『プロパガンダ』(A Y.M.O. FILM PROPAGANDA)は、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)主演の日本映画。1984年製作。
1983年12月に散開したYMOの散開コンサートを素材として製作された映画で、12月12日と12月13日のライヴ映像と翌1984年に撮影された映画の部分から構成されている。
あらすじ
昭和駅に降り立った一人の少年。彼は寂れた町中にYMOのポスターを貼っていく。突如、少年の行く手をさえぎる高い塀。少年は壁の穴から向こうを覗くと、荒涼とした冬の海岸に第三帝国時代の議事堂を思わせる巨大なステージがそびえ立っている。夜の闇に包まれたステージに立った少年は、YMO散開コンサートの幻を見る。
キャスト
楽曲
製作
映画の部分は1月11日にクランクイン、1月28日にクランクアップしている。映画のロケ地は下記の通りである。
補足事項
- 冒頭に流れる女のナレーション(ジャン=リュック・ゴダール監督のSF映画『アルファヴィル』からの引用)と、最後に流れる少年のナレーションを除いて、出演者全員にセリフがない。一人の少年と女の織りなすドラマにライヴの楽曲をBGMとして重ね、三者三様(細野、坂本、高橋)の映像詩として構成した趣である。
- 純然たるライヴの映像は「PROPAGANDA」の後半から「TONG POO」「BEHIND THE MASK」のみであり、随所にライヴの映像が挿入されるが、散開ライヴの完全収録ではない。散開ライヴの際の音声が、完全にBGMとして使われている楽曲もある。なおライヴ部分の映像が収録された1983年12月12日と12月13日(両日とも会場は日本武道館)には、ライブ・アルバム「アフター・サーヴィス」の収録も同時に行われている。
- 上記の挿入楽曲内にある「M16」は未発表曲であり、この映画でしか聴くことが出来なかったが、1993年に発刊された書籍「period」の付録CDに初収録され、2003年に発売されたベスト・アルバム『UC YMO』にも収録されている。
- 本作品のクライマックスである、ライブセットの炎上シーンは、実際に1983年の日本武道館ライブで使用されたものを千葉にある平砂浦海岸に組み立て、本当に燃やしたところを撮影したものである。
- 1984年4月5日に新宿シアターアプルにて試写会が行われたあと、全国各地で公開された。
- DVDは2001年に発売、後2011年10月に再発(インナースリーブは2001年版とは異なる)。
- 2013年2月10日に、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルのプログラム内で上映された[1]。上映後に佐藤信監督のトークショーが開催され、製作のいきさつや撮影時の思い出話を披露しファンの質疑応答に応えた。この映画の撮影後現在に至るまで、YMOのメンバーには誰とも会っていないことを告白した。
スタッフ
関連項目
脚注
外部リンク