『決定版 YMO ベスト・セレクション 』 (Y.M.O. BEST SELECTION ) は、YMO の2枚目となるベスト・アルバム。
1982年 10月21日 にカセットテープ でアルファレコード よりリリースされた。
YMOのベストカセットとしては、これ以前に『BEST ONE イエロー・マジック・オーケストラ』(1980年 )、『BEST ONE Y.M.O.ファミリー』(1981年 )、『BEST ONE'82 YMO大全集』(1981年)などがリリースされているが、後に再リリースされる事はなく全て廃盤 となっている。
本作は、初期と中期のアルバムからヒット曲やビート感のある曲を選曲したもので、CDが普及途上だった1986年に『決定版 ○○ ベスト・セレクション』として『決定版/ベストセレクション YMOファミリー』(1982年)と共にシリーズごとCD化されたものの、1990年9月の2度目のCD化を最後に廃盤となっている。
背景
アルバム『テクノデリック 』(1981年)リリースと同日には細野晴臣 がプロデュースしたチャクラ のアルバム『さてこそ』がリリースされた。その後YMOは「ウィンター・ライヴ1981 」と題したコンサートツアーを11月24日 の宮城県民会館 から12月27日 のツバキハウスまで、9都市全13公演行った。
ツアー中の12月1日 には坂本龍一 プロデュースによる東京放送児童合唱団 の酒井司優子によるシングル「コンピューターおばあちゃん 」がリリースされ、同曲はNHK教育 音楽番組『みんなのうた 』(1961年 - )にて使用された。12月5日 には高橋幸宏 と鈴木慶一 のユニット「THE BEATNIKS 」のアルバム『EXITENTIALISM 出口主義』とシングル「No Way Out(出口なし)」が同時にリリースされた他、細野が作・編曲した曲が収録されたイモ欽トリオ のアルバム『ポテトボーイズNo.1』がリリースされた。12月20日 には坂本がプロデュースした宮崎美子 のアルバム『Mellow』がリリースされた。12月27日 にはツアー最終日となるツバキハウスでの公演が行われ、ゲストとして松武秀樹 、立花ハジメ 、EXの梅林茂 が参加した。12月29日 には渋谷東映 でのRCサクセション のライブ「真夜中のロック・ショー」に坂本がゲスト出演し、これが縁となり後に共作する事となった。また1981年を以ってA&Mレコード との契約が終了したため、以降の作品の日本国外でのリリースは全てCBS/ALFAからリリースされる事となった。
1982年に入り、1月にはイギリス にて高橋のソロアルバム『NEUROMANTIC 』とシングル「ドリップ・ドライ・アイズ」がリリースされた。1月3日 にはNHK-FM にて昨年末の新宿コマ劇場でのライブの模様が放送され、司会はYMOの3人とイモ欽トリオが担当した。2月にはイギリスでセカンドアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー 』がリリースされた。2月14日 には忌野清志郎 +坂本龍一のシングル「い・け・な・いルージュマジック 」(1982年)がリリースされ、50万枚を売り上げるヒット曲となった。2月21日 にはシングル「体操 (YMOの曲) 」、坂本とダンスリー との共作アルバム『エンド・オブ・エイジア』、スネークマンショーのアルバム『スネークマンショー海賊盤 』がリリースされた。
3月にはイギリスで「ライディーン 」がリリースされ、高橋はソロアルバムのレコーディングのためにロンドン に向かった。3月1日 には坂本と高橋が参加した伊藤つかさ のアルバム『さよなら こんにちは』がリリースされた。3月21日 には細野が参加したイモ欽トリオのシングル「ティアドロップ探偵団 」がリリースされた。3月24日 には日本テレビ系 深夜番組『11PM 』(1965年 - 1990年 )に細野と高橋が出演、3月27日 にはフジテレビ系 バラエティ番組『オレたちひょうきん族 』(1981年 - 1989年 )に3人で出演、さらに3月30日にはフジテレビ系バラエティ番組『THE MANZAI 』(1981年 - 1982年)に「トリオ・ザ・テクノ」として出演し漫才や物まねを披露した。
4月1日 には細野が参加した山下久美子 のシングル「赤道小町ドキッ 」、高橋が参加した中原理恵 のアルバム『インスピレーション 』がリリースされた。4月15日 にはフジテレビ系音楽番組『ミュージックフェア 』(1964年 - )に出演、「恋人よ我に帰れ 」(1928年 )をテクノポップ調アレンジで演奏した。4月21日 には高橋が参加したアゴ&キンゾー のシングル「世界最強の愛のテーマ」がリリースされた。5月にはイギリスにて高橋のソロアルバム『音楽殺人 』とシングル「MURDERED BY THE MUSIC」がリリースされた。5月1日 には3人が参加した矢野顕子 のアルバム『愛がなくちゃね。 』、細野が参加した真鍋ちえみ のシングル「ねらわれた少女」がリリースされた。5月21日 には細野と高橋が発起人となった"\ENレーベル"の第一弾として、細野のソロアルバム『フィルハーモニー 』、高橋と坂本が参加した立花ハジメ のアルバム『H』がリリースされた他、高橋が参加したスーザン のシングル「サマルカンド大通り」がリリースされた。
6月21日 には高橋のソロアルバム『WHAT, ME WORRY? 』、細野がプロデュースしたゲルニカ のアルバム『改造への躍動 』、坂本龍一&ロビン・スコット (英語版 ) のシングル「アレンジメント」、坂本が参加した土屋昌巳 のアルバム『RICE MUSIC』がリリースされた。6月22日 には高橋のソロコンサートツアー「YUKIHIRO TAKHASHI TOUR '82 WHAT ME WORRY 」が浦安市文化会館ホールより開始され、7月28日まで開催された。6月25日 には細野が参加したESアイランド のシングル「テクテク・マミー」がリリースされた。7月にはイギリスで高橋のシングル「DISPOSABLE LOVE」がリリースされた。7月1日 には坂本が参加した三田寛子 のシングル「夏の雫 」がリリース、7月7日 には細野が参加したスターボー のシングル「ハートブレイク太陽族 」、7月10日 には細野が参加した柏原芳恵 のシングル「しあわせ音頭」、7月21日 には高橋のミニアルバム『WHAT, ME WORRY? ボク、大丈夫?』と細野が参加したコスミック・インベンション のシングル「プラトニック学園」がそれぞれリリースされた。
8月21日 には坂本は映画『戦場のメリークリスマス 』の撮影のためラロトンガ島 へと向かった。8月25日 には細野が参加した真鍋ちえみのアルバム『不思議・少女』がリリースされた。9月1日 にはTHE BEATNIKSのシングル「海を流れる河のように」、9月5日 には坂本とデヴィッド・シルヴィアン のジョイントシングル「バンブー・ミュージック」、9月21日 には細野と高橋が参加したサンディー &ザ・サンセッツのアルバム『イミグランツ』、坂本と細野が参加した大貫妙子 のアルバム『クリシェ 』、高橋が参加したピエール・バルー のアルバム『ル・ポレン』がそれぞれリリースされた。10月1日 には細野が参加した真鍋ちえみのシングル「ナイトトレイン・美少女」、ロジック・システム のアルバム『東方快車 〜Orient Express〜』がリリースされた。
構成
以下のアルバムより選曲されている。なお、本作の「NICE AGE」はフェードアウト処理で曲が終了するが、同シリーズに属する『決定版 YMOファミリー ベスト・セレクション』(YMO曲+メンバーのソロ曲+メンバープロデュース曲)収録の「NICE AGE」はフェードアウト処理されていない。
リリース
1982年 10月21日 にカセットテープ でアルファレコード よりリリースされた。同日には同じベストカセットとして『坂本龍一ベスト・セレクション』、『高橋幸宏ベスト・セレクション』、『YMOファミリー・ベスト・セレクション』がリリースされている。
1986年 2月25日 に初CD 化され、1990年 9月11日 に販売価格を改定してリリースされた。
収録曲
SIDE - 1 全編曲: YMO。 # タイトル 作詞 作曲 時間 1. 「雷電 」(RYDEEN) 高橋幸宏 4:26 2. 「ビハインド・ザ・マスク 」(BEHIND THE MASK) クリス・モズデル 坂本龍一 3:37 3. 「コズミック・サーフィン 」(COSMIC SURFIN') 細野晴臣 4:28 4. 「東風 」(TONG POO) 坂本龍一 6:17 5. 「テクノポリス 」(TECHNOPOLIS) 坂本龍一 4:14 6. 「千のナイフ 」(1000 KNIVES) 坂本龍一 5:22 合計時間:
28:24
SIDE - 2 # タイトル 作詞 作曲 時間 7. 「体操 」(TAISO) 坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏 坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏 4:20 8. 「ナイス・エイジ 」(NICE AGE) クリス・モズデル 高橋幸宏、坂本龍一 3:48 9. 「手掛かり 」(KEY) 細野晴臣、ピーター・バラカン 細野晴臣、高橋幸宏 4:32 10. 「デイ・トリッパー 」(DAY TRIPPER) レノン=マッカートニー レノン=マッカートニー 2:41 11. 「ユーティー 」(U.T) 坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏 坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏 4:31 12. 「京城音楽 」(SEOUL MUSIC) 坂本龍一、ピーター・バラカン 坂本龍一、高橋幸宏 4:46 13. 「キュー 」(CUE) 高橋幸宏、細野晴臣 補作詞:ピーター・バラカン 高橋幸宏、細野晴臣 4:46 合計時間:
29:24
リリース履歴
脚注
出典
参考文献
外部リンク