コカ・コーラ
コカ・コーラ (英語: Coca-Cola) は、ザ コカ・コーラ カンパニーが製造販売するコーラの名称である。愛称はコーク (Coke)。 なお、正式な日本語表記は半角中黒を用いた「コカ・コーラ」である[1]。 概略1886年、アメリカ合衆国で発明された世界最初のコーラ飲料[2]。発祥はジョージア州アトランタで、現在も本社は同地にある。アトランタの「World of Coca-Cola 博物館」には多くの観光客が訪れ、そこでは世界各国のコカ・コーラの味を比較できる。 コカ・コーラの名称の由来は、コカの葉(成分としてコカインを含む)とコーラの実(当時はほぼアフリカ産)を原材料に使っていたことによる[3][4][5][6]。ジョン・ペンバートン博士の友人で、経理担当のフランク・ロビンソンが命名した。1903年以降[7]、コカインの成分は含まれておらず[3]、現在はコーラの実も他のコーラ飲料と同様に、風味に殆ど影響を与えない微量である[8]。なお日本コカ・コーラ株式会社は、この説明を完全に否定しており、名称の由来は「語感がいいから」という単純な理由だと主張している[9]。 ギャラリー
歴史→詳細は「ザ コカ・コーラ カンパニー」を参照
製造米国のザ コカ・コーラ カンパニー本社で調製されたコカ・コーラの原液が世界各地のボトリング会社に流通し[10]、現地各社によってコーンシロップ、砂糖などで薄められ、さらに炭酸水で割られて、瓶詰め・缶詰めされ販売される。 材料コカ・コーラの風味はトップシークレットの香料7xと柑橘系およびスパイス系のフレーバー7 - 8種類程度の配合によるものといわれる。このうち7xの成分は、コカ・コーラ社のトップシークレットであり、成分を知っているのは最高幹部のみである。 7xはレモン・オレンジ・ナツメグ・シナモン・ネロリ・コリアンダー、そして脱コカイン処理されたコカの葉の7種(またはコカの葉がない6種)をアルコールで抽出したものだといわれている。この7xとその他のフレーバーの配合レシピのことを「フォーミュラ」と呼ぶ(後述)。 レシピ(フォーミュラ)コカ・コーラ社のフォーミュラは非公開であり、フォーミュラについての文書は1919年からアトランタの某銀行の金庫に融資の担保として厳重に保管されていた。 その後、1985年のカンザス計画によって1度だけフォーミュラが変更されたが、抗議により3か月で元に戻されて以降は変更されていないとされる(コカインとカフェイン量を除く)。 このため、その成分や内容については真偽不明の情報がしばしば出回っており、後述のコークロアの元となった。このフォーミュラを基にしてオープンコーラという製品が作られたが、それでもコカ・コーラの味や香りを完全に再現することはできなかった。 2011年2月、アメリカのラジオ番組This American Lifeが、コカ・コーラ社の最高機密とされる香料「7x」の調合割合を発見したと公表した[11]。同番組のプロデューサーが発見したザ コカ・コーラ カンパニーの地元紙The Atlanta Journal-Constitutionの1979年2月8日付けの記事には、コカ・コーラの発明者ジョン・ペンバートンが手書きしたレシピとされる写真が添えられていた[12]。写真から読み取れるレシピは、以下の通りである[11]。
これに対しザ コカ・コーラ カンパニーは「アトランタの銀行の金庫に保管されている本物のレシピと、写真のレシピは異なる」とコメントし、このレシピの真実性を否定した[13]。 2011年12月、創業125周年記念事業の一環として、アトランタに作ったコカ・コーラの博物館「World of Coca-Cola」の一角に金庫的な保管施設を造り、アトランタの某銀行からフォーミュラを取り戻してこちらに移した。フォーミュラは公開されていないが、この施設は一般人でも見学することが可能になっている[14]。 メキシコのコカ・コーラが最も美味しいという説コカ・コーラは国によって味が違い、メキシコ産サトウキビ由来の砂糖100%で作られるメキシコのコカ・コーラが最も美味しい、とする説がある[15]。普通のコカ・コーラは果糖ブドウ糖液糖で作られるが、砂糖を使っているのが「メキシカンコーラ」の特徴、という主張である。なお、メキシコはコーラの消費量が世界一である[15]。 カラメル色素製造方法調整2012年3月、カラメル色素に含有される4-メチルイミダゾールが、米国カリフォルニア州法の発がん性物質リストに摂取上限値29マイクログラム/日として追加収録される中、コーラ類飲料には355ミリリットル缶1本に100マイクログラム超の含有が認められ、リスク警告表示回避のためにレシピが変更[16][17]された。米国飲料協会は「4-メチルイミダゾール」が、アメリカ食品医薬品局のヒト発がん性物質リストに収載されていない旨の声明を発表する[18]。世界保健機関(+G)の研究では[19]、発がんリスクありとの報告がある。 都市伝説→「コークロア」も参照
謎を抱えたまま大衆に受容されたコカ・コーラは、その謎に関する都市伝説も数多く生んだ。民間伝承(フォークロア)とひっかけて、コカ・コーラに関する都市伝説は諧謔的にコークロアと呼ばれている(ブルンヴァン等)。 多くの都市伝説同様、コークロアもそのほとんどが部分的に真実を含んでおり、それを元に誇張されているのが特徴である。以下、代表的なコークロアを解説する。 コカ・コーラの瓶の形状についてコカ・コーラの独特の「くびれ」のある瓶(コンツアー・ボトル)は、女性のボディーライン、または、この当時流行したスカートを参考にデザインされたものといわれているが、この話は事実ではない。 この特徴的な形状の瓶にした理由は、暗闇で触ってもすぐにコカ・コーラとわかるようにするためと、当時無数のコカ・コーラの偽物が出回ったので類似品対策として複雑な形の瓶にしたためである。当時、百科事典のカカオ豆の挿絵から着想を得てデザインされた。 アメリカン・スポーツカーのひとつ、シボレー・コルベットの3代目(1970年代)モデルは、大胆に膨らんだ前後フェンダーとくびれたように見えるボディ中央部がコーラのビンを連想させたことからコークボトルというニックネームがある。 また、自動車レースF1のレーシングカーは、空気抵抗を減らすために後輪周辺のボディの形状がちょうどコーラのビンを連想させる絞り込まれた形であるため、これもまたコークボトルと称される。レーシングカー・デザイナー、ジョン・バーナードが1983年のマクラーレン・MP4/1Cで採用すると、またたく間にその形状は他のチームに模倣され、現代においては全てのF1カー(ひいてはほとんどのフォーミュラカー)はコークボトル形状である。 ちなみに、ヴァージン・コーラのペットボトルのデザインは、女優パメラ・アンダーソンのボディラインを模して作られている。 コカ・コーラの味についてコカ・コーラのガラス製瓶には、側面下部に四角型または丸型のへこみが刻印されていた。刻印が四角型の瓶は炭酸の強い「辛口」であり、刻印が丸形の瓶は炭酸の弱い「甘口」であるとする都市伝説がペットボトルの普及前に存在した。 実際には、瓶の製造工場ごとに異なる刻印がなされていただけであり、コカ・コーラはリターナブル瓶であったため、ボトラーによる回収再使用過程において、刻印の異なる瓶が混ぜられて出荷されたものであった。この刻印は、瓶表面にロゴタイプをプリントするときに、金型成形でできるパーティングラインの上にプリント部がかからないよう、方向を規制するために使われていたものである。瓶製造メーカーの工場設備によって丸型・四角型のほうが固定しやすいといった違いがあったためである。日本では丸型が石塚硝子製、四角型が日本山村硝子製となっている。 同じ商標、同じ製法、同じデザインのコーラの風味に(甘口・辛口と評されるような)大きな差異はない。 サンタクロースが赤い服を着ている由来についてこの都市伝説によれば、サンタクロースはもともとの伝承では緑の服を着ていたが、コカ・コーラ社がCM(看板)でコカ・コーラのシンボルカラーである赤い色の服を着たサンタクロースを登場させたため、赤い服のサンタクロースが広まったことになっている。 しかし、現在のサンタクロースのイメージの元となったとされる、ニューヨークの画家、トーマス・ナストが19世紀に描いた聖ニコラウス像において、ニコラウスは赤いマントを羽織っており、このマントが変化してサンタクロースの赤い服になったのだという[20]。 また、1914年の日本の児童雑誌『子供之友』には、現代と全く同じイメージの、大人の背丈で白髭に赤い服を着たサンタクロースが描かれている。さらに当時の輸出用[注 1]クリスマス用品のサンタクロース人形もこの姿でもあった。従って遠く日本にも伝わるほど定番となっていた赤い服のサンタクロースの姿を、1931年になってからコカ・コーラ社が広告に採用した、というのが事実である[21][22]。 「白ひげ」「赤い服」「太っている」「陽気」というサンタクロースの要素は、既に絵本・イラスト・サンタクロース人形などにより定着しており、この「白ひげを蓄え赤い服を着た太った陽気なサンタ」像をCMに使用した企業の一つがコカ・コーラ社であった、ということである。
コカ・コーラは民主党、ペプシコーラは共和党ザ コカ・コーラ カンパニーは民主党と親しく、ペプシコは共和党と親しいため、「アメリカ合衆国大統領が代わると、ホワイトハウスのコーラも代わる」とする都市伝説があるが、現実には共和党出身の大統領だったドワイト・D・アイゼンハワーと親しかったりするなど、共和党とも無縁ということはなく、あくまで噂の範囲を出ない。2017年から大統領を務めた共和党のドナルド・トランプに至っては、毎日12本ものダイエット・コーク(コカ・コーラ)を愛飲している[23]。ホワイトハウスの執務室には、ダイエット・コークを運ぶ執事を呼ぶ赤ボタンまで設置されていたが、2021年1月に民主党のジョー・バイデンが大統領に就任すると赤ボタンは速やかに撤去された[24]。 ザ コカ・コーラ カンパニーの筆頭株主であるバークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェットは、民主党支持者としても有名である。ペプシコとのライバル関係は根強く、従業員が勤務中にペプシコーラを飲んだことが発覚して解雇されたエピソードがある[25]。 コカ・コーラの成分コカ・コーラ社は香料レシピを公開していないところから、それを知る人物は重役2名だけで1名が突然事故などに遭遇しても存続するために2人が同じ飛行機に搭乗しない[26]、という都市伝説が喧伝されている。原材料に豚血液が含まれると噂された時期は、ブタの食用を禁じるムスリムへの売り上げが激減[8]したという。 カンザス計画→詳細は「カンザス計画」を参照
コカ・コーラを飲むと骨が溶ける噂話発祥時期や地域は不明であるが、1970年代から1980年代前半頃に広く流布された噂話である[要出典]。 このことについて、1970年代にザ コカ・コーラ カンパニーは、パンフレットで「確かに魚の骨をつけておくと溶けてしまう」ことを認めた。だが、魚の骨は人間の骨と成分が違うこと、ヒトが飲用したコカ・コーラは消化器を経由し、骨に到達する頃には別な物質に変化しているため、コカ・コーラを飲み続けても、骨がもろくなったり、骨が溶けることは無いと説明していた[要出典]。 日本におけるバリエーション日本では、大正時代に輸入された。 以下の商品が販売されている(ただし、地域によって異なることがある)。なお、以前はパッケージに記載されていた販売者は「コカ・コーラ ナショナルビバレッジ(株)」となっていたが[注 2]、事業再編に伴って、2008年12月以降に発売された製品の販売者は「コカ・コーラ カスタマーマーケティング(株)」に変更されている。 現行
過去の商品
ギャラリー
日本におけるこれまでのCM1968年のサーフィン編までは白黒で制作されていた。1968年のテレフォン編で初めてカラー化された。 品目・出演タレントなど
2008年7月にはエイベックスより1962年から1989年までのテレビコマーシャルを収録した『The Coca-cola TVCF Chronicles』(DVD)がリリースされている。これによれば1968年から1990年までマッキャンエリクソン(広告代理店・1968年当時は博報堂との提携企業)の坂田耕がテレビCM制作にかかわっていた。 歴代のCMソング
コンピレーション・アルバム1991年以前のCMソングは「コカ・コーラCMソング集 1962-89」(2005年)、「コカ・コーラCMソング集 Super More」(2006年)という2枚のコンピレーション・アルバムにまとめられている。
キャッチコピーほとんどが日本国内で独自に考案されているが、英文コピーの中には本国アメリカでも高い評価を受けたものが多い。
(^^)検索コカ・コーラのテレビCMの中で、CMの最後にインターネットの検索窓を模した枠のなかに「(^^)」と表示され、検索ボタンがクリックされる映像が含まれたものがある。これは、検索の際には顔文字「(^^)」を使用するよう促しているものであった。 「Grand Theft Auto」酷似CM2006年に、アメリカのコカ・コーラのCMでゲームソフト「Grand Theft Auto」(GTA) のゲーム画面にそっくりのCMが放映され、その動画がYouTubeにアップされることで日本でも視聴可能となった。CMの内容があまりにもGTAとかけ離れた平和的かつフレンドリーな描写になっており、視聴者の笑いを誘った。なお、一部のシーンにはGTA的な要素(クルマのドライバーを強制的に降ろす、向かってきた男からバッグをひったくるなど)も見受けられる。このCMは2007年から日本でも、コカ・コーラ公式サイトでアメリカ放映版がそのまま視聴できた他、テレビCMでは30秒に編集され「いい人のフリ? それとも、ホントにいい人?」編として放送された。 脚注注釈出典
参照関連項目
外部リンク
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