国立駅
国立駅(くにたちえき)は、東京都国立市北一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。駅番号はJC 18。 中央本線と、当駅から分岐し新小平駅へ通じる武蔵野線支線(国立支線)が乗入れる。この支線は中央本線と武蔵野線とを直通する貨物列車や「むさしの号」、臨時旅客列車などが使用する。中央本線は当駅を含む区間は、運行系統上は「中央線」と案内される。運転形態の詳細については該当記事を参照のこと。 概要国立市北部に位置し、市の中心駅である。堤康次郎率いる箱根土地(後の西武グループ)が駅を作り、同時に一橋大学(当時の東京商科大学)を中心とした学園都市として街づくりを行なった[3]。駅から南側には大学通りと呼ばれる大通りが南武線の谷保駅まで伸びており、春には桜並木の桜が満開に咲き誇る。当駅南側の約1.3 kmの範囲は東京都から文教地区に指定されており、風営法の対象となる飲食店などの設置について規制を受ける[4]。開業当時、中央線の国分寺駅と立川駅の間に駅を設置するため両駅の頭文字をとって「国立駅」と命名された(西国分寺駅は後から開業)[5][6]。また「この地から新しく国が立つ」と言う想いを込めて名付けられたとも言われている[6]。町制施行前は谷保村と言う地名であったが、当駅の駅名から町名を取って「国立町(→国立市)」となった[5]。2020年には三角屋根が特徴の旧・南口駅舎が復原され、待ち合わせ場所や展示室として活用されている[報道 2]。 歴史
駅構造JR中央線コミュニティデザインが駅管理を受託している立川統括センター管理の業務委託駅で[報道 1]、2面3線を有する高架駅である。当駅東方から単線の国立支線が分岐している。 改札は、2013年1月13日限りで高架下の1ヶ所に統合されたが[16]、2016年4月24日に西側に「nonowa口」(ICカード専用)が新設され、2ヶ所となった[報道 7]。なお、コンコースとホームの間にはエスカレーター、階段とエレベーターが設置されている。また、中央改札にはお客さまサポートコールシステムが導入されており、早朝は遠隔対応のため改札係員は不在となる[2]。 高架化工事前は島式・単式混合2面3線で、下りが単式、他に鉄道総合技術研究所用授受線、通称「総研線」が2004年まであった。そのうち3番線は主に国立支線方向に向かう列車の待避に使用され、上り方の一部を除いて柵が設けられていた。3番線と総研線を横断する警報器の無い構内踏切が北口改札横に繋がっており、朝ラッシュ時のみ使用された。なお、事業完了後は事業前の2面3線に戻り、外側が本線、内側が副本線となるが、総研線は設置されず、その跡地は授受線部分がnonowa国立WESTの付帯施設「ののみち」として、引込線部分の一部は国立市が緑道「ぽっぽみち」として整備された[18]。 2009年1月11日に下り線(1番線)が、2010年11月7日に上り線が高架へ切替えられ、2012年12月16日に上り本線(3番線)が新設された。 のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
設備高架化工事に伴う駅構内改良工事に伴い、店舗は全て閉店となった。その後、2014年4月22日にNewDays国立・マンスリースイーツ国立店がオープンしている[報道 12][報道 13]。これらの2店舗も含め、2015年4月18日に「nonowa国立」が第1期開業し、後にこれを「nonowa国立EAST」とした[報道 6][報道 14]。2016年4月24日に「nonowa国立WEST」が開業した[報道 7]。2020年6月27日には、「nonowa国立EAST」がリニューアルされた[報道 9]。 旧駅舎の移転・復原問題旧南口駅舎(旧国立駅舎)は現存当時、原宿駅に次いで東京都内で2番目に古い木造建築駅舎であり[3]、その美しさは、当駅が「関東の駅百選」に選出された理由ともなった[6]。 だがその駅舎は三鷹駅 - 立川駅間の高架化工事で移転か撤去をする必要が発生した。国立市はJR東日本による鉄道遺産としての保存を希望したが、老朽化していることもあり、同社が拒否したことで、国立市による保存か撤去の選択を求め、同事業の一環としてその費用で保存する要望も事業主体である東京都に拒否された。 これに対して国立市は、独自費用で駅舎を曳き家により工事範囲から移転して仮保存を行い、立体化工事終了後に再度曳き家により元の場所で保存する計画を立てたが、費用負担問題で議会と対立し、予算案が正式に否決されるに至った[21]。 2006年10月8日に旧駅舎の使用を終了。国立市はなおも保存方法を探っていたが、工事のタイムリミットに近付いたため、妥協案として解体・保存し、立体化工事終了後に復原となった[21]。防火などの法的問題で一度解体すると現地での復原ができなくなるため、同年10月10日から12月にかけて解体作業が行われ、主要部材や駅名の表札は立体化事業完了時に再建可能なように国立市の倉庫内に保管され、10月26日に文化財の指定を行い、法がかからないようにした(それ以降の10年間程度は前記の倉庫内の一般公開が年に一回程度実施されていた)[21]。 高架化工事終了後、国立市では元の場所か、その付近に復原を計画したが、南北通過道路と駅前広場の関係で通過道路整備状況によっては南北通過車両を現状通り駅前広場に流さざるを得ず、市が保存用地を取得か借用をする必要があり、詳細はまとまっていなかったが、2014年2月3日から国立市のふるさと納税制度の寄付金の使いみちに「旧駅舎再築のために」が加わり、再築費用の寄付を募った[22]。 2016年11月14日、国立市は国立駅の再築に向けてJR東日本と土地売買契約における覚書を締結し、2020年度末の完成を目指し、開業当時の形態で再築する予定で、建物は駅舎ではなく、情報発信機能(観光案内所・展示スペース)や情報交流機能(多目的スペース)として整備した(ただしスペースの関係上東側数メートルの部分は復原されなかった)[報道 4]。 旧三角屋根駅舎の高さが12 mで、その両隣にJR東日本が地上4階建てビル(高さ20 m)各1棟の建設を計画していることが2017年8月に明らかとなった[新聞 4]。JR東日本は大学通りからの景観に配慮して高層ビルでなく低いビルとしたが、現状の計画に対しても地元の市民や商業者からは「復原駅舎が埋没してしまう」との再考を求める意見が出ていた[新聞 4]。そこで、2018年11月から、国立市とJR東日本でお互いの所有地を交換する検討を開始し、2020年3月にJR東日本の所有する旧駅舎両側の土地と国立市が所有する南口の西側にある駐車場及び駐輪場の土地を交換する方針を確認した[新聞 5]。2021年3月に、JR東日本と国立市との間で用地交換の合意が成立し、JR東日本が計画していた旧駅舎の両隣のビルは建設されず、広場として活用されることになっている[23][新聞 5]。
利用状況2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は47,095人である。JR東日本管内の駅では北浦和駅に次いで第94位。 1990年度(平成2年度)以降の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
駅周辺南口駅前ロータリーを起点に、大学通りが南に、富士見通りが西南に、旭通りが東南に、それぞれ真直ぐ放射状に伸びている。それぞれの通りの直線区間の長さは約1.8 km、1.3 km、0.7 kmである。これらの道路は、上空から見ると正面から見た旧駅舎の輪郭となぞらえた形状になっている。これらのうち、大学通りが東京都道146号国立停車場谷保線に、富士見通り駅寄り約370 mと旭通りが東京都道145号立川国分寺線に指定されている。いずれの通りも若者向けなどの商店が多く立ち並び、また路線バスが頻繁に通っている。特に大学通りのこの部分は幅員が全体で40 m以上あり、車道、歩道、自転車道、緑地帯が画然と分けられている。緑地帯はサクラとイチョウが交互に植わった並木道である。ロータリーと並木道は、前述の関係のため、西武グループのプリンスホテル(コクドの流れから)が所有している。 それ以外の街路はほぼ東西、南北の格子状であり、一方通行が多い。大学通りを南に進むと、南武線の谷保駅に出る。 大学通りの両脇に一橋大学のキャンパスがあり、塾が立ち並ぶなど、教育施設は多い。 学校
学習施設・塾
郵便局
北口北口周辺は南口同様格子状街路となっている。バスロータリーも新しく整備されたが、規模は南口と比べて広くない。 北口を出て約100 m歩くと国分寺市域に入る。その為、当駅は国分寺市からの利用客も多い他、東京方の高架下にある国立駅前くにたち・こくぶんじ市民プラザ内には、国分寺市役所のサービスコーナーが設けられている[24]。 北口付近に国分寺崖線による坂道が多くある。
バス路線南口からは京王バス、立川バス及び国立市コミュニティバス「くにっこ」(立川バス)によって運行されている。このうち、大学通りを南に向うバスは各系統合わせて昼間5分毎の頻発となっている。 北口からは立川バス及び「くにっこ」によって運行されている。2008年3月29日から国分寺市コミュニティバス「ぶんバス」(立川バス)の西町ルートが運行開始され、乗入れている。 「くにっこ」以外の全路線でPASMO・Suicaが使用可能。また、「ぶんバス」及び空港連絡バス以外の全路線で東京都シルバーパスが使用できる。 南口ロータリーの南西側に主に富士見通り方面に向かう系統が発車する1番のりばが、同じく東側に主に大学通りと旭通り方面の系統が発車する3 - 6番のりばがある。西側の2番のりばは降車専用である。現行の南口出口から見て、ロータリー右側が2番、その先の道路向こうが1番、ロータリー左側が3 - 6番である。
北口ロータリーの島内に1・2番のりば、ロータリー線路沿い(タクシー乗り場前方)に3番のりば、ロータリー北西側(立川側)に4・5番のりば、ロータリーの東側に「ぶんバス」のバス停がある。 全て立川バスにより運行されており、「国立駅北口」の名称となっている。
ゆかりの作品
隣の駅
脚注記事本文注釈
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
参考文献関連項目外部リンク |