伊吹 吾郎(いぶき ごろう、1946年〈昭和21年〉1月2日[1] - )は、日本の俳優・タレント・司会者。本名:伊吹 勝敏。北海道[1]爾志郡熊石村出身。身長175cm、血液型O型。北海道釧路工業高等学校卒業、国士舘大学工学部中退。ティー・アーティスト所属。長男は伊吹康太郎。孫はプロボクサーの伊吹遼平(娘の息子)。
1965年に日本映画テレビ演劇学院に入所、1966年第7期生東宝ニューフェイス入り、東宝俳優養成所に入所[2][1]。1968年にフリーとなり、テレビドラマ『さむらい』でデビュー。
1969年、テレビ時代劇『無用ノ介』のオーディションを受け、主役に抜擢される[1]。作者のさいとうたかをは伊吹について「風貌があまりに劇画的」だったと語っている[3]。
1969年7月[4]、新国劇に入座[5][6]。同年10月、東映と専属契約を交わす[4][6][7](映画のみの専属)[8]。岡田茂 (東映) は「風貌がいい。時代劇と現代劇の両方に出てもらう。次世代の東映を担うに足るスケールの大きさを感じる」と評した[6]。
東映作品第一号は『五人の賞金稼ぎ』で、二作目の『殺し屋人別帳』は岡田と天尾完次が[9]、渡瀬恒彦と伊吹のダブル主演によるバディムービーとして企画したものだった[9][10][11]。『仁義なき戦いシリーズ』にも出演している。テレビ作品では『必殺仕事人』、『花と狼』(フジテレビ)などに出演したほか、江戸川乱歩の美女シリーズ#天知茂版では異例の3度に渡り、犯人役で出演。『江戸川乱歩の黄金仮面/妖精の美女』(シリーズ第6作、1978年)、『江戸川乱歩の黄金仮面II/桜の国の美女』(シリーズ第11作、1980年)では共に黄金仮面を演じた。
『水戸黄門』で1983年の第14部から第28部までの17年間に渡り渥美格之進役を演じる[1]。同番組にはレギュラー抜擢以前の第1部(第26話、1970年1月26日)からゲスト出演しており、2000年にレギュラーを降板してからも度々出演している。なお、出演時には伊吹吾朗名義を用いていた。但し、伊吹吾朗名義を用いたのは第26部までで、第27部以降は伊吹吾郎に戻している。
『水戸黄門』のレギュラー降板後はバラエティ番組にも進出しているが、「真面目で堅物」というイメージ通りの人柄や不慣れなことを逆手にとり、「ぎこちない作り笑顔で、台本の進行コメントやカメラ前に出されるカンニングペーパーを、大仰な芝居口調で読むMCぶり」や「フリートークでの悪戦苦闘ぶり」が人気を呼んだ。中でも2007年4月から放送された『環境野郎Dチーム』(フジテレビ)では、Dチームリーダー兼MCとして「ブッキー」の愛称で親しまれた。
2009年には『侍戦隊シンケンジャー』に、日下部彦馬役でレギュラー出演。共演した松坂桃李は伊吹について「最初に写真で見た時は怖い人だと思っていたが、面白くて優しい、すごいいい人」と語っている[12]。また、同作品について伊吹は「出演をきっかけに、さまざまな世代に自分を知ってもらえるようになった」と語っている[13]。それまで寄って来るのは中高齢者ばかりだったが、『侍戦隊シンケンジャー』の放送中、外食をしていた際に子供から「外道衆(敵キャラクター)に負けないでください」と応援され、嬉しかったという[14]。
2019年(平成31年)2月20日に北海道の民放5局とNHK札幌放送局による共同キャンペーン『One Hokkaido Project』のキャンペーンソングに参加[15]。