(残り1つは武者ヴァイパーの手中。アニメ第249話より)。
- 冬吉(ふゆきち)
- 声 - 川上とも子(第211話) → 桑島法子(第249話・第250話)
- アニメ第211話で登場。日向冬樹に似た少年。アホ毛の部分に髪留めをしている。なまった口調で話す。一人称は「僕」。
- 冬樹同様オカルト好きで、武者ケロロ小隊のことを、かつて自分たちの住む村を救った「伝説の勇者」だと思っていた。
- アニメ第249話・第250話で再登場。彼の村が武者ヴァイパーに襲われた際、どうにか難を逃れたが、第249話の段階では行方がわからなかった(村人の話より)。
- お夏(おなつ)
- 声 - 斎藤千和
- アニメ第211話のラスト・第219話・第250話で登場。日向夏美に似た少女。ツインテールの部分に星型の髪飾りをつけている。オリジナルの夏美に比べると温和な性格で、武者ケロロ曰く「夏美殿から番長オーラを取り除いた感じ」。一人称は「うち」で、一部の仙台弁を使い、ギロロ浪人のことは「赤だるまさん」と呼ぶ。
- おじいが病気だったが、黄ばんだお医者さんに治してもらった。第250話では「すべり芸アイドル」としてドイナーカ星で活躍していた。
- 桃姫(ももひめ)
- 声 - 池澤春菜
- アニメ第219話のラスト・第231話・第250話で登場。西澤桃華に似た桃城(ももじょう)のお姫様。かんざしを差している。京都弁を使う。国の滅亡を防ぐために武者ヴァイパー竹千代と婚約させられていたが、実際は平吉に思いを寄せていた(平吉もまた、桃姫に思いを寄せている)。当初は裏人格がないお淑やかなお姫様だったが、平吉を傷つけた武者ヴァイパー竹千代に激怒して桃華と同様二重人格者になってしまう。クルルには「ピーチ姫」と呼ばれている。
- 六二三(むつぞう)
- 声 - 石田彰
- アニメ第231話のラスト・第237話・第250話で登場。サブローに似た少年。本物の北城睦実およびサブローと違って一人称は「僕」。長崎弁を使う。「六二三」の名は戦国ラン星での名前だという。ケロロらと対面する1年前に浮世絵漫画家を目指して故郷のポルトガ星からかつて浮世絵漫画家が多数いたラン星に留学し、デジマー港[2]に滞在していた。しかし画力はかなり悪かったので、夢をあきらめ、宇宙船黒船丸に乗り込んで密航で故郷へ帰ろうとしていたが、第237話でのエピソードを通してラン星に残ることを決意した。オリジナルのサブローと比べるとやや弱気で、卑屈になってしまうと長く尾を引いてしまう性格。
- なお、この第237話に登場した固有名詞はポルトガ星→ポルトガル、デジマー港→出島、黒船丸→黒船等鎖国に関するものであるが、鎖国で出島に移されたのはポルトガルではなくオランダであり、黒船の来航は出島ではなく浦賀など実際の事実とやや異なる部分がある。
- 雪乃(ゆきの)
- 声 - 広橋涼
- アニメ第237話のラスト・第249話・第250話で登場。東谷小雪に似た忍者の女性。一人称は「某」(それがし)。オリジナルの小雪とは違い冷酷な面も時折見せる。水晶が武者ヴァイパーに奪われたことで、彼に仕えるふりをして反撃の機会をうかがっていた。
- エンディングのクレジットでは「雪乃進」と表記されている。
- アキ
- 声 - 平松晶子
- アニメ第250話で登場。日向秋に似た人物。ケロロたちが過去の世界に封印した5つの水晶を、その世界で最初に手にした人物。水晶を神が授けてくれたものだと思い、彼女の家の家宝とした。彼女の子孫が冬吉らにあたる。古文のような話し方をする。
『特別訓練☆戦国ラン星大バトル!』
正式タイトルは、『ケロロ軍曹 特別訓練☆戦国ラン星大バトル!』(ケロロぐんそう とくべつくんれん せんごくランスターだいバトル!)は、原作:吉崎観音、作画:夢唄による日本の漫画作品。『ケロロ軍曹』のメディアミックス作品。『ケロケロエース』(角川書店)にて連載された。単行本は全3巻。
概要
舞台や一部の登場人物を除いて劇場、テレビのアニメの武者ケロとは異なるストーリーが展開される。作中では『新世紀エヴァンゲリオン』などのパロディが随所に見られる。
あらすじ
作戦報告書が未提出だったケロロ軍曹の言い逃れ的な不用意な発言によって、「戦国ラン星の制圧任務」を言い渡される。失敗すれば地球侵略作戦から強制撤退。家に居たために巻き込まれてしまった夏美・冬樹とともに任務遂行に奔走する。
『特別訓練☆戦国ラン星大バトル!』の登場人物
ケロロ小隊については、#ケロロ小隊を参照。
『ケロロ軍曹』の登場人物
- 日向夏美
- アニメと違い、夏美本人。ギロロとともに行動することが多い。戦闘では自身もパワードスーツを着用。中盤からクルルから戦国用のパワードスーツ「鬼姫」を渡される。この「鬼姫」は、ギロロロボとクルルロボと合体することで電怒呂美有無となる。
- 日向冬樹
- アニメと違い、冬樹本人。ゴローに狙われることが多い。ケロロとともに行動し、それに巻き込まれることとなる。
- ブジドーサン
- 負の螺旋を倒した後に登場。その正体は、ギロロの兄、ガルル中尉であるが、普段のガルルからは思いもよらないような行動をとる。
ヴァイパー家
アニメ版とは設定や名前が少し異なっているが、「戦国ラン星を制圧しているヴァイパーの七人兄弟」という設定は共通している。
- イチロー
- 長男。負の螺旋に取り憑かれてしまう。
- ジロー
- 次男。発明家で「ダミーケロンプラグ」「かみなりひらり傘」「ツインドライヴ」などを開発しているようだが、抜けている面がある。
- サブロー
- 三男。ホスト。そのスキルを生かし、温泉町の女将を言いくるめる。
- シロー
- 四男。ゴローに誘われ、温泉に来ていた。
- ゴロー
- 五男。気が利く性格で、敗戦で士気の下がった兄たちを温泉に誘うなどする。ホモかショタの気がある模様。
- ロクロー
- 六男。三次元より二次元を好む嗜好があり、敗戦後引きこもってしまう。
- シチロー
- 七男。アキバシティで夏美に惚れるが、その後、夏美に倒されたことによって夏美を恐れるようになる。
鬼
かつて、戦国ラン星で暴れていたが、桃源村を作った桃太郎やタママに似た神様に倒された。
現在では、「負」の螺旋に取り憑かれた桃太郎の部下となっていた。
その他
- 萌亜
- アンゴル=モアに瓜二つの女性。ケロロ小隊や日向姉弟と共に転送された日向家に食料を求めて忍び込んだ所を見つかり、共に行動する。
- 正体は安豪家という高貴な家柄の姫君。ヴァイパーに殺された両親の仇討ちのためヴァイパーを探している。“安豪流”という流派を用いて戦闘を行う。
- 「負」の螺旋
- 本体は黒いエネルギー体。自らを神と称し、古代より人々に取り憑いては厄災を引き起こしてきた。登場時は桃太郎に取り憑き、ギロロに倒された後ヴァイパー七兄弟の長男イチローに取り憑き惑星征服を企む。
- 桃太郎
- 桃源村という村を作った桃太郎の子孫。ずんぐりむっくりした体型で、鬼とともに猿・雉・イヌ・爺婆一族の住む桃源村を襲撃し、支配下に置く。実は上記の「負」の螺旋に取り憑かれており、倒され「負」の螺旋が抜けた事で正気に戻った。
単行本
- 第壱話 - 第七話 ISBN 9784047150348(2008年3月8日発売、巻数は表記されていない)
- 第八話 - 第拾四話 ISBN 9784047151383(2008年11月26日発売)
- 第拾五話 - 第弐拾壱話 ISBN 9784047152458(2009年7月25日発売)
アニメ版との相違点
- 戦場(舞台)はアニメ版と同じく戦国ラン星であるが、地名や歴史などが異なっている。
- アニメでは戦国ラン星に行くのはケロロ小隊のみであるが、漫画では日向冬樹と日向夏美が日向家ごと演習に巻き込まれている。
- アニメではケロロ以外はロボットではなく道具であったが、漫画では全員の兵器がロボットとなっている。
その他、原作者とは別なこともあり、使用されるパロディなどが異なっている。
戦国ラン星
アニメ版・漫画版ともに舞台となる惑星。一見、戦国時代くらいの文化レベルに見えるが、ロボットなどの近代兵器も使用されている。
どちらの作品でも、ケロン軍の特別訓練に選ばれており、漫画ではある村の鬼たちを退治した神様がタママの容姿にそっくりなど、ケロン軍と何らか関係を持っている様子。
脚注
- ^ このため、漫画版では原作漫画などに比べてロボットアニメのパロディが多くなっている。
- ^ テレビ東京公式HPにはデジーマ港と書かれている。
関連項目