サイモン・パジェノ (Simon Pagenaud, 1984年5月18日 - ) は、フランスのレーシングドライバー。ポワチエ出身。現在はチーム・ペンスキーからインディカー・シリーズに参戦している。記事名の「サイモン・パジェノ」は本人がアメリカで自称する際の読みであるが、フランス語の読みに近い"シモン・パジェノ"、英語読みの"サイモン・ペジナウ"など、日本においては表記にバラつきがあるが、GAORAの中継やホンダによる紹介などでは"シモン・パジェノー"である。
経歴
パジェノは2002年から2003年までフレンチ・フォーミュラ・ルノーに参戦、2002年と2004年はフォーミュラ・ルノー2000ユーロカップに参戦した。2005年にはフォーミュラ・ルノー3.5シリーズに参戦、ランキングは16位であった。翌2006年はアメリカに行きチーム・オーストラリアからアトランティック・チャンピオンシップに参戦、グラハム・レイホールを僅かに上回ってチャンピオンを獲得した。
2007
アトランティック・チャンピオンシップでパジェノは200万ドルの賞金を獲得し、2007年はチャンプカー・ワールド・シリーズにステップアップすることとなった。2007年2月13日、パジェノとチーム・オーストラリアは契約を継続してチャンプカーにステップアップすることを確認した。パジェノはデビューシーズンで4位を3回コンスタントに結果を残し、ランキング8位でシーズンを終えた。
2008
2007年でチャンプカー・ワールド・シリーズ終焉後、パジェノはアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)に戦いの場を移し、元CARTチャンピオンのジル・ド・フェランと共にド・フェラン・モータースポーツのアキュラ・ARX-01bでLMP2クラスに参戦した。3度の表彰台を獲得し、ランキング14位であった。
2009
ALMSのLMP1クラスにアキュラ・ARX-02で参戦。ド・フェラン・モータースポーツとパジェノは躍進し、LMP1クラスでシリーズ2位を獲得、チャンピオンとなったハイクロフト・レーシングのデビッド・ブラバムとスコット・シャープ組とは僅か17ポイント差であった。ド・フェランとパジェノ組は10戦中5勝を挙げ、ポールポジションを3回獲得、ファステストラップを6度塗り替えた。
また同年、パジェノはペスカロロ・スポールからLMP1クラスのプジョー・908 HDi FAPで、ル・マン24時間レース(英語版)に参戦した。チームは210ラップを走行したがリタイアした。
2010
ALMSでは、パジェノはハイクロフト・レーシングに移り、LMP2マシンのHPD・ARX-01cでデビッド・ブラバムと組んだ。2010年のALMSはLMP1とLMP2クラスはLMPクラス1つに統合して実施されたが、すべてのレースで表彰台そして4度の優勝を上げ、LMPクラスでタイトルを獲得した。パジェノーはまた、ペドロ・ラミーとセバスチャン・ボーデと共にプジョー・908 HDi FAPで、ル・マン24時間レース(英語版)でワークス・チームのプジョー・スポールから参戦。ポールポジションを獲得したがサスペンショントラブルでわずか38周でリタイアした。
2011
この年は、プジョー・スポールからインターコンチネンタル・ル・マン・カップ(ILMC)に参戦。プジョー・スポールはチームタイトルを獲得した。ル・マン24時間レースにも参戦し、総合2位を獲得した。
2012
2012年のインディカー・シリーズにシュミット・ハミルトン・モータースポーツよりフル参戦、パジェノにとっては2007年のチャンプカー以来のオープンホイールレース本格参戦であった。ルーキーかつ一台体制ながらロングビーチで2位表彰台を獲得、その後も3位を3回獲得しチャンピオンシップ5位とルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。
2013
前年に引き続き、2013年のインディカー・シリーズにシュミット・ハミルトン・モータースポーツよりフル参戦。第7戦デトロイト・レース2で初優勝。第14戦ミッド・オハイオでは初ポールポジション(決勝は2位)、第16戦バルチモアで2勝目をあげるなどの活躍を見せチャンピオンシップ3位となった。
2014
引き続き2014年のインディカー・シリーズにシュミット・ピーターソン・モータースポーツよりフル参戦。第4戦インディアナポリスGP、第10戦ヒューストン・レース2の2勝をあげ、チャンピオンシップ5位となった。
2015
シュミット・ピーターソン・モータースポーツから名門ペンスキー・レーシングへ移籍した。
2016
前年に引き続きペンスキーから参戦、5勝を挙げて自身初のシリーズチャンピオンに輝いた。
2019
第103回インディ500マイルレースで優勝。ポールポジション・最多リードラップを取り、フランス人として1914年のルネ・トーマ以来108年ぶり3人目、また、アメリカン・オープンホイールのトップカテゴリにフル参戦経験のあるフランス人としては史上初の優勝を飾った。
2021
インディ500では3位でフィニッシュするが、シーズンを通して勝利が無く、シーズン中からチーム離脱の噂が報じられるなど7年間在籍したペンスキーでのラストイヤーとなった。
2022
メイヤー・シャンク・レーシングに移籍[1]。第5戦GMR・グランプリでは悪天のため混乱続きとなったレースで20番グリッドから2位表彰台を獲得した[2]。
2023
メイヤー・シャンクより引き続きインディカーに参戦。第9戦ミッドオハイオのプラクティス2でブレーキの不具合からコースアウト、マシンは高速のままグラベルで横転、回転を繰り返して止まった。パジェノーは無事救出され、観衆やカメラに向かって手を上げ無事を伝えたが、以後メディカルストップがかかり出走許可が得られなかったため[3]、参戦が休止された[4]。
レース戦績
フォーミュラ・ルノー3.5
アメリカン・オープンホイール
チャンプカー・アトランティック
チャンプカー・ワールド・シリーズ
インディカー・シリーズ
年
|
チーム
|
出走数
|
ポールポジション
|
勝利数
|
表彰台 (勝利以外)**
|
トップ10 (表彰台以外)***
|
チャンピオン獲得数
|
5
|
4
|
74
|
2
|
6
|
10
|
32
|
1(2016)
|
- ** 表彰台(勝利以外):2位または3位
- *** トップ10(表彰台以外):4位から10位まで
インディ500
スポーツカー
アメリカン・ル・マン・シリーズ
ル・マン・シリーズ
インターコンチネンタル・ル・マン・カップ
ユナイテッド・スポーツカー選手権
ル・マン24時間レース
デイトナ24時間レース
セブリング12時間レース
参照
外部リンク