伊藤孝恵
伊藤 孝恵(いとう たかえ、1975年6月30日 - )は、日本の政治家、ジャーナリスト。国民民主党所属の参議院議員(2期)、同党組織委員長兼参議院国会対策委員長。 来歴愛知県名古屋市出身。2016年時点で犬山市に在住[2]。父親は丸栄百貨店の従業員[3]。犬山市立犬山北小学校、金城学院中学校、金城学院高等学校を経て、1998年3月、金城学院大学文学部国文学科を卒業。中学校から大学までバトントワリング部に在籍した[4]。中高大の同級生に元CBCアナウンサーの大橋麻美子がいる[5]。 1998年4月にテレビ大阪へ入社した後、営業を経て報道へ異動。大阪府警察記者クラブで事件や事故を取材するかたわら、ニート問題を取りあげたドキュメンタリー番組を制作し、第1回TXNドキュメンタリー大賞[4]を受賞した。 2006年1月に資生堂、7月にリクルートへ転職。2013年9月から金城学院大学文学部日本語日本文化学科で非常勤講師[4]となる。 2016年参議院議員選挙2015年、民主党の候補者公募のウェブサイトに書かれた山尾志桜里の「(政治家は)子どもたちの未来をつくることができる」[6]に感銘を受けて応募[4][7]する。 改選数が3人から4人へ増えた愛知県選挙区で、民主党は現職の斎藤嘉隆を推すか2人目を擁立するか長い間逡巡する。2016年1月15日に選対委員長の玄葉光一郎は名古屋で、連合愛知会長の土肥和則に伊藤を含む候補者数名の名前を告げた。土肥は早くから2人を擁立する方針であり、1月27日に党本部は伊藤擁立を決定[8]する。2月24日に伊藤は正式に立候補を表明するが、党公認ではなく推薦であった[2]。3月27日に民主党と維新の党が合流し民進党が結成される[9]。 2016年6月22日に第24回参議院議員通常選挙が公示されると、定数4人の愛知県選挙区から民進党公認で立候補。日本で初めて勤務先で育休を取得中の立候補[4]で、批判を受けた[10]。公示直前の段階で、党県連代表の大塚耕平と県連選対委員長の古川元久は「連合愛知から見込める組織票は斎藤嘉隆の4分の1、10万票ほど。それを合わせて現状ではせいぜい20数万票」と見ていた[11]。メディアの報道では、連合愛知は組合員の約8割を斎藤に、約2割を伊藤の支援に割り振ったとされる[12]。岡田克也代表や枝野幸男幹事長らが連日応援に入り、大塚らは、組織票を固める「地上戦」は斎藤に任せ、街頭などで浮動票を狙う「空中戦」に重点を置いた。玄葉光一郎党本部選対委員長は、7月5日夜の総決起集会で「共産党新人の須山初美に2~3万票負けている」とする調査結果を明かして奮起を促した[11]。 同年7月10日、投開票。得票数519,510票の順位4位で初当選した[13]。 当選後2017年10月27日、民進党代表の前原誠司が、同月の衆院選で党を分裂させる形で戦う原因をつくったことについて陳謝し、引責辞任を正式に表明[14]。前原の辞任に伴う代表選挙(10月31日実施)では大塚耕平の推薦人に名を連ねた。 2018年5月7日に、民進党と希望の党が合流した国民民主党に参加した[15]。 立憲民主党と国民民主党が解党して設立する(新)立憲民主党に参加せず、党代表の玉木雄一郎らが新規に結党する(新)国民民主党に加わると、2020年9月4日に地元紙が報道した[16]。国民民主党では役員室長兼総務局長に就任。9月16日召集の第202回国会首相指名選挙で、無所属の寺田静から一票を得た。山東昭子議長が伊藤の名を読み上げると、議場から「自分で入れたのか」「記録に残るのに何をやっているんだ」とやじが飛び交った[17]。指名選挙後に寺田は「同世代の女性で同じ問題意識を共有している伊藤孝恵さんに、日本を変えていただきたいとの思いがあり、投票をした」[18][19]と答えた。2021年10月4日の第205回国会における首班指名においても伊藤は寺田から1票を得ている[20]。 12月8日に国民民主党の代表選が告示され、伊藤と玉木が立候補を届け出た。伊藤は「代表選を無投票でシャンシャンと終わらせることはできない。国民の政策や方向性を伝えていく代表選にしたい」「ほかに手を挙げる人がいれば、(自身は)手を下げる準備をしていた」と述べた[21]。18日の投開票で、国会議員票は両者同数だが地方議員と党員票は大差で玉木に敗れた[22]。同月23日に行われた両院議員総会で党副代表就任が決定、了承された[23]。 2022年参議院議員選挙2021年10月の衆院選で、トヨタ労組出身の愛知11区の古本伸一郎が衆議院解散日に不出馬を表明し、激震が走った[24][25]。全トヨタ労働組合連合会はカーボンニュートラルへの対応などを念頭に、自民党との対立を回避したい意向を示した[12]。 自民はこの全トヨタ労連の動きを最大限利用し、旧民主系の支持層を取り込もうと目論む。2022年6月17日、岸田文雄首相はトヨタ自動車元町工場を視察。立憲民主党、国民民主党の陣営は「労組票の切り崩しか」と色めき立った[12]。官邸は「首相としての公務」と説明したが、トヨタ系部品メーカーは、深刻に訪問の意味を勘繰った。 全トヨタ労連傘下の労組幹部は、「部品メーカー側には『この選挙でトヨタは労使で与党についた』と見えた。そのため部品メーカー単組は伊藤や比例の濱口誠を応援しづらくなった」と明かした[26]。 同年6月22日、参議院議員選挙が公示される。連合愛知は、自動車や電機など民間労組を中心に約7割を伊藤に割り振った。立憲の斎藤嘉隆への割り振りは、官公労を中心に約3割にとどまった[12]。6年前の選挙で斎藤を支援した全トヨタ労連は伊藤の支援に回ることになったが、組合員に新しい名前を覚えてもらうための活動は苦労が伴ったという[27]。 労組の動きは鈍く、選挙戦に入っても「全トが全然、動いていない」との声がやまなかった。陣営の地方議員は「本音では比例も選挙区も落としても構わないと思ってないか。誰もいなくなれば、組合も自民に推薦を出せるようになるし」と自嘲気味に語った[26]。期日前投票の各種出口調査では、伊藤の票の出方が豊田市で周辺より出遅れていることが判明。伊藤を支援していた大村秀章知事は業を煮やし、自ら全トヨタ労連に応援を要請し始めた[26]。 各社の情勢調査は、日本維新の会・減税日本共同公認の広沢一郎と伊藤を「4番手、5番手」とするものがほとんどであった。選挙序盤から「広沢やや先行、伊藤追う」(朝日新聞)、「激しく競り合う」(毎日新聞)、「横一線」(産経新聞)などの報道が続いた。しかし広沢陣営にも悩みの種があった。愛知5区を地盤とする日本維新の会衆議院議員の岬麻紀の経歴詐称問題がこの年の5月に発覚[28]。党代表の松井一郎が、経歴証明の資料が提出されなければ岬を議員辞職させると発言するほどの事態にまで発展していた[29]。この影響で岬は広沢の選挙事務所に姿を見せず、選挙期間中は他県の候補者の応援に入った。減税日本代表の河村たかしの周辺は「岬さんが本格的に協力していれば、選挙運動で活動できるスタッフは単純に増えた」とのちの取材で答えている[30]。 7月10日投開票。伊藤が得票数391,757票・順位4位で逃げ切り、再選を果たした[31]。伊藤は愛知県選挙区で初めて2期目の当選を果たした女性となった[32]。同年8月の党役員人事で副代表および役員室長を退任し、組織委員長に就任[33]。 政策・主張憲法
外交・安全保障
ジェンダー
福祉・医療
その他
所属委員会令和4年7月12日現在の所属委員会これまでの所属委員会
所属議員連盟人物
出演
選挙歴
出典
関連項目
外部リンク
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